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    最後の楽園  1

     28, 2012 07:00
    (作者の都合で事実とは異なる部分が有りますが、あくまでフィクションとしてご了承下さい。)



    K大学医学部

    遺伝子治療学科碇チームは、その日特別な日を迎えた。



    「教授!来て下さい。」


    「どうした。」


    「テロメアが、細胞分裂前と同一です!」


    「なに!!間違いないのか!」


    「間違いありません。全くの同一体です!」



    碇は助手の言葉に歓喜した。


    20年来の研究が実を結んだ瞬間だった。


    「これで、ついに人類は不老不死を手にしたぞ!」


    「おめでとうございます。先生!」


    「やりましたね!」


    「ばんざ~い!」


    助手たちの歓声に破顔一笑したのも、当然だ。


    これで、地位も名誉も手中したも同然なのだ。



    テロメアは、細胞の尻尾の様なもので、分裂のたびに少しづつ短くなる。


    そして最後に、テロメアが無くなった細胞は死ぬ。


    それこそが、老化の原因なのだ。


    そのテロメアの遺伝情報を解析し、
    短化を阻止する事が碇チームの研究であった。


    そして、ついに成功。


    不老不死…


    正確には、不死ではないが、
    老化によって死ぬ事はなくなった。


    人類が神の領域に踏み込んだのだ。


    その後、碇たちは動物実験を経て、臨床実験へと研究を進めた。


    その間、全人類の期待感は当然の如く絶大だった。


    研究の完成まで異例のスピードでつき進む。


    当たり前だ…。


    世界中から人と金が無条件で集まったのだから。


    だれもが、地球は人類の楽園となると考えた。



    しかし、神はそれを許さなかった。





    つづく



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    最後の楽園  2

     28, 2012 19:00
    私はその日、ノーベル賞を授与された。


    全人類からの賞賛を浴び、一人悦に入った。


    【当然の事だ…。】


    こんな快挙を成し遂げて、胸を張らぬ者はいまい。


    「先生!おめでとうございます。

    今回の受賞に関して一言お願いします。」


    レポーターたちが、一斉に碇の元に群がる。


    「ありがとうございます。
    今回このような、大逸れた賞を戴けましたのは、
    ひとえに関係者全ての皆様の御尽力のお陰です。
    心より感謝致します。」


    心にもない言葉だった。


    【私が、20年以上努力した結果だ】


    【人類全てが私に跪いて当然なのだ。】


    その後数年をかけ、人類全ての遺伝子治療が行われた。


    非常に高額な治療費が必要とされたが、大した問題ではない。


    今までは、例えば一億と云う金は、
    普通に返せる金額ではなかったが、
    今では寿命が尽きる事がないのだ。
    100年単位のローン返済が可能なのである。



    全人類の治療が終わった時、神の審判が人類に下った。



    それは、ある日突然始まった。


    いくつかの段階があったが、

    まず人類を混乱に陥れたのは、
    急激な性欲の減退、そして喪失だった。


    一度に全人類の性欲が喪失したのであれば、
    まだ混乱は少なかったかもしれないが、
    それにはタウムラグ、個体差があったのだ。


    夫婦、恋人、カップル間に大きな亀裂を生じさせた。

    片方が欲求不満を募らせる事となってしまったからだ。



    臨床の期間が短すぎた。


    【副作用だ…。】


    私がそれに気がついた時には、
    更なる悪夢が人類を襲っていた。


    人類は、完全に生殖能力を喪失してしまった。


    精子、卵子、ともに人類の肉体から消失してしまったのだ。


    人類の混乱は頂点に達した。


    私は全人類の英雄から、唾棄される存在に転落した。


    人類の繁栄ではなく、破滅への引き金を引いたのは…、

    私だ。


    つづく



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    最後の楽園  3

     29, 2012 07:00

    「碇先生!一体どう責任を取るおつもりですか。」


    レポーターたちの怒号に私は顔色をなくした。


    「だ、大丈夫です!時間は、たっぷりあります。

    私だけなく、世界中の研究者が治療法を探しています。

    暫く時間を頂ければ必ず治療法を探し出します。

    お約束致します!」


    空手形であったが、取り敢えずそう言わざるを得なかった。

    しかし、なんとかその場は凌ぐ事が出来た。

    人類に時間がないとは、誰一人として考えなかったのだ。


    しかし、間もなくそして突然に、神の鉄槌が振り下ろされた。


    未曽有の爆弾低気圧によって、
    宇宙空間の冷気が地球に引き込まれた。


    地球は、一夜にして全球氷結に見舞われた。


    一夜で、全人類の半数が死亡し、
    それと共に地球の動植物の殆どが死滅してしまった。
    人類は飢えとの戦いに突入した。


    私は辛うじて難を逃れた。

    皮肉にも、滅亡の引き金を引いた遺伝子治療研究所が、
    下界と完全に隔絶されていた為だ。


    研究所でひとり、神の裁きを受けた。

    私は孤独だった。




    二百年、三百年が過ぎ、人類は遂に私を含め数人を残すのみとなってしまった。


    今も私は治療法の研究を続けている。

    それしかやる事がないのだ。

    神に問い掛ける、何故こんな事になったのか。

    神は何を望んでいるのか?


    千年が過ぎ去った。


    昨日、私と共に人類最後の生き残りだったアフリカ大陸の女性が自殺した。


    遂に私が、人類最後のひとりになってしまった。


    既に全球氷結は溶け、
    今地球は、新たな動植物で溢れている。


    地球上の動植物達、
    全ての天敵であった人類はもういない。


    そこは、最後の楽園であった。


    【そうか…。神は、楽園を造ろうとしたのか…。】


    私は、やっと納得して銃の引き金を引いた。






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    パラレル

     29, 2012 19:00
    2123年


    米日併合条約が締結され、

    東京はその名をニュートーキョーへと変えた。


    ここは、欲望渦巻く荒廃の都

    ニュートーキョー。


    ありとあらゆる欲望に支配されている街。


    「キャー!やめてぇー!」


    悲鳴が響き渡った。


    場末のビアガーデンの薄暗い一角で、

    女性が数人の無頼者に陵辱されようとしている。


    辺りの客たちは気にもとめない。


    「こんな時間にこんな場所に来る方が悪い。」


    「ああ、何を考えてるんだか…。自業自得だな。」


    街だけではなく人の心までも荒みきっている。


    路上には、欲望のなれの果てに出来た子供たちが、

    親に捨てられ溢れてかえっている。


    犬や猫たちは、遊び半分に狩られ惨殺死体となり横たわる。


    荒廃しきった街。

    ニュートーキョー。




    2123年


    未知のウイルスに冒されその遺伝子に異常をきたした人類。


    その症状は唯一、性欲の喪失。


    一見、大した事態では無さそうだが…、

    時が経つにつれその深刻さが明らかになってきた。


    ここ東京ではその影響が特に顕著であった。


    「あなた、別れて下さい。

    あなたと一緒なんてもう堪えられないわ」


    「ふん、俺だって御免だね…

    お前みたいな、嫌みな奴と一緒になんて住んでいられるか。

    上等だ、サッサと出ていけ」


    至る所で同じ様な会話が交わされた。


    性欲を失う事で、まず全ての人々が異性への興味をなくしたのだ。


    その後、新しく結婚する者たちはゼロに等しかった。


    それでも暫くは、子供だけは欲しいと云う女性がいた。

    その為極少数だが、人工受精による出産があった。


    しかし大多数の人々は、異性への興味だけでなく、他人への興味さえ失ったのだ。


    連鎖的に欲望の全てをなくした結果だった。


    由々しき事態である事がついに明らかになったのだ。


    人類誕生以来、初めての経験。


    社会の崩壊だ。


    穏やかな暮らしではある。


    誰も彼も自分の殻に閉じこもっているのだから。


    自然減で地上から人類が姿を消し始め、

    絶滅に瀕していた動植物は息を吹き返した。


    地上は楽園の様相を呈しはじめた。


    東京の夜空に星が輝きを増した。




    この二つの


    【とうきょう】


    あなたは、どちらを選びますか…。


    残された時間はあと…。







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