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    天使  1

     24, 2012 19:00

    突然頭の中に、言葉が飛び込んだ。

    あちこちから、同時に…。

    様々な言葉で溢れ返る。

    余りに突然の事に、佐知は驚愕と恐怖で悲鳴さえも挙げる事が出来ない。


    「畜生!あの野郎、ぶっ殺してやる!」

    「あー、このおんなと早くヤリてー!」

    「マジ、ムカつく!キモ男、どっか行け」

    「コイツ、金だけは持ってんだよねぇ~。チビちんのクセして、… キャハハ!」

    「死にたい。死にたい…」

    「あー、人、殺してみてー、… やっちまおうかなぁ~!!」



    【怖い!なに?なんで…。助けて…。】


    佐知は、頭を抱え耳を塞いだ。

    勿論、効果はない。


    そうしている間にも、次々に言葉が頭で舞い踊る。


    【気が変になりそう!誰か、誰か助けて…】


    そこへ一人の少年が…、


    つづく



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    天使  2

     25, 2012 19:00

    正史は、ベンチで震える佐知の姿をじっと見ていた。


    暫くして、徐に近付き声をかける。


    「大丈夫?」


    聞き覚えの無い声に、佐知は恐る恐る目線を向ける。


    【聞こえない。】

    【この人からは、聴こえて来ない。】

    【みんなとは、違うの?】

    【なぜ?】


    佐知の頭の中を、

    【?】

    が駆け巡る。


    「どうしたの?大丈夫?」


    正史は心配そうに佐知の顔を覗き込んだ。


    「はい…。大丈夫で‥す。」


    思わず語尾が掠れそうになった。


    本当は大丈夫ではない。


    溢れかえる悪意で、佐知の頭は今にもパンクしそうだ。


    「少し歩かない?」


    佐知の心を見透かした様に正史は誘う。


    佐知も取り敢えず誰もいない所へ行きたかった。


    「う‥ん…」


    佐知が答え終わる前に、正史は佐知の手を取り歩き出した。


    「あ、あの、ちょっと…。どこに?」


    正史はそれには答えず、ただ微笑むのみだ。


    佐知も思わず微笑んだ。


    相変わらず、周りからは悪意の洪水だが、
    やはり正史からは悪意のひと欠片さえ感じられない。


    佐知は不思議な感覚に支配され始めていた。


    【このまま、この人とどこかに行ってしまいたい。】


    溢れかえる悪意さえ、正史と一緒なら耐えられそうな気がする。


    【たった今、会ったばかりだというのに。】



    佐知の足取りが軽くなった。

    まるで天使の羽根を、正史から受け取ったかの様に…。



    つづく



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    天使  3

     26, 2012 19:00

    平和公園の中央広場から、
    その外れにある芝遊園へ向かって
    二人は歩いていた。


    軽やかだった佐知の足取りが突然止まった。


    「殺してやる。誰にしよう!誰に…。」


    先ほどまでの悪意とは、
    比べ得べきこともない、
    激烈な殺意が佐知の体を貫いた。


    「怖い」


    思わず呟く。


    「どうしたの?」


    正史が怪訝そうに佐知の顔を覗き込んだ。

    【話してしまいたい】

    【でも、信じてくれる筈がない…。】


    決心が付かずにいる佐知の背中を正史が押した。


    「聞こえるんだろ?心の声」


    【!!!!】


    「なぜ…?」


    驚愕と安堵の入り混じった感情が佐知の目に浮かんだ。


    「同じ様な人を知っていたんだ。」

    過去形。

    佐知の中で何か引っかかるものがあった。

    それが何か考えている時間が今はない。


    「あの人、人を殺そうとしてる。」


    ここ数ヶ月、
    この平和公園で
    何人もの女性が殺害される事件が起こっている。


    その犯人がそこにいる。

    佐知がそう感じたのも無理はない。


    「分かった。ちょっと待ってて。」


    正史が携帯で警察へ通報した。

    「…ええ、そうです。殺すって呟きながら歩いてました。…
    ええ…」


    話の途中で警官が駆け付けた。


    「あっ、あの人です。」


    正史が警官に指差した。


    「ちょっと、君…」


    警官が声を掛けるや否や、
    男は脱兎の如く逃げ出した。


    「こら、待て!」


    警官が男を追った。


    「行こう」


    正史は佐知の手を取り歩き出した。


    「えっ、でも…」


    「どうして分かったのか聞かれると面倒な事になる。」


    「あ、うん」


    佐知は釈然としない気もしたが、
    引かれる儘、正史の後を着いていった。


    平和公園が夕陽に赤く染まっていた。


    つづく




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    天使  4

     27, 2012 19:00

    夕陽に染まる遊歩道を

    佐知と正史は、無言の儘歩いていた。


    周りに人影がなくなり、
    佐知はやっと落ち着きを取り戻した。


    「あの、…ありがとう、…?」


    まだ名前も知らない。


    「ああ、そうだね。自己紹介もまだだった。」


    正史は手を差し出しながら、


    「白河正史です。宜しく。」


    微笑みを絶やさず言った。


    「三日月佐知です。」


    手を握り返して応える。


    不思議な感覚だ。


    まるで昔からよく知っている手の感触。


    「あの、… 前、何処かで会った事が…」


    「ああ…まだ思い出せないんだ?」


    「えっ?」


    ふと、

    遠い記憶…

    そう、

    遥か昔、

    まだこの地が楽園だった頃


    【会った事がある。】


    佐知は、
    自分でも信じられない記憶の情景を、
    瞳の奥に映し出していた。


    「あれ?思い出しちゃった?」


    正史の笑顔から、
    暖かさが消え氷の様な冷たさが顔を覗かせた。



    「それは、マズいなぁ~。もう少し楽しみたかったのに。」



    佐知は恐怖で体中の血液が逆流するのを感じた。


    正史はいきなり佐知の首に手をかけ、容赦なく力をこめる。


    殺人鬼は正史だ。


    【でも…、正史からは悪意が全く感じられないのに…。】


    「ははは…。当たり前じゃないか」


    薄れゆく意識に正史の笑い声がこだまする。


    「またな、ミカエル。ガブリエルとラファエルは先に行ってお前を待ってるさ。」


    佐知は全てを思い出した。


    【私はミカエル。三大天使の一人】

    天使は私だった。正史ではなく…。



    こいつは…、

    ルシファー。

    堕天使…、

    悪魔だ。


    悪意が無いんじゃない。


    存在そのものが悪だったのだ。


    薄れゆく意識の中で、ミカエルはこの世を憂いた。


    ルシファーが君臨するこの世を…。


    休題




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