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    (有)AKB探偵社  1

     21, 2012 07:00


    【ここは秋葉原。

    電器屋とヲタクの聖地。

    まあ、最近は色んな人種でごった返しているが…】



    ノックの音がした。


    「はい…、どうぞ」


    「こんにちは…、
    ちょっとご相談があるんですけど…」


    「どうぞ、どうぞ…ここは、そういう所ですから…」


    「まあ…、ふふふ…そうですよね…」


    「どうぞ、お掛け下さい。」


    「はい…、失礼します…。」


    私は応対しながら、ちょっとドギマギしていた。

    飛びっきりの美人だったのだ。

    今日はいい日になりそうだ。


    「それで、どうされました?」


    「はい…すいません…
    他の所にいくつか当たってみたんですけど…
    どこも、無理だって言われて…」


    まあ、そうだろう。

    こんな怪しげな探偵事務所に、
    最初っから飛び込む人間はいないだろうな…。


    「それで…?」


    「はい…。
    あの、うちの子を捜して欲しいんです。」


    正直、飛び上がりそうなくらい驚いた。

    とても子供がいそうな年には見えなかったのだ。


    「あ、はあ…。お子さんですか…、
    お写真、お持ちですか?」


    「ええ、この子なんです。」


    なっ、なんだコリャ…

    猫じゃねぇか!


    「し、失礼ですが…

    お子さんと云うのは、この猫ちゃんですか?」


    「はい!!大事な子なんです。
    お願いします!どうか、捜して下さい!」


    私は一気にやる気が失せた。

    猫捜しなんかやってられるか!


    「お気持ちは痛いほどわかります。

    しかし、猫捜しは大変難しい仕事でして、
    確約出来かねますので…

    もっと大きな事務所に行かれては如何ですか?」



    「そう仰らないで…

    どうか、お願いします!

    みんなに断られて…
    本当に困ってるんです。」


    そりゃそうだ。

    マトモな探偵ならこんな仕事引き受けやしないだろう。


    「わかりましたよ…。
    お引受け致します。

    ただ、費用は少々お高くなりますよ。」


    彼女は私の言葉で、
    まさに破顔一笑の見本のような笑顔になった。


    「宜しくお願いします。
    お幾ら掛かっても構いません。
    どうか、見つけて下さい!」


    「あ、いや…先ほども申しましたが、
    必ずとはお約束出来かねますよ。
    最善を尽くしますが…」


    彼女は少し不安げになったが、気を取り直して…


    「それで結構です。お願いします。」


    「では…1日2万、10日のご契約で如何ですか。
    ただし、10日以内に見つかった場合でも、ご返金出来ません。
    よろしいですか?」


    「そ、そんなに…」


    「お高くお感じでしたら、他を当たって下さい。」


    「ぃ、いえ、それで結構です。
    宜しくお願いします!」


    「…では…こちらがうちの口座番号になります。
    振り込みが確認出来次第取り掛かります。」


    「よろしくお願いします!」


    「はい…承りました。」

    彼女は、不安と安心をない交ぜにした表情のまま事務所を後にした。



    【こちらは、☆☆銀行です。
    ★★様より20万円のご入金がございました。…】


    ふふふ…。



    「もしもし?
    ああ、☆☆なんでも屋商会さん?

    いつもお世話になってます。
    AKB探偵社です。

    ちょっと仕事頼みたいんだけど…

    1日五千円で…

    報告書は、まあ適当に…

    宜しく頼むよ。」


    ふふふ…。

    電話一本で十五万の稼ぎか…


    悪くない。


    今日はいいになりそうな気がしたんだ。


    マトモな探偵ならこんな仕事引き受けないって…。


    猫捜しなんかやってられるか!


    ここは、


    ㈲アナタ《A》が、

    きっと《K》

    馬鹿《B》を見る

    探偵社。


    ようこそ!!


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    (有)AKB探偵社  2

     22, 2012 00:00

    【ここは秋葉原。

    電器屋とヲタクの聖地。

    まあ、最近ではいろんな人種が溢れているが…】



    ノックもなしに入って来たのは30前後の、

    明らかにヲタクの典型みたいな奴だった。


    「あの…お願い事があるんですが…」


    「どうぞ、お掛けください。

    ここは、そういう所ですからご遠慮なく。」


    「あ…そうですね。

    くふっくふっ…」


    だあ~!

    まっぱしから、キショイ奴だぁ!!


    「そ、それで、依頼のご内容は…」


    「はい!!

    僕の恋人を探して欲しいんです!」


    な、何を言ってるんだこのアホは…。


    「あ…いや、

    ここは探偵事務所で…

    そういう事は、もっと違った所にご相談いただいた方が…」


    「あっ…くふっくふっ…違います。

    くふっくふっ…いるんです恋人…。」


    なんだコイツ!

    ワケがわからん!

    キショイ!


    「あの~お話しのご内容がよく理解出来なくて…。」


    「あ…すいません。

    くふっくふっ…

    恋人がいるんですが、

    最近、引っ越したみたいで、

    住所がわからなくなっちゃったんです。

    それで、探して欲しいんです。」


    ほんまもんのアホだ!

    そりゃ逃げたんだよ…。


    「まあ、そういう事でしたら…

    お引き受けしても構いませんが…。

    ただ、大変難しい調査になりますので、

    確約は出来かねますよ。

    それから、少々お高くなりますし、

    うちは、全額前金の1日2万円で10日間契約、

    合計20万円になりますが…

    それでもよろしいですか?」


    「はい…。それで構いません。

    よろしくお願いします。

    くふっくふっ…」


    キショイ~!


    「じゃあ、前のご住所と…

    最近のお写真でもお持ちですか?」



    【ガサガサ、ゴソゴソ】



    うわぁ!!

    コイツ盗撮魔か…

    カメラとテープだらけ…

    ゲッ!!

    ナイフまでゴロゴロ入ってやがる!


    「くふっくふっ…

    はい…こっちが前の住所で…

    これが写真です。

    …じゃあ、これ20万円…」



    【☆★☆★☆★☆】




    なんだ!


    こ、これは…!


    本家AKBの…


    あっちゃんじゃねぇか~!!


    キショイ…キショ過ぎる…!


    まともな探偵は、

    こんな依頼受けやしないぜ!



    「も、もう一度ご確認しますが…

    ご期待に沿えなくても、

    ご返金出来かねますが…

    よろしいですか?」



    「くふっくふっ…

    構いません。

    なんとか、僕の恋人を探してください!

    くふっ…お願いします。」


    「わかりました。

    では、お引き受け致します。」


    「くふっくふっ…

    それじゃ…

    よろしく…

    くふっくふっ…」



    ふぅ~!

    やっと帰ったか~!

    本家ほんまもんの

    変質者だ!


    ではっと…



    「あ…もしもし…、


    あ、秋元警部ですか?

    ご無沙汰してます。


    AKB探偵社の…


    それで、アッブナイ奴なんですよ…


    ええ…ナイフがゴロゴロ…


    ええ、ちょっと病院にでも…


    いやいや…

    依頼なんか、受けてませんって…


    ええ…

    じゃあ、よろしくお願いします。」



    電話一本で、20万の稼ぎか…


    丸儲け♪


    悪くない☆


    今日もいい日だ。




    ここは、

    アナタ《A》が

    きっと《K》

    馬鹿《B》をみる


    ㈲ AKB探偵社



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    (有)AKB探偵社  3

     23, 2012 07:00
    【ここは秋葉原、電器屋とヲタクの聖地… まあ、最近はいろんな人種がいるが…】





    今日は、全くついてない!



    マトモな依頼ばかりなのだ。



    いい事じゃないか…と思うだろう。



    しかし、それはここがマトモな探偵社だったらの話しだ。



    全く、マトモな探偵ならそこいらにゴロゴロいるだろうに…



    全部外注しちゃ儲かりゃしない。

    チェッ…





    ガチャ…


    「こんにちワンコ~!」



    なんだ~?この娘っ子は…



    「フレッシュレモンになりたいの~!!」



    はい~?



    「な、何か…」



    「探偵さん?」



    「はあ…そうですが…」



    ここは探偵事務所だ!

    探偵以外に誰がいるってんだ!



    「探してほし~の~!」



    仕事か?



    「何をお探しですか…」



    「夢~!!」



    ☆☆☆☆☆☆☆☆☆



    「な、何を仰っていらっしゃるのか…」



    「みおりんの夢を探して欲しいの~!」



    また、でた!


    なんで、ここはこんなのばっかりなんだ~!!



    「あのねぇ、夢と云うのは自分で探すものなんだよ、お孃ちゃん!」



    「違うの~!昨日見た夢、落っことしちゃったの~!」



    がぁ~!!


    な、何を言ってるんだコイツは~!



    「ぴょん!」



    もうダメだ…

    理解不能だよ~!



    「フレッシュレモンになりたいの~!!」



    「頼むから、帰ってくれ!」



    「ぴょん!」



    バタン!





















    と、云う【 夢】 を見た。


    【夢】


    探してあげたよ!



    みおりん!


    可愛いなぁ~!






    なんだ!


    俺がAKBのファンじゃ悪いのか!!





    ここは、


    ㈲AKB探偵社だ!




    ようこそ!


    休題

    注)あくまでフィクションであり、作者とは一切関係ありません。
    「フレッシュレモンになりたいの~!」
    ぷぷぷ…




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    (有)AKB探偵社  4

     24, 2012 00:00
    【ここは秋葉原。

    電器屋とヲタクの聖地。

    まあ、最近は色んな人種でごった返しているが…】



    ノックの音がした。


    「はい…、どうぞ」


    「こんにちは…、ちょっとご相談があるんですけど…」


    「どうぞ、どうぞ…ここは、そういう所ですから…」


    「まあ…、ふふふ…そうですよね…」


    「どうぞ、お掛け下さい。」


    「はい…、失礼します…。」


    私は応対しながら、ちょっとドギマギしていた。

    飛びっきりの美人だったのだ。

    今日はいい日になりそうだ。


    「それで、どうされました?」


    「はい…すいません…

    他の所にいくつか当たってみたんですけど…

    どこも、無理だって言われて…」


    まあ、そうだろう。

    こんな怪しげな探偵事務所に、最初っから飛び込む人間はいないだろうな…。


    「それで…?」


    「はい・・・主人の素行調査してもらいたいんです・・・」


    「はあ・・・・どこも引き受けない、何か特別なご事情でも?」


    「はい・・・・それが・・・・」


    焦れったい・・・しかし、こんな怪しげな事務所を尋ねなくてはならない理由をそうおいそれとは口に出来ないのも良く分かる。


    「秘密は勿論厳守致しますので、あまりお気になさらずどうぞおっしゃって下さい。」


    「はい・・・えっと・・・・主人と云うのが・・・・本当は・・・・妹のだんな様で・・・」


    「はあ・・・では、妹さんの代わりに見えられた訳ですね・・・」


    「あ、いえ・・・それが・・・今は、私と暮らしているんです・・・」


    はあ?・・・・なんだ?・・・つまり、妹の旦那寝取って・・・その旦那の素行調査を依頼しようって訳か?。


    「はあ・・・大体ご事情は理解できました。で、その旦那さんの素行調査をご依頼ですね。」


    「はい・・・お恥ずかしい限りですが・・・どうも浮気しているみたいで・・・」


    ハハハ・・めちゃくちゃな話だこと・・・


    「承知致しました。お引き受けいたしましょう。」


    「あ、・・・でも・・・私・・お金があまり無くて・・・10万円しかないんです・・・」


    ハハハ・・そりゃ、どっこの事務所も受けない筈だ。


    「構いません。うちは格安で丁寧懇切が売りの事務所ですから・・・」


    「本当ですか?ありがとうございます!・・・・それで、お支払いは何時すれば・・・」


    「ああ・・・うちは、せいこう報酬制になってますから、報告書をお渡しするときで構いません。」


    「そうですか・・・わかりました。本当にありがとうございます。」


    「いえいえ・・・その代わり、せいこう報酬のお支払いは必ずお願いしますよ!」


    「はい!絶対にお支払い致します。決して騙すような事は致しません。」


    「では、こちらに署名とハンコを・・・」


    「はい・・・」


    「はい、これで正式にご依頼を承りました。結果が出次第ご連絡致します。」


    「はい・・・よろしくお願いします・・・。」



    ガチャ・・・・バタン・・・



    ・ ・・・あ、もしもし・・・俺・・・あ、うん・・そう、仕事。

    簡単な素行調査・・・うん、ま、適当に1.2日やって貰えば・・・うん、それでいいよ・・・

    1日1万で頼むわ・・・ハハハ・・安いのはいつもの事、オタクが雑なのもいつもの事だろ・・・

    ガハハハハ・・・じゃ、よろしくね・・・うん、今からFAX送るから・・・うん、じゃ・・・

    ククク・・・電話一本・・8万円の儲けか・・・




    と云う事で・・(メ・ん・)?どんな事だって?気にしない気にしない・・・

    報告書の受け渡しの日になった。



    「こんにちは・・・・」


    「ああ・・・どうぞ・・お待ちしておりました・・・」


    「はい・・・それで、どうでしたか?」


    「はあ・・・これがご報告書です・・・申し上げにくいのですが・・・」


    「あ、やっぱり・・・そうなんですね!・・・」


    「はあ・・・ご主人(誰のだ!(笑))は、現在3人の女性と同時にお付き合いされてますね・・・・」


    「さ、3人もですか~~~!」


    ククク・・・本当は浮気してるの1人だけなんだけど・・チョットだけこちらの都合で水増ししてやったのさ・・・


    「はい・・・残念ながらその通りです。詳しくは報告書をご覧下さい。」


    「はい・・・・(´Д⊂グスン・・・)


    「それで、こんな時に申し上げにくいのですがお支払いの方を・・・」


    「あ、はい・・・えっと・・こちらに10万円入ってます・・・」


    「はい・・・・1、2、・・・確かに・・・」


    「では・・・ありがとうございました・・・失礼します・・・」


    「イヤイヤ・・・奥さん、ちょっと待って下さい。」


    「えっ?・・・なんですか?」


    「せいこう報酬のお支払いを頂いてません。」


    「えっ!10万円が成功報酬ではないんですか!・・・そんな・・・私・・お金ありません・・・・」


    「あ、勘違いされては困りますね・・・10万円はただの報酬です。ほら・・・奥さんがサインと捺印された書類もありますよ・・」


    「そんな・・・酷いわ・・・騙したのね・・・・」


    「騙すなんて、人聞きの悪い・・・きちんとした契約書です。ほら・・」


    「そんな・・・・・私、本当にお金ありません・・・・・」


    「ハハハ・・また、勘違いされて・・・お金ではありませんよ・・・よく見て・・」


    「えっ?・・・・性交報酬?・・・・なんですか?これ!」


    「ハハハ・・また、初な小娘じゃあるまいし・・・・それに旦那は3人も浮気してるじゃないですか!(ホントはね1人だよ(笑))・・・じゃ、よっと!」


    俺はソファーを倒して、ソファーベッドにした。


    「あ、イヤ・・・止めて・・・・」







    ダメ・・・やめない・・・・


    だって!


    ここは!




    A・・・あんたが


    K・・・きっと


    B・・・馬鹿を見る


    AKB探偵社!


    ようこそ!







    Σ(゚∀゚ノ)ノキャー



    いただきます・・・・・




    閑話休題




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    (有)AKB不動産

     25, 2012 07:00


    ここは秋葉原・・・電器屋とオタクの聖地。

    と言っても、最近はオタクばっかりだが・・・

    探偵社はみんなの批判が相次いだので、さっさとたたむ事にした。

    私は意外と気が小さいのだ。

    それで、今回は不動産屋をやることにした。

    ん?なに?探偵は資格が要らないだろうけど不動産屋は資格が要るだろうって?

    ふん!何を言ってるんだか!

    日本には、古来から伝わる非常に便利な名義貸しと云う立派な制度が存在するんだ。


    問題なし!


    「ピンポーン!」


    おっと、お客様のお越しだ。


    「はい、開いてます、どうぞ!」

    「こんにちは・・・あのー・・表に書いてあった物件なんですけど・・」

    「あ~・・・はいはい・・シスイマンションのお部屋ですねー!」

    「あ、はい。まだ、ありますか?」

    「え~~・・・お客様はとても運がよろしいですね~!本当は完売していたんですが、ほんのさっき一軒だけキャンセルがでたんですよ~!」

    「そうなんですか!うわ~よかった・・・先月他の不動産屋さんで一回見せてもらった時、一日違いで決まってしまって・・・とっても残念だったんですぅー・・・・」

    「それは残念なことでしたね・・・でも、お陰で得しましたよお客様・・キャンセル物件なので、チョーお買い得価格になってますよ~!」

    「え!・・幾らになっているんですか?」

    「はい・・え~・・・」


    頭の中で電卓フル稼働・・・ぷぷぷ・・・


    「はい・・・最初の売り出し価格が7000万でした・・・」

    「あ、はい、私もその価格で買い損ねました・・・」

    「そうですか~・・・それで、キャンセル物件は売主さんがお急ぎの為・・
    半額でいいそうです。ただし、即決に限りだそうですが・・・」

    「買います!即決します!」

    ほえ~・・・こいつは馬鹿か・・・
    3500万の買い物を見もせずに決めるなんて・・・

    「よろしいんですか?一度ご覧になった方が良くはありませんか?」

    「大丈夫です!この間見に行ったばかりですから・・決めます。」

    「はあ・・・それでは、ありがとうございます!では、契約書をお作りしますね・・」

    「はい、お願いします。・・・いや~今日の占いが1位だったんで、いいことあるって思ってたんです!」

    「そーですか?どんな占いですか?」

    「星座です。」

    「ほー・・・当たって良かったですね~!」

    「はい!」


    ふん!星座占いなんか当たるか!

    いったい何万人が同じ星座だとおもっているんだ!

    やっぱり馬鹿だ・・・


    (あ、占い信じているあなたのことを言ったのではないよ~\(^o^)/小説だからね~!ぷぷぷ・・・・)


    「はい、出来ました・・それでは、少々ご説明いたします・・・」

    「はい・・」

    「え~まず・・・・・・で、こうなっております。・・・・こうでこうです・・・
    それで、同じ階に塾が1軒ご入居してまして、多少人の出入りがありますが大丈夫ですか?」

    「えっ・・・塾ですか?・・・小学生とかですかね?」

    「申し訳ありません。まだ、開業されてないようなのでそこのところはわかりかねます・・・確認してからご契約されますか?」

    「・・・・そうすると、どうなります?」

    「別にどうと云うことはございません。ただ、ご契約前に即決のお客様が現れた場合はそちらの方に優先権が移行しますのでご了承ください。」

    「ま、待ってください!決めます!確認しなくて結構です!」

    「・・・よろしいんですか?後日のクレームには応じられませんよ・・」

    「大丈夫です。塾ぐらい大したことありません。」

    「・・・・・それでは、これで契約完了です。・・・あ、すいません、売主さんがご高齢のため、もう一文ありました。住人同士のトラブルは住人間にて解決してください。いかなる仲介も出来かねます。とのことですが、よろしいですか?」

    「あ~・・解かります。ご高齢ならなかなか難しいですよね。大丈夫です。結構人付き合いはいい方なんで今までトラブルらしいトラブルになったことありませんから。」

    「そうですか・・それではこれで・・こちらとこちらにご印鑑を・・・後お支払いは、即金でよろしいんですかね・・」

    「はい、小切手で・・はい、3,500万円也・・・どうぞ・・」

    「はい、確かに。では、ちょっと銀行に確認だけさせて頂きます。」

    ・ ・・・・・・・・・はい・・・ありがとうございました・・・

    「確認取れました。ご契約ありがとうございました!・・・では、こちらが鍵になります。・・・・ご入居おめでとうございま~す」

    「ありがとおーございましたー!」


    バタン!


    ふ~!

    二束三文で仕入れた物件が・・・3500万・・・こりゃ~探偵なんかやってられない・・・

    しかし、世の中には本当に馬鹿がいるもんだ・・・・
    塾・・・ねぇ・・明鏡塾・・・若者に社会の勉強を教える右利きの塾・・・

    トラブルは住人同士で御解決を~!

    だってここは・・


    A あんたが・・・


    K  きっと・・・


    B   馬鹿をみる~


    AKB不動産だから~!



    閑話休題




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    【ここは秋葉原。

    電器屋とヲタクの聖地。

    まあ、最近ではいろんな人種が溢れているが…】


    20年ぶりの大雪が降ったその日、私は1年ぶりにこの街に帰ってきた。

    街にはいつもの様に人が溢れ、大雪の影響は感じられなかった。

    裏道の一角にある古びれた雑居ビルの4Fの我が事務所に戻る。

    扉を開けるとさすがにカビ臭い空気が漂っていた。

    すぐさま窓を開け放ち空気を入れ替える。

    凍て付く尖った空気が頬を刺す。

    その痛みもなんとなく心地よかった。

    我が家に戻ったのだ。

    何故、私がこの1年、この街を離れていたのか・・・

    その訳は・・・



    今から丁度1年前の2月、今日と同じ様に寒い日だった。

    その日は溜まっていた仕事が丁度全て片付いて暇を持て余していた。

    そこへいきなり飛び込みの客が訪ねて来たのだ。


    コンコン。


    「はい、どうぞ、開いてますよ。」


    「失礼します・・・。」

    ドアを開けて入ってきたのは、まさに絶世の美女。

    私の人生、ここまでの美人を間近で拝んだのは初めてだった。


    「あ、どうぞ・・・こちらへお掛けください。」


    ちょっと不自然にドギマギしながら中央のソファーを指さし仕事用のデスクから移動した。

    いつもの客用の安いお茶でなく、自分用のグラム3000円の美味いお茶を出したのは言うまでも無い。


    「寒かったでしょう、まあ・・・これで少し温まって下さい。」


    「あ、ありがとうございます。・・・頂きます・・・美味しい・・・。」


    「それは良かった・・・それで、どうされました?」


    まあ・・・いつもの事だが、こんな怪しげな探偵社に来る客の要件がマトモな依頼じゃないのは慣れっこだったが、その時の依頼は飛びきりのマトモじゃない依頼だった。


    「はい、・・・・・あの・・・・」


    「大丈夫です、探偵にも守秘義務がありますのでお話された事は決して誰にも漏らしません。」


    そんな事は嘘っぱちだ。

    国家資格も無い探偵に守秘義務も何も有るはずがない。

    だが、まあ、依頼者の全てがこの一言で口を開き始める。


    「はい、・・・・・お願いします!!!・・私を・・・私を・・・」


    「・・・落ち着いて・・・ゆっくりでいいので、話して下さい。」


    「私を・・・私を・・・殺して下さい!!!」


    はあ~~~~~!!!!

    またか・・・まさかこんな絶世の美女がこんな事を言い始めるとは・・・

    だがここで引き下がるほど私はヤワな探偵ではない。


    「あの・・困りましたね・・依頼は誠心誠意履行させて頂くのが我が事務所のモットーですが、犯罪はちょっとお受け致しかねますね・・・」


    「あ、いえ・・・本当に殺して欲しい訳じゃなくて・・・」


    「はあ・・では、どのような依頼でしょう?」


    「え~っと・・・私が殺されて、その死体が何処かに消えた様に見せかけて欲しいんです。」


    「はあ・・しかし、日本の警察はなかなか優秀でして完全に警察の目を晦ますのはなかなか難しいと思いますが・・・」


    「あ、はい、・・・・・ず~っとじゃなくていいんです。ほんの何日かで・・」


    「う~ん・・・・しかし・・警察を欺くとなると、ちょっとこちらの事務所的にまずいんですよね~・・」


    「・・・バレた時、絶対にこちらの事務所の事は秘密にします!私が1人でやった事にしますので、どうかお願いします!!」


    そんな言葉を鵜呑みにするほど私はお人好しじゃあ無いが、実際はそんな事が警察にバレたとしても大してマズイ事も無い、と云うのが実情だ。

    何故なら、警察に聞かれたらすぐ洗い浚い話してしまうからだ。

    ふふふ、当たり前だ。

    この稼業、警察に睨まれたら厄介この上ない。


    「う~ん・・・分かりました・・ただし、かなりのリスクを背負う事になりますので、依頼の料金はかなりの高額になりますがよろしいですか?」


    「ありがとうございます、ありがとうございます!・・・どこに行っても門前払いだったので、本当に助かります!」


    当たり前だろう。

    マトモな依頼がこんな依頼受けるはずがない。


    「では、料金のご相談ですが・・・今回の依頼の内容だと全額前金払でお願いすることになります。」


    「はい、大丈夫です。」


    ほ~!金額も聞かずに即答とは・・ちょっとふっかけても大丈夫そうだな・・


    「金額ですが・・全ての経費込みで・・・3千万円ほどになりますが・・」


    「分かりました・・どうお支払いすればいいでしょうか?」


    うわ!これは失敗した!もっとふっかけても大丈夫だったのか!!


    「あ・・・はい・・では、警察にバレないように現金でのお支払いをお願いしたいですね。」


    まあ・・・仕方ない。現金払いなら税金も払わずに済むので、よしとするか・・


    「あ、はい、・・・・・じゃあ、少し待って下さい。今、銀行からおろして来ます。」


    「あ、はい、・・・・・では、こちらはその間、依頼の準備に取り掛かります。」


    「お願いします。・・・本当に助かります・・・」


    それから直ぐに彼女から料金の支払いを受け、彼女にはそのまま姿を隠す様に伝えてそのままお帰り願った。



    ん?どんな準備をしたかって?

    そんなもんするわけがない。

    注射器で彼女の血液を少し抜き取らせてもらったので、後で適当な場所に車のスリップ痕を作り、その前にそれを垂らしておけば終わりだ。

    これだけで3千万か・・・

    悪くない。




    が、その次の日に状況は一変した。

    いつもの様に事務所で遅いモーニングコーヒーを楽しんでいたら、いきなり世話になっていた秋葉原署の秋元刑事が事務所に乗り込んできた。

    その目はいつもと違い険しく、言葉も剣呑で、私に事の重大さを認識させるに十分であった。

    彼女が遺体で発見されたのだ。


    それから数日間に及ぶ取り調べは苛烈を極めた。

    秋元刑事の、知り合いだろうがなんだろうが関係ない容赦無い執拗な取り調べに、もう少しで音を上げて事実を話してしまいそうになる自分に、必死に活を入れ耐え続けた。

    何故か?

    当然だ。ここで真実を話せば3千万はパーだからだ。

    こんな目に合わされた上に3千万迄失っては探偵の沽券に関わる。

    数日後、なんとか嫌疑不十分と云う事になり釈放された私は、その足で高飛びしてやった。

    なんせこちらには3千万もの資金があったんだから当然だ。

    ん?それでは容疑を深めるだろうって?

    ふん、そんな事は知ったことでは無い。

    日本の警察は結構優秀なのは身を持ってよく知っている。

    早晩真犯人が捕まるのは火を見るよりも明らかなのだ。



    そう云うわけで、私はこの1年この街を離れていたのだ。

    事務所の窓を開け放ち凍て付く空気に身を任せ、私は自分の居場所に帰って来たことを実感した。




    ん??

    何?犯人?

    何の話だ?

    私は単に1年間旅に出ていた訳を説明しただけだ。

    犯人なんか私の知ったことでは無い。




    え?

    何?オチ?

    何の話だ?




    ここは・・・

    読んだ・・・



    (A)あなたが


    (K)きっと


    (B)バカを見る



    AKB探偵社



    ようこそ!





    閑話休題


    【ここは秋葉原。

    電器屋とヲタクの聖地。

    まあ、最近ではいろんな人種が溢れているが…】



    人生で唯一の友人の葬式に参列した帰り、馴染みの店で友人が好んで飲んでいた酒を隣に置き、友の死を悼む。


    馴染みの店でいつもの酒でグラスを傾け、好きなタバコをくゆらせる。

    普段と同じ光景だがいつも隣にいたアイツがいない。



    「所長さん、タバコはずーっとその銘柄ですか?」


    普段は滅多に口を開かないマスターが、いつもと違う様子の私に気を使って声を掛けてきた。


    「ああ・・・このタバコを吸うと、セブンだのマイルドだの甘っちょろいタバコも、ホープだのピースだの辛いだけのタバコも吸えたもんじゃ無くなるんだ。」


    「ほー、私は仕事柄タバコを吸えないんでよくわからんのですが、そんなもんなんですかね~。」


    「ああ・・料理人やマスターみたいに舌が勝負の仕事している奴でタバコ吸う奴は信用出来ないからなぁ・・」


    「そうですね、私も以前行きつけのレストランでコックがタバコ吸っているのを見かけてその店行くのをやめましたね。」


    「ああ・・しかし、この世の中、酒とタバコと女以外に楽しみなんか無いのに、その1つを楽しめないなんて可哀想だな。」


    「ははは・・そうですね、その代わり私は博打をやっていますが・・フフフ、そのタバコは何を基準に最初に選ばれたんですか?」


    「クククッ・・・基準なんか無いよ、単にその頃好きだった年上の女がこのタバコを吸っていたのさ・・・」


    「おや・・・いい女だったんでしょうね~」


    「ああ・・勿論だ・・フフ」


    クククッ・・・それが単に好きな女優のオードリー・ヘプバーンだったなんて事は決して言わないが・・・


    馬鹿咄しはするが隣に置いたギムレットのグラスに触れる様な話は決してしない。

    プロのバーテンはこう云う処がいい。


    「マスター、もう1杯作ってくれ。」


    「はい、お1つでよろしいですか?」


    「ああ・・そうだな、こっちにも、もう1杯だな・・」


    「承知しました・・」




    アイツと一緒にグラスを傾けたこの店に、一人で来なければならなくなった理由を話そう・・




    アイツと初めて会ったのは、昔、探偵の修行で大手の事務所に居た時だった。

    アイツは俺とは違い、真面目な探偵で要領が悪くいつも所長に小言を言われていた。

    そう云う日の帰り道、たまたまこの店に寄るとアイツがギムレットを片手に鼻歌を歌っていた。

    軽く会釈をして隣に座り、同じくギムレットを傾けた。

    別になにを話すでもなく、タバコと酒を静かに楽しんだだけだ。

    その後も時々仕事の帰りにその店でアイツと一緒になったが、同じく何を話すでも無く、単に酒を隣で楽しむ間柄に変化は無かった。



    アイツと違ってマトモな探偵になる気が無かった俺は要領良く立ち回って所長に小言を言われる様な目にはあったことが無かったが、1度だけ俺の上手をいく奴に騙されて仕事をしくじった事があった。

    その依頼は、夜中にイタ電掛けて来て「クイズです・・」とかやる奴に騙されて懲役喰らったのでそいつをどうしても探して欲しいと云う依頼だった。

    貰った資料を元に無事探しだして依頼は完了・・・・のハズが、どうやら全くの別人だったらしく、その人物は依頼人に殺されるは、本物の奴は逃げ遂せるは、で事務所の信用を酷く傷つける事になった。

    勿論、所長はカンカンで1発でクビになった。

    その帰り道、その店に寄るとアイツがいつもの様にギムレットを傾けていた。

    いつもと違ったのは、アイツが話しかけて来たことだ。

    イヤイヤ・・・仕事の話しなんか全くしなかった。酒の話、女の話、・・他愛もないことばかり・・そんな気遣いがその時の俺には嬉しかった。

    それ以来、アイツと俺はお互いに人生で唯一の友人になった。



    アイツから珍しく電話が掛かって来たのは1ヶ月ほど前の事だった。

    何でも遺産が絡む殺人事件に関連した依頼で、その関係者の捜索をやっている最中、出張先の東北からの電話だった。

    電話の話自体は大した話ではなく、都内に居る関係者の所在確認を2,3俺に頼むと云う事で、1日で済む仕事だったので軽く引き受けた。

    しかし、その依頼をちゃっちゃと片付けてその報告をしようと次の日アイツに電話したが留守電になったまま・・・あの日以来アイツと連絡がつかなくなった。

    少々気になったが、仕事柄、潜入している時など連絡がつかなくなることは多々あるのでそんなには気にして無かった。

    しかし3日前、アイツの死体が東北のある県で発見された。

    いつもの様に警察から執拗な取り調べを受けて帰宅したのが、アイツの葬式の当日、今日の朝だった。

    寝るまもなくアイツの葬式に参列して、帰り道にいつものバーに寄ってアイツとギムレットを傾けたのだ。






    んんんんん?

    何?

    犯人?

    その後どうなったか?



    そんな事は知らない。



    へ?

    何を言っているんだ?



    俺はただ、何故友を失って1人で酒を飲んでいたかを話しただけだ。

    そう、最初に断ったじゃないか。



    オチ?

    何の話だ?



    いつも言っているじゃないか。




    ここは、読んだ・・・・


    A・・・あんたが

    K・・・キット

    B・・・バカを見る


    AKB探偵社!

    ようこそ!



    友よ、別れのギムレットを楽しもう・・・・




    閑話休題

    (有)AKB探偵社 7

     01, 2015 07:00

    ここは秋葉原。


    オタクの聖地。


    もっとも最近では色々な人種が入り乱れてごった煮の様相を呈してはいるが・・・


    我が(有)AKB探偵社はその秋葉原で老舗の探偵社になってきた。


    依頼は人を問わず受けるし(貧乏人には貧乏人向けのお手軽調査があるのさ♪)他の探偵社に比べてはるかに仕事が早い(まあ・・・手抜きという言い方もある♪)人気の探偵社だ。


    しかし、最近になって「大川端探偵社」や「匿名探偵」等、新興の探偵社が幅を効かせ始めて、我が(有)AKB探偵社はちょっと不景気気味だ。


    なんせあちらは「オダギリジョー」とか「高橋克典」とか探偵の名が売れている。


    名も無き探偵は辛いところだ。


    それでも老舗は老舗だ。


    今日はなぜ我が(有)AKB探偵社が老舗になったのか、その訳を話そう。





    今日も1日暇を持て余し事務所で昼寝三昧・・・


    う~む・・・これはホントにちょっとまずいぞ・・・と、思っていた営業時間終わり間際に何日ぶりかの客(依頼人)がやってきた。


    「こんばんは。・・・・まだよろしいですか?」


    「ようこそ!どうぞ、どうぞ。・・・こちらにお掛け下さい。」



    事務所中央に置いてあるソファーに案内して、久々の客だったのでコーヒーまでごちそうしてやった。・・・もちろん、インスタントだ。


    「それで、本日はどのような依頼でしょうか?」


    出されたコーヒーに口をつけ、一息入れながら・・・


    「はあ・・・その・・・」


    決心がつかないのか口ごもりまたコーヒーに口をつける。


    そんなにインスタントが好きなら幾らでもごちそうしてやるから、さっさと話せ!って言ってやりたいところをグッと辛抱して・・探偵社の常套句を言ってやる。


    「大丈夫ですよ。探偵には守秘義務があるので、ここでのお話は決して漏らしません。安心してお話下さい。」


    もちろん探偵にそんな守秘義務はない。


    だがこの一言で依頼人が皆、口を開き始める探偵の魔法の言葉だ。


    「はあ・・・それじゃ・・・」


    ほら、な♪


    「・・・私の初恋の相手を探して頂きたいのですが・・・」


    ふ~ん・・・まあ、面倒くさい依頼だけど普通の依頼だな。


    「はい・・・失礼ですがお年はお幾つになられますか?」


    「あ、はい、今年で還暦を迎えます。」


    「そうですか・・・そうなるとかなり昔の話になりますね。何か手がかりになるものはありますか?」


    「い、いや・・・昔の話ではなく、最近の話なんです。」



    はあ?は~~あ?60ジジイの初恋の相手が最近だ~?



    「え、いや、あの、初恋のお相手なんですよね?」



    「キィ~~~!!!!やっぱりあんたも他の奴らと同じか!!!初恋が60手前で何が悪いんじゃ!!!」


    「あ、いえ、全然悪くないですよ。落ち着いて下さい。ちゃんとお探ししますので。」


    「あ、・・・失礼した・・どこに行っても笑われて馬鹿にされたもので・・・」


    まあ、そうだろ~・・・しかし、またこんな客かぁ~・・・


    「いやいや、まあ、世間の常識なんて気にする必要は無いですよ。お若い証拠です。」


    「あ、ありがとう!そう言って貰えるとホッとします。」


    「それで、何か手がかりになるものはありますか?」


    「あ、はい。これです。」


    還暦男が出して来たのは古びたドーナツ盤のレコードだった。


    「さわだせいこ・・・さん?」


    「ちが~~~~う!!!それは沢田聖子と書いて、<さわだしょうこ>と読むんだ。」


    うっわ~・・・これはやっぱ普通じゃないぞ・・・


    「あ、落ち着いて。わかりました。さわだしょうこ、さんですね。」


    「う、うむ。そうじゃ。」


    「で、その沢田聖子さんが手がかりなんですか?」


    「そうじゃ、その人が初恋の相手じゃ。」


    は~~~~あ?・・・わからん、全くわからんぞ。このジジイボケてんのか?


    「あ、あの・・・最近の話だとおっしゃいましたよね?しかし・・このレコードはかなり昔のものだと思いますが・・・」


    「何を言ってるんだ。それは最近買ったレコードだ。昔はレコードなどありゃーせんかったぞ。」


    あ、いかん・・・完全にボケてやがる。


    「はあ、そうですね。失礼しました。で、この沢田聖子さんをお探しすればいいんですね?」


    「そう、お頼みしたい。今どこに住んでるのかわからないのじゃ。」


    そりゃわからんだろうさ。芸能人の住所おいそれと知れ渡ったら大事だろ。


    「解りました。お住いをお調べすればいいのですね?・・・但し、調査してもわからない可能性がなきにしもあらずですが・・・よろしいですか?その場合も調査費用はいただくことになりますが・・・」


    「もちろん、それは分かってます。別に今更どうこうしようと言うわけじゃないのじゃ。ただ初恋の相手がどうしているのか知りたいだけなのじゃ。」


    「はあ、ちょっと失礼を承知でお聞きしますが、どこでお知り合いになられたんでしょうか?」


    「オホホホ・・恥ずかしい事を聞きなさるな~・・・まあ、良い。丁度1年前の今頃、あるホテルで食事をしていた時じゃ、この子が私に歌を歌ってくれてな、その時話を色々してくれて・・・まあ、一目惚れしてしまったんだ。」


    「それでこの沢田聖子さんとお付き合いされたんですか?」


    「ああ・・・どうしても歌を聞きに来て欲しいと云うことで、何回もアチコチ聞きに行ってやったもんじゃ。」


    ・・・・要約すると、ディナーショーに行って、その後コンサートをはしごした・・・だけじゃねーか!


    「解りました。では、調査は1周間でよろしいですか?それ以上やってもダメな時はダメなので、それくらいがよろしいかと。」


    「はい・・それでよろしくお願いします。・・・いや~どこも引き受けてくれなかったので本当にありがとう。」


    「イエイエ、仕事ですから。それで料金ですが、このような調査は前金制になりますがよろしいですか?・・・1日15000円換算で10万5千円プラス、報告時に実費の精算という感じで・・」


    「もちろん、構いません。・・・では・・・11万からで良いですか?」


    おほ?ちゃんと金持ってるんだ!こりゃ~お客さんだな・・・


    「はい・・・5千円のお釣りです。有難うございます。あ、申し訳け無いですが領収書は出せませんがよろしいですか?」


    あとでジイさん世話してる奴が領収書持ってきてジイさんボケてるので依頼はなしで金返せ!って言われたら困るもんでね。


    「ああ・・構いません。それではよろしくお願いします。」


    「はい、では1週間後に。」


    さて、適当に報告書だけ書いとけばいいだろ。


    ちょいちょい書き書き…で、10万円也かぁ~

    いい商売だろ?ふふふ…


    ホントに探したら…ボケ老人のストーカーなんて沢田聖子さん大迷惑だし。


    まったく・・・こんな客ばっかりなんだよな~アキバって・・・


    だから秋葉の探偵事務所はみんな何処か移ってしまうんだよな~。


    そんなわけで、秋葉の探偵社はうちだけになってしまったのさ。


    だから我が(有)AKB探偵社は秋葉原で老舗の探偵社になったのだ。










    ??何、オチ??


    何言ってんの?


    今日は我が(有)AKB探偵社が秋葉で老舗の探偵社になった訳を話そうって言ったじゃないか。


    だからちゃんと話したろ?


    いつも言ってるじゃないか。







    ここは


    A・・・・・あんたが

    K・・・・・きっと

    B・・・・・バカを見る

    AKB探偵社!だって。




    ようこそ!



    閑話休題

    (有)AKB探偵社 8

     01, 2015 07:00

    ここは秋葉原。

    オタクの聖地。

    もっとも最近では色々な人種が入り乱れてごった煮の様相を呈してはいるが・・・

    我が(有)AKB探偵社はその秋葉原で老舗の探偵社になってきた。

    依頼は人を問わず受けるし(貧乏人には貧乏人向けのお手軽調査があるのさ♪)他の探偵社に比べてはるかに仕事が早い(まあ・・・手抜きという言い方もある♪)人気の探偵社だ。

    しかし、最近になって「大川端探偵社」や「匿名探偵」等、新興の探偵社が幅を効かせ始めて、我が(有)AKB探偵社はちょっと不景気気味だ。

    なんせあちらは「オダギリジョー」とか「高橋克典」とか探偵の名が売れている。

    名も無き探偵は辛いところだ。



    暇を持て余してTVを眺めていた。


    「・・・・・殺人の罪で服役、仮釈放中の・・・が、再び白昼のゴルフ場で殺人の犯行に及び多田 仁さんが亡くなりました。・・・・は取り調べでクイズで殺した等訳の解らない事を話しており当局は精神疾患の可能性も視野に入れ慎重に捜査を進めています。・・・・次のニュースです・・・」


    あらら・・アイツまた・・・・

    やめときゃ良いのに・・・騙される奴はずーっと騙され続けるのがこの世のしきたりなのだが・・・・

    まあ、前回の殺しは俺が適当な相手を報告したので全くの人違い殺人と云うこちらにも後味の悪い結果になって、被害者には申し訳ないと思っていたのだ。

    まさか殺す相手を探しているとは思わなかったからなぁ・・・・

    今回はどの探偵が同じ目に合ったのか・・・ちょっと気になるな・・・


    ぼんやりとタバコを燻らせていると珍しくドアをノックする者が居た。

    コンコン・・・


    「はい、どうぞ、開いてますよ」


    ガチャ・・・


    「失礼します・・・・」


    ドアを開けて入って来たのは絶世の・・・・ブスだった。

    一瞬言葉を飲み込むほど見事な造形な真性のドブスだった。

    まあ、以前絶世の美女の依頼で痛い目に遭ったので、こっちの方が良いのかもしれないが・・・

    仕事に対する意欲は湧かない。


    「どうぞ・・・こちらへお掛け下さい。」


    中央のソファーを示し、来客用の安いお茶を用意した。

    勿論、自分用のグラム3000円のお茶など出すわけがない。


    「寒かったでしょう。とりあえず、お茶でもどうぞ・・・」


    「あ、ありがとうございます」


    しばらく黙って眺めていた。

    なんせ絶世のドブスなので二度とお目に掛かれないのは絶世の美女とおめに掛かるくらい同じく貴重な経験なのだ。


    「美味しい・・・」


    あらら・・舌の方もダメらしい・・・


    「いや、粗茶で申し訳ありません・・・それで、どうされました?」


    ソロソロ飽きて来たので用件を聞いてみた。


    「あ、はい・・・・私の主人が家を出て行方がわからなくなってしまいまして・・・」


    「は・・・・はあ・・・・」


    私は心底驚いた。

    まさか結婚していたなんて・・・凄い男もこの世には居たもんだ。


    「その主人を探して頂きたいんです。もしかして何か事件にでも遭ったのではと心配で・・・」


    「はあ、それはご心配ですね。それで家を出られてどれくらい経つのですか?」


    「はい、かれこれ7年になります。」


    はあ~?7年?これはもしや・・・・


    「・・・・それで、もし見つかったら・・・このお金を渡して頂いて・・・」


    「・・・・詳しいご事情をお話いただけますか?」


    「あ・・・さすが探偵さんですね・・・普通の依頼じゃ無いとお解りになったんですね」


    アホか・・・だれでも解るわい。


    「まあ、職業柄、いろんな依頼を受けますので・・・」


    「解りました。全てお話します。ただ・・・」


    「判っています。他言は決して致しません。探偵には守秘義務がありますので」

    そんなものはこの世の何処を探してもない。


    「あ、はい・・・・では、お話します。実は・・・・」


    下手くそな説明で長くなったので掻い摘んで説明ると・・・・

    要するに旦那の親が亡くなって保険金だの何だの遺産が転がり込んだんだが、一次的な相続人は旦那でその手続が済んだので、旦那にはとりあえず死んで(戸籍上)貰いたい、と云う事だ。まあ、遺産を独り占めにしようって魂胆だな。

    失踪宣告に七年必要だとちゃんと判ってそれまで待っていたようだ。

    心配でどうのこうのは只の枕詞といったところか・・・

    ホントに死んでいたらそれはそれでOKって感じだろう。


    「ご事情はよくわかりました。お引き受け致しましょう。」


    「ほ、ホントですか?・・・ありがとうございます。今迄行ったとこは全部断られてしまって・・・・」


    それはそうだろう、マトモな探偵なら見つけた相手にまた姿を消せなんて依頼受けるワケがない。


    「但し、かなり特殊な案件になりますので、料金の方は少々お高めになりますし、前払いでお支払い頂く事になります。また、見つからなかった場合も料金をお返しする事は出来ませんが・・・」


    「それは構いません。・・・・大体おいくらほどになりますでしょうか?」


    「そうですね・・・お探しするのに大体一ヶ月ほど必要になると思いますので・・その料金が必要経費込で100万円程度。見つけた旦那さんを説得する案件は少々手荒な交渉になる可能性が高いので、危険手当込で500万円ほどでしょうか・・・」


    「・・・はい、承知しました。後で口座の方へお振り込み致します。」


    あ!また失敗した・・・・もっとぼったくれたぞ、これは・・・・


    「では、そのように・・・・ご安心してお任せ下さい。我が社の依頼の完遂率は95%を誇りますので・・勿論、稀に途中までの成功等無いとは言えませんが・・・」

    と、言いつつ、壁に貼りまくってる客からの感謝状(封筒付き)に目配せをする。


    「あ・・・凄いですね・・・皆さん、感謝して・・・」


    結構疑り深い依頼人もこの感謝状にはコロっと騙される。

    なんせ感謝状自体本物なので写真付きだの、証明書付きだのがワンサカあるのだ。

    勿論私が自分で依頼人から貰ったものでは無い。

    知り合いのマトモな探偵が貰った感謝状を1つ1万円で買い取って、封筒は自分でアチコチ出かけた時、適当に封筒だけ我が社に送った物だ。

    中身はカッラポで配達された封筒を感謝状に取ってつけただけ。


    「まあ・・・安心してお待ち下さい。誠心誠意努めさせて頂きますので。」


    「はい、ありがとうございます・・・では、後ほど料金は振り込ませて頂きますので。」


    満面の笑みを浮かべながら依頼人は帰って行った。



    さて、仕事に取り掛かるか・・・・


    ガチャ・・・ピポパ・・・


    「あ・・・もしもし・・・・〇〇君?・・・ちょっと頼みたい仕事が有るんだけど・・・


    あ、うん・・・・そう・・・・で、とりあえず、23区全部回って写真撮りまくってくんない?そう、全部欲しいんだ・・・あ、出来れば、ちゃんと町名が解る電柱とかも入れといて。・・・そう、どれくらい掛かる?・・・2日?OK。それで頼むわ・・・で、料金は?・・・え~!それは高いよ~。5万でやってよ~。・・・ハハハッ、分かった、分かった。じゃあ、真ん中の7万で。・・・ぷぷぷ・・・・うん、じゃあ、頼むね。」


    ぷぷぷ・・・・電話1本593万円の儲けか・・・悪くない。




    ?????

    ん?

    探さないのか?って?

    馬鹿な、探してどうなるんだ。

    もし見つかったら・・・逆に面倒な事態になってしまうではないか。

    適当に報告書でっち上げて、ご主人は納得されて二度とお姿を現す事はありませんって言っておけば済む話じゃないか。

    そんな適当なって・・・


    何を言ってるんだか・・・


    ここは


    A・・・・依頼したアンタが


    K・・・・きっと


    B・・・・馬鹿を見る



    (有)AKB探偵社。



    ようこそ!




    閑話休題


    ここは秋葉原。

    オタクの聖地。

    もっとも最近では色々な人種が入り乱れてごった煮の様相を呈してはいるが・・・

    我が(有)AKB探偵社はその秋葉原で老舗の探偵社になってきた。

    依頼は人を問わず受けるし(貧乏人には貧乏人向けのお手軽調査があるのさ♪)他の探偵社に比べてはるかに仕事が早い(まあ・・・手抜きという言い方もある♪)人気の探偵社だ。

    しかし、最近になって「大川端探偵社」や「匿名探偵」等、新興の探偵社が幅を効かせ始めて、我が(有)AKB探偵社はちょっと不景気気味だ。

    なんせあちらは「オダギリジョー」とか「高橋克典」とか探偵の名が売れている。

    名も無き探偵は辛いところだ。



    現在、私は政府機関によって隔離施設に幽閉されている。

    こんな状況はクソッタレだ。

    畜生!!・・・・

    この忌々しい出来事の内容を話そう・・・・・



    思えばここに事務所を構えてもう10年か・・・・。

    速いもんだな・・・・と、らしくない感傷に浸っていたら災厄が訪ねてきた。

    勿論、その時は災厄などとは思ってもいなかった。

    全く酷い目に遭ったもんだ・・・・。


    その災厄は2月初旬の木曜日にやって来た。

    寒さが厳しい日で(しかも2月なんて仕事は少ないし)懐にも木枯らし(季節はズレるが・・・そう言う感じだったのだ)が吹いていた。

    そこに鴨が葱を背負って来た(筈だった)。


    コンコン・・・

    ふん、ノック2回・・ここはお前ん家のトイレじゃね~ぞ・・・とは言わず・・


    「はい、どうぞ。」


    (挨拶は)出来るだけ明るい声で(が、モットーなので)・・・・

    ガチャ・・・


    「こんにちは。失礼致します。」


    入って来たのは中年の男だった。

    珍しい客層だな・・・と、思いながら目は品定めに疾走させた。

    着ているスーツはバーバリー、靴もピカピカの1点物風、背筋はしゃんと姿勢良く、かなりの上客と踏んだ。


    「どうぞ、こちらへお掛け下さい。」


    にこやかに、朗らかに、中央のソファーへと導いいた。

    即座に上客専用のグラム3000円のお茶を淹れる。


    「寒かったでしょう。・・・熱いお茶でもいかがですか。」


    「・・・や、これは有り難い。少々こちらを探すのに手惑いまして体が冷えてしまったので助かります。」


    客がお茶を飲んで一呼吸入れるのを黙って待った。

    こういう所は辛抱強いのが一流の探偵(決して詐欺師ではない!)の条件なのだ。


    「・・・ありがとうございました。生き返りました。」


    「いえいえ・・・・では、お話を伺いましょう。」


    「あ、はい。・・・こちらは週末等はお休みなんでしょうか?今週の週末の予定はいかがなんでしょう?」


    「はあ・・・かなりお急ぎの御依頼のようですね。まあ、普段は大体暦通りの営業ではありますが、ご要望があれば休日返上で調査致します。但し、若干の割増料金にはなりますが・・・。」


    「あ、はい、それは勿論構いません。兎に角緊急時なので金額に糸目は付けませんので早急にお願いしたいのです。」


    ウホ~!!これは久々のウルトラカモかも知れない!!!


    「分かりました。(慎重に品定めしなくては・・・)それでは、依頼の内容等お話頂けますか?」


    「・・・その前に今回の件は国家機密に属しますのでこれにサインをまず頂きたいのですが・・・・」


    男は1枚の書類をテーブルに置いた。

    おいおい・・・・国家機密?・・・はぁ~、これまた奇人変人の類かいな~・・・

    まあ、場所柄こんな奴が訪ねて来る事は日常茶飯事ではあるが、久々のカモだと勘違いした自分が情けなかった。

    人を見る目には自信があったのになぁ~・・・と、思いながら取り敢えずその紙切れを手にとって眺めてみた。

    目が飛び出そうになった。

    以前、大手他社の仕事を手伝っていた時に1度だけ目にした事がある「内閣情報局機密情報守秘誓約書」がそれだった。


    「えっ?えっ!」

    思わず驚きの声が出てしまった。


    「あ、さすがですね。見ただけでお分かりになられたんですね。上下(かみしも)調査官のご紹介通り、敏腕でいらっしゃる。」


    ・・・・かみしも?・・・そんな奴は知らんぞ?・・・それは取り敢えずおくびにも出さない様にして・・・・


    「はあ・・・解りました。こちらにサインすればよろしいんですね?」


    「はい、申し訳ありませんが、事が事だけに・・・よろしくお願いします・」


    サインはしたが・・・・なんでうちなんだ?と云う疑問が拭えずつい聞いてしまった。


    「うちのことは・・・かみしもさん・・から、どういう風にお聞きになっていますか?」


    「あ、はい、以前政府関係の重要事案を何度も見事解決なされた非常に優秀な調査員でいらっしゃるとうかがっております。」


    う~む・・・・全く身に覚えがない・・・これは・・・もしかすると・・・・


    「今回の事件が起こり我が方では全く対応が出来ないものでお力をお借りしたいと相談した所、こちらのアーカイブ探偵社さんに、という話になったのです。」


    あ~~~!やっぱり・・・・・アーカイブか・・・外務官僚出身の黒田とか織田とか云う奴がやってる事務所だった。

    確かに凄腕と云う噂は聞いていたが・・・・。

    さて、どうしたもんか?このまま受けていいもんか?ちゃんと教えてやるべきか?・・・・

    ・・・考える事は無く、答えは決まってる。

    こちらが間違ったわけでもあるまいし遠慮はいらんさ。

    と、云うわけで「アーカイブ」の名前は聞かなった事にして話を進めた。

    勿論、後々相手に騙されたなどと難癖を付けられては困るので、そこら辺は上手に・・・


    「はあ・・・確かに私が本庁にお世話になっていた頃(警視庁=本庁、以前本庁の警部にお世話になっていたので嘘ではない!別に外務省に在籍していたと言ったわけじゃない)何度かお話させて頂いた事があるかも知れません(あくまでも「あるかも」だ)。その後このAKBを(さり気なく事務所名も伝えたし)立ち上げて今日に至ります。」

    うん、これでエクスキューズは完璧だ。


    「はあ、そうでしたか。・・・・心強い限りです。よろしくお願いします」


    「では・・・ご依頼の内容をお聞かせ下さい。」


    「はい、では・・・」

    依頼の内容は、はっきり言って私の手には余るものだった。と、云うよりはあり得ない事実とあり得ない依頼であった。



    閑話休題


    「では・・・内容をお話致します」


    依頼者は埼玉県の南部にある川口市の鳩ヶ谷支庁(2011年に川口と合併する迄は鳩ヶ谷市)の助役であった。

    依頼の内容は・・・・

    今年に入って鳩ヶ谷に隣接する草加市、越谷市で地区毎住民が全滅すると云う事態が発生しているらしい。

    そして今月に入り鳩ヶ谷地区にそれが飛び火したと云うことだった。

    草加市、越谷市には政府の担当者が入り事態の解明に努めているらしいが今の所全く原因が判明せず、ウイルス感染の疑いを視野に隣接地区の隔離を行なっているだけと云うのが現状の様だ。

    被害地区では死者が発生し始め約1週間でその地区の住民全員が死亡してしまうらしい。

    私への依頼の内容はその原因の究明と対策であった。

    ・・・・冗談だろ?そんな事件解決できるか!政府に解決出来ない様な重大事件を一介の探偵社になんて依頼するか普通・・・・

    そうは思ったが・・・・なんと依頼金は手付で1億、解決出来たら5億と云うので本気で(10年ぶりくらい真剣に)考え込んだ。

    ウイルス感染の危険がある(しかもたった1週間で発病し死亡率は100%)。

    まず私に解決出来る気がしない(当然だ)。


    「・・・・深刻に悩まれるのはよくわかります。当然ですよね・・・・。私だっていつ死ぬか解らない状況ですし・・・。」


    「えっ?・・感染されてるんですか!」


    (ちょっと待て!!!!それは聞いて無いぞ!!!)私はちょっと気色ばんだ。


    「あ、いえ、勘違いされないで下さい。私が住んでいる地区ではまだ被害の報告はありません。それにまだウイルス感染だと云う結論さえ出ていないのです。」


    「・・・・そうですか。流石にちょっと躊躇しますねぇ。」


    珍しく自分の本音だった。


    「そうでしょうねぇ・・・被害地区に入ってる政府の担当官は遺書を用意しているらしいです。」


    おいおい・・・・サラッとおっそろしい事を言うなよ~!

    しかし・・・・6億の誘惑に私は勝てなかった・・・・我ながら金には弱い。


    「・・・・解りました・・・お引き受け致しましょう。」


    「ほ、ホントですか?・・・・ありがとうございます!」


    満面の笑みとはこう云う顔だと云う見本を見た気がした。


    「・・・但し、条件があります。手付1億、成功報酬5億ではお受け出来ません。あまりにも生命の危険が高く、割に合いません。あ、失礼な言い方になりますが・・・。」


    「いえ・・・当然のお言葉だと・・・それではどういう条件であればお引き受けして頂けますか?」


    「・・・・全て前払いで7億。(う~ん・・・これは流石にふっかけすぎかな?)」


    「・・・・解りました。それで結構です。支庁に戻りましたら取り急ぎ本日中にご入金させて頂きます。よろしくお願いします」



    あ~~~~~~!!!!!!まただ!!!!これはもっとふっかけても大丈夫だったパターンだ!!!!!クソ・・・・



    まあ・・・いいか・・・・

    勿論私がちゃんとした調査なんかするわけがない。

    適当に調査レポートでっち上げてトンズラしてしまおう。

    「調査の結果、原因は不明」って報告書送ってオシマイ。

    依頼人が文句を言ってきたところでその頃には私はここには居ない。

    なんたって7億だ。それだけあれば今後一生遊んで暮らせる・・・かも知れない。



    しかし・・・・流石に私にだって良心の欠片はあるので見物くらいは行かないとな。(なんて仏心出したのが運の尽きだった)

    金曜日、依頼者からの入金を確認してさっさとその金を海外の隠し口座に送金(勿論アチコチたらい回しにして行き先不明にしてから)して海外逃亡の準備を整えた。

    報告書も来週末に届くようにいつも使っている便利屋に頼んで・・・全て準備万端。

    週末の予定は全滅地区の見学(当然だが内部に迄入るつもりは全く無い。命あっての物種だ)。


    土曜日、朝から嫌な感じの曇り空だった。

    やめとこうか、と言う気が一瞬したが(本能に従えばよかった!)7億の義理をちょっとは果たさないと流石に寝覚めが悪そうな気がして現地へ向かってしまった。

    秋葉を午前中に出発し鳩ヶ谷の入り口に付いたのは丁度正午を回った頃だった。

    ブルドッグソースの地盤らしくソース工場の出す匂いに溢れた街だ。

    食い物と云うのは出来上がりはいい匂いがするもんだが、その途中に出る匂いは何でもすごい匂いがするもんだ。

    とてもソースの匂いには感じられない強い異臭が漂っていた。

    街の入口に差し掛かった場所にドライブインらしき古びたレストランを見つけた。

    丁度昼飯時でもあったので私はそこで昼食を取ることにした。

    駐車場に車が1台も無いことに気が付かなかったのは多分慣れないソース工場の臭いのせいだった。

    足早に駐車場から店内へと急いだ。


    入ってすぐに異臭がすることに気がついたが、外の異臭のせいだと解釈してしまって注意力が散漫になってしまった。

    まわりを確認することもなく近くの空いているテーブルに座った。
    (ドライブイン型のレストランで車が1台もないのに客席は結構埋まっていた不思議さに気付くべきだった)


    「い・しゃ・っら・い。・・・あ~ぐ~」(いしゃっらい。)


    テーブルに置かれた水は・・・・・泥水だった。


    「な・に・ん・ま・し・か・ま・す・・・ぐぶぶぶ」(なんにしますか?)


    私は背筋を凍らせながら店員の顔をチラ見した。

    ・・・・・そんな話は聞いてない・・・ありえない・・・映画じゃあるまいし・・・・

    私の頭は状況の把握にフル回転したが・・・・理解不能と云う結論しか導き出せなかった。

    ただ私の目の前の店員は紛れも無く「ゾンビ」だ。

    店内の異臭は死臭だ。この匂いは何度も嗅いだことがある。

    客も全員ゾンビだ。

    いらいの内容は単なる全滅事件のはずだったのに・・・・騙されたのは私だったのか・・・・





    閑話休題



    「な・に・ん・ま・し・か・ま・す・・・ぐぶぶぶ」(なんにしますか?)


    イカン、兎に角、このゾンビ共を刺激しないようにしなくては・・・


    「・・・じゃ・・・・かけそばで・・・・」


    「あ・・・い・・・」(はい。)


    私の側からゾンビが離れた。

    しかし、逃げ出そうにも店の入口付近に客のゾンビがウロウロしていて、今そこを通り抜けるのはリスクが高すぎた。

    冷や汗をかきながらどうしたもんか思案しているとさっきの店員ゾンビがどんぶりを(勿論指がどんぶりの中に入っていた)片手で持ちながらフラフラこちらにやって来た。


    「・・お・ち・ま・う・ど・・ぐへ・・」(お待ちどう)


    テーブルに置かれたかけそばは・・・・・血溜まりにミミズが蠢いていた。

    悲鳴を上げなかった自分を褒めてやりたい。

    こんなところ今すぐ逃げ出さないと・・・・

    いきなり携帯が掛かった振りをしてテーブルに1000円札を置いて(食い逃げは犯罪だからな)出口に急いだ。

    出口の周りのゾンビと接触しないように気を付けて扉を開けて外に飛び出した。

    そこからは一目散に車へと急いだ。

    運転席へ座ってエンジンをかけようとしたが手の震えがあまりに酷くボタンが押せない。

    焦っていると目の前に店員のゾンビが立ちふさがった。

    万事休す・・・・
    ゾンビが窓を開けるように身振り手振りで示していた。

    どうしようもなく窓を開けた・・・・生まれて初めて死を覚悟した瞬間だった。

    ウィ~ン・・・・窓が全開になった。

    ゾンビが手を伸ばす。

    私の目の前にゾンビの手が開かれる・・・・・



    「つ・お・り・す・で・・・・くぐぐるる・・・」(お釣りです)


    「ああ・・・・どうも・・・・」


    500円玉をゾンビから受け取り車を発進させた。

    兎に角一刻も早くこの場を離れたい、その一心で車を飛ばした。

    思えば来る道筋も対向車に行き合わなかった。

    国道を週末に車が1台も走っていない事がありえないと何故気が付かなかった!

    後悔の念に苛まれながら帰路を急いでいると若いカップルに行き会った。

    生きている男女だ。

    20歳前後か?楽しそうに話しながら歩いていた。



    「・・・いや~だ、おにまったら、いつもそうやって苛めるんだから~」


    「うるさい、ば~っか、スズメがバカなことばっかり言うからだろ」


    「あ~~~~!!またスズメって言う~~!!!私は今日子だもん!」


    「ふん、スズメはスズメだろ。」


    「も~~~~~う、意地悪なんだから~~~」


    車を停めて私はそのカップルに声を掛けた。


    「君たち・・・・この先には行ってはいけない。・・・・ゾンビが居るのだ。この車に乗りなさい、送ってあげるから」


    「え~~~!!ゾンビ~~???キャハハ、このおじさんおもしろ~い。おにま!ゾンビだってよ~~~。車乗ったらおじさんから食べられちゃったりして~」


    「あ、いや、そんな事はしない。・・・・確かにそんな話が信じられないとは思うが・・・だが本当なんだ。戻りなさい。」


    私は多分信じないだろうとは思いながら・・・しかし、他に伝える手段を思いつけずに声高に訴えた。


    「あら?・・・・おにま!なんか本当みたいだよ?どうする?」


    「ああ・・・・おじさん、ご忠告ありがとうございます。まあ・・・大丈夫ですから僕らの事はお気になさらずに逃げちゃって下さい。・・・ただ・・・・」


    「えっ?・・・大丈夫とは・・・・ただ、なんだい?」


    「あ、いえ・・・どうぞ、行っちゃって下さい」


    「・・・・・良いのか?乗っていかないのか?」


    「うん、おじさん、大丈夫だから、お気をつけて~。じゃあ~ねぇ~」


    女の子明るい声に見送られながら私は再び帰路へ付いた。

    あのカップルはどういう2人だったのか・・・・

    普段だったら色々考えただろうがその時はもう頭がパンク寸前で他人の心配迄気が回らなくなっていた。

    彼が言った最後の一言・・・ただ・・・その言葉の意味することにも考えがいかなかった。

    鳩ヶ谷地区を抜け出る際に検問が張られていた。

    勿論私は止められた。

    パンク寸前の私は洗いざらい白状した形になりそのまま政府関係機関に隔離された。

    隔離されてる間に7億も取り返されてしまった。

    最悪だ・・・・全くひどい目に遭ったもんだ・・・・・

    これがその顛末だ。



    ん・・・?

    その後どうなったかって?

    そんな事私が知ってる訳ないじゃないか。

    え~~~!って言ったって・・・・

    だから、いつも言ってるじゃないか。

    ここは、読んだ




    A・・・・・あんたが


    K・・・・・きっと


    B・・・・・バカを見る


    AKB探偵社!!


    ようこそ!!





    閑話休題
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