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    天使たちのララバイ

     31, 2012 19:00






    「見習い10001番…前へ…」

    「はい!!」

    「うむ…今日からお前も天使の仲間入りだ。名を与える…ミカエル24世…どうじゃ、気に入ったかの…」

    「はい!!神様…ありがとうございます。偉大な名前を感謝致します…」

    「うむ…しかし、まだまだたくさん覚えなくてはならぬ事があるぞよ…その為にそちは先輩天使の手伝いを100年ほど務めよ。一人立ちはそれからじゃな。…どうじゃ、務めあげる自信はあるか?」

    「誠心誠意務めて、一年でも早く一人立ち出来るように努力致します…」

    「うむ…では、先輩天使ルシファーにつくように…」

    「だ、大天使様にお仕え出来るのですか?こ、光栄の極みにございます!!決してご迷惑お掛けしないよう全力を尽くします!!」

    「うむ…では、早速ルシファーのもとへ参るが良い…」

    「はい!!神様…ありがとうございました~!行って参ります!!」


    こうして私は天使として働き始めることになった…お仕えする先輩天使は大天使様…見習い1000天使に1天使の確率…私の優秀さを神様が認めて下さった証である。

    「よう♪ミカエル…」

    同期の見習い…いけすかないユダだ。

    「ああ、ユダか、お前はどなたにお仕えするのだ?」

    「ふふん…どうせ俺は出来損ないさ…ジジイは俺に先輩すらつけずにみんなのフォロー役をしろとさ!!」

    「罰当たりなやつめ!!神様をジジイ呼ばわりするとは…この不届き者!!」

    「ふん、そんなこ言ってる場合か・・・お前は追放されたんだぞ!」

    「な、何を言ってるんだ!俺は大天使様にお仕えするんだぞ!」




    「ばーーーーか!ルシファーは大天使辞めて悪魔になったんだぞ!」


    え~~~~~~~~~~~~~~~~!



    閑話休題



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    はじめての経験

     31, 2012 07:00


    目映い光の中で、彼と見つめ合う。

    明る過ぎて私たちは少しはにかみながらそっと寄り添った。

    彼とはもう3年の付き合いだが、こんなに緊張するのは初めてだった。

    彼も同じらしく額にうっすらと汗を滲ませている。


    頭の中をこれまでの3年間が走馬灯のように回っていた。

    最初は2人共初めてで、なかなか上手くいかなかった。

    彼は緊張と疲れで勃てなくなる事もしばしばで…そんな彼にイライラしたりキツく当たった事も度々あった。

    もちろん私だって最初から上手く出来た訳ではなかった。

    痛い思いもしたし、長時間で腰が起たなくなる事もあった。

    真冬でも汗だくになり、ヘトヘトになる。

    それでも私は彼と続けた。

    彼との相性はバツグンだったから…。

    彼との行為は快感だった。

    彼は私の全てを知り、私も彼の全てを知っていた。


    いよいよ…。

    彼の手が私の腰へ回される。

    私もそっと彼の腰に腕を回した。

    彼の顔か私に被さり、腰に回した手が背中へと回る。

    彼の興奮した息遣いが私の耳元に届く。

    いきなり彼が私を抱き上げ身体を回した。

    でもそんな事くらいで私は驚いたりしない。

    きっともっと激しい行為が待っているに違いないのだ。

    私は期待に胸を踊らせ彼に身体を預けた。

    彼の激しい行為に応え私も激しく動いた。

    彼の顔が快感で紅潮している。

    きっと、私も同じに違いない。

    余りの激しさに2人共息を切らし、思わず喘ぎ声が漏れた。

    激しく抱き寄せ、突き放し、抱き上げ、抱きしめ…。

    繰り返し訪れる快感の波に私は我を忘れ恍惚の表情を浮かべた。

    頭に響く音楽が最高潮になった時2人の行為は絶頂を迎えた。

    彼の腕に私は身体を預けた。

    しばらくそのままお互い見つめ合い、そしてそっと彼が私を抱き起こした。



    静まり返った空間にその時大歓声が上がった。


    私たちは金メダルを確信した。


    フィギュアスケートペアの金メダル…。


    初めての経験だった。



    閑話休題



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    ダイアモンドリング

     30, 2012 19:00


    碇 シンジと綾波 レイは付き合い始めてそろそろ3年目を迎えていた。

    お互い愛し合っていることに何の疑いも持たず、付き合い始めの熱い気持ちも失ってはいない。

    シンジはそろそろ結婚を考え始めている。

    そしてまた、レイもそれを心待ちにしている。

    お互いの気持ちが繋がっていることに二人は喜びを感じて、この関係が永遠に続くことを信じていた。

    しんじは、3年目の記念日にレイにプロポーズしようと考え計画を立て始めた。

    南海の孤島で何年ぶりかの皆既日食がある。

    そこで一世一代の演出を考え、レイを感動させてやろうと思いを巡らせていた。



    「レイ、今度の連休は二人で旅行に行かないか?」


    「え、・・・うん、いいわよ・・・どこにいくの?」


    「ちょっと遠出をして海外・・南の島で皆既日食を見に行こうと思ってるんだけど・・・」


    「わ~!行きたい!・・・・うれしい・・・」


    「よかった、じゃあ決まりだね。予定は僕が立てていいかな?」


    「うん、任せる・・・楽しみ~」


    シンジは普段は大人しい静かな性格で、どちらかといえば優柔不断でなかなか物事を決められない方だったがさすがに今回は一世一代の決心で望んでいるだけあって、日程から宿泊先まであっという間に決めて準備万端整えてしまった。

    これにはレイもちょっと意外な気がしたが、いつもと違うシンジに頼もしさを感じ、ますます深い思いを抱いた。

    そうこうするうちに、その日はやって来た。

    内心緊張していたが、レイにそれを悟られないようにシンジは細心の注意を払って只の日食見物旅行を装った。

    到着したその日から日食間での数日はゆっくりと二人で過ごし、穏やかに時が過ぎた。

    いよいよ明日が日食の日となった夜、さすがにシンジは緊張で眠れぬ夜を過ごしていたがレイは素知らぬ顔でぐっすり眠っている。

    苦笑しながらレイの寝顔を見ながらいつの間にかシンジも眠りに付いた。

    目が覚めるとレイは既に身支度を調えていた。



    「シンジ、早く!準備しないと見れなくなっちゃうよ!」


    「ああ解かってる・・急ぐよ・・」


    楽しみにしているレイを苦笑しながら急いで身支度を整え、調べておいた観測スポットへと向かった。

    そして、その時がやって来た。

    太陽が端から少しづつ欠け始め・・・ついには全て消え去った・・・

    あたりは一切の光を失い漆黒の闇に包まれた。

    その刹那、端に目映い光が洩れ始める。

    シンジが待ちに待ったその瞬間だ。



    「レイ・・・手を貸して・・」


    「え?・・うん・・・」


    怪訝な表情のレイの手をその光にかざした。

    まさに、シンジの思い描いた美しい光のリングがレイの左薬指に輝いている。


    「レイ・・・この指輪を受け取ってくれ・・・結婚してほしい・・・」


    シンジは自分で考えた演出にも拘らず胸に熱いものを感じていた。

    シンジさえそうなのだ・・・レイももちろん・・・




















    「バッカじゃないの?・・・・指輪をちょーだい!」




    え~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!



    閑話休題




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    時の片~かけら  11

     30, 2012 07:00
    「早苗お姉さん!・・・・ご飯食べよぉ!」


    幸治君の元気な声が響いた。


    「そうね・・・食べよう、食べよう・・・」


    潤子さんの明るい声が応える。


    「はい・・いただきます・・・」


    私も昨日よりは元気が出てきた。

    何も解らず過ごした2日よりは、自分の名前だけでも思い出した今日の方が希望を感じたのだ。

    楽しく談笑しながら食事を済ませ、ちょっと一服と云う感じになった時潤子さんが意外な話を始めた。


    「今日はちょっと幸治と大学病院に行く日なの・・・」


    「えっ?幸治君どこか具合が悪いんですか?」


    「ええ・・・今年、父親が事故で亡くなって・・・ちょっと、記憶障害になっているらしいの・・・」


    「えっ?・・・・そうなんですか?・・・・ごめんなさい・・・自分の事ばかりで・・・気が付かなくって・・・」


    いつも明るい幸治くんが父親を亡くしたばかりで、その上記憶障害にまでとは・・・思いもしなかった。


    「ううん・・・そんな大したことじゃないのよ・・チョットだけ記憶がぼんやりしているだけだから・・・」


    「はあ・・・そうなんですか・・・」


    記憶がない私を全く迷惑がらずにこんなにも親切にしてくれる訳がわかった気がした。

    きっと、文字通り他人事ではなかったのだ。


    「それで、担当の先生に昨日連絡してみたら・・早苗さんも一緒に検査しましょうって話になったのよ。・・・検査してみる?昨日の病院よりも設備が整っているから何かわかるかもしれなし・・・どうかな?」


    「あ、はい・・・いいんですか?・・・スイマセン・・ご迷惑ばかり・・」


    「あら?そういう意味じゃないわよ。気にしないの!困った時はお互い様よ・・ね!」


    「あ、はい・・・ありがとうございます。」


    「じゃあ、今日は幸治と一緒に検査だ・・幸治!良かったね、寂しくないでしょ。」


    「うん!・・ヤッター!」


    「あらま!・・・フフフ・・・」


    そういう流れで精密検査を受けることになったのだが、昨日とちょっと違い病院に着いた途端、私は違和感を覚えた。いや、違和感ではなく既視感だった。

    見るもの全てに見覚えがある。

    ナースステ-ション、白衣、機器・・・・それぞれの名前さえわかった。

    全ての検査を終えて診察を受ける時そのことを話した。


    「早苗さん、きっと病院に勤めていたのよ!」


    潤子さんが歓声に近い声を上げた。


    「あ、はい・・私もそう思います・・・いえ、そうです。」


    私の中に確信が芽生えていた。毎日扱っていたものばかりだ。

    詳しい検査結果は後日と云うことで、その日は幸治君の検査が終わるのを待って引き上げた。

    何となく帰り道の足取りが軽くなった。

    私の年格好から云うと医者ではなく、きっと看護婦(現在は看護師)だ。

    少しずつではあるが自分の事が思い出せていることに安堵し、帰り道では少しはしゃいだ感じさえ与えたと思う。



    しかし、なにかを思い出せたのはそこまでだった・・・・

    4日目以降私は何も思い出せなかった・・・・



    続く



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    ダイエット

     29, 2012 07:00
    私は生まれて初めて好きな人が出来た。


    その彼の好みの女性は細身の女性。


    俗に言うスレンダーボディ・・・・


    私は必死にダイエットに勤しんだ。


    食事はZEROカロリー食品を沢山買い込んで、それだけで済ませた。


    日頃飲んでいたジュースやコーラもZEROコーラを1日2リットルだけに減らした。


    料理に使うお砂糖は全て人口甘味料に変えた。


    この努力の結果・・・・


    ・・・・・・何故?全く痩せない・・・・それどころか、前よりウエストのサイズが・・・



    「・・ニュースです。○○大学研究チームが人口甘味料研究で新たな発見をしました。

    それによりますと、人口甘味料の○○○○酸が〇臓には砂糖と認識され、

    通常の砂糖を使用した場合の6倍の脂肪を蓄積する、と云うことが確認されました。

    イヤ~これは驚きですねぇ~・・・・」









    お~~~~~~~い!じゃ~どーしろっちゅうねん!



















    「そんなにたくさん

    飲み食い

    しなさんな!」


    運動しなさい(>_<)



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    新 デスノート

     28, 2012 19:00


    冴子は塾が終わったあと、なんとか終電に乗り家路についた。

    学校ではいつもイジメに遭い友達もいない冴子だったが、塾ではそんな事はないため毎日の塾通いも苦にはならなかった。

    京成津田沼の駅を出るとロータリーがある。

    そのロータリーの終わりにある、公衆電話ボックスに迎えを頼む連絡をしようと入る。

    テレカを出し受話器を取った時、電話の上に一冊のノートを見つけた。

    父に迎えを頼みながら何気なく中を眺めていると、そこに書かれてあったのは最近連続して起きていた犯罪者達の不審死の詳しい内容だった。


    「何これ…。」


    最初は記者か何かのメモ書きかと思って読んでいたが、おかしい点に気がついた。

    記事?の最初に付いている日付が一週間合わないのだ。


    「なんで一週間合わないのだろう…変なの…。」


    その時、丁度父が迎えに到着した。

    冴子は思わずそのノートをバックに入れて持ち帰ってしまった。

    津田沼なのに袖ヶ浦団地…袖ヶ浦市とは全く関係ないおかしな名前の団地に冴子は住んでいた。

    近くのコンビニは歌手の中村晃子の実家が経営している。

    その正面には…街中なのに山羊が飼われている。

    不思議なところだ…。


    「ただいま。」


    「お帰りなさい。大変ね~いつも。」


    ちっとも大変だと思っていそうにない口調で母が迎える。


    「お風呂入って寝なさい。」


    「うん…。」


    ぶっきらぼうな口調で返事をして自分の部屋へ向かう。

    こういう態度もイジメられる原因の一つなのだが、冴子は気付いてなかった。

    家族全員が同じだったからだ。

    部屋へ戻ると着替えもそこそこに、早速冴子は先程のノートをバックから取り出し続きを読み始めた。

    やはり、どの記事?も一週間づつ日付が早い。

    そして、最後の記事?は丁度一週間前…。

    冴子は急いでテレビのニュースを見た。

    丁度キャスターが臨時ニュースを読み始めた所だった。


    「先程、連続殺人犯の山田伊知郎が拘置所内で首を吊り自殺しました…。」


    冴子は思わず持っていたノートを落とした。

    書かれていた通りの内容に背筋が凍りついた。

    寒かったワケではない。

    冴子は理解した。本当にデスノートが実在する事を。

    そのチャンスを逃すほど、冴子はよゐこではなかった。


    「こ、殺してやる!」


    日頃の怨みに打ち振るえながら名前を書いた。




    「し、しまった!」






    冴子は持ち物には最初に自分の名前を書く習慣があった。



    人を呪わば穴二つ。







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    デスノート

     28, 2012 07:00



    やっと暖かくなり始めた3月の終わり、優子は学校帰りに寄った喫茶店で一冊のノートを拾った。

    真っ黒の厚手の大学ノート。

    色を除けば何の変哲もない普通の大学ノートだった。

    店員に声を掛けようとしたが、丁度忙しい時間帯で忙わしく動く店員に声を掛けるのが躊躇われた。

    優子はつい好奇心からそのノートを開いてしまった。

    ノートは、今年の3月の日付から記されている。

    パラパラと捲ってみると、1ページに1記述のみ書き記されているようだ。

    優子は少しだけ躊躇ったが、好奇心の誘惑に負けて最初のページを開いて読み始めた。


    「3月4日。

    今日、パパが死んだそうです。」


    うわ!


    いきなりの衝撃的な文章に思わず声が出そうになった。

    優子は深呼吸して、もう一度ノートの表裏を確かめてみたが

    何の記述もない。

    一体誰のノートなのか確かめる術がなかった。

    優子は今度こそ本気で躊躇した。


    しかし、やはり好奇心に負けた。

    2ページ目を捲って読んだ。


    「3月9日

    今日、ずっと入院していたお隣のお兄さんが病院で死んだそうです。」


    うわ~!


    優子は声にならない声をあげかけて、慌てて両手で口を押さえた。

    優子の友人の従兄も同じ日に亡くなっていたのだ。

    震える手で次のページを捲る。


    「3月14日

    私をいじめていた太郎君が死ねばいいのにと思っていたら、死んだそうです。」


    優子は絶句した。


    同じクラスの木村太郎が同じ日に事故で死んでいた。

    ドンドン優子の身近に迫って来ている。

    水を飲み干し、まだ震えが収まらない手で次のページを捲った。


    「3月19日

    ママが人を殺したそうです。」

    血の気が引いた。

    同じ日に優子の家の近所で不審死をしたホームレスがいた。


    (次の日付はきっと今日だ。恐い!でも、見たい…。)

    好奇心に負けて、ブルブル震えながらページを捲った。


    「3月24日

    優子なんか死んでしまえばいいのにとみんなが思っているそうです。」


    いや~!


    思わず声が出た。


    周りの客の視線が痛いが構っていられない。

    慌てて次のページを捲った。


    「3月29日

    都合により内容は未定です。」


    はあ?


    次のページ!


    「4月4日

    都合により内容は未定です。」


    次のページ!!


    「4月9日

    都合により内容は未定です。」


    次!!!





    こ、これゎ~




















    【です。ノート】


    ですか~?。







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    天使  4

     27, 2012 19:00

    夕陽に染まる遊歩道を

    佐知と正史は、無言の儘歩いていた。


    周りに人影がなくなり、
    佐知はやっと落ち着きを取り戻した。


    「あの、…ありがとう、…?」


    まだ名前も知らない。


    「ああ、そうだね。自己紹介もまだだった。」


    正史は手を差し出しながら、


    「白河正史です。宜しく。」


    微笑みを絶やさず言った。


    「三日月佐知です。」


    手を握り返して応える。


    不思議な感覚だ。


    まるで昔からよく知っている手の感触。


    「あの、… 前、何処かで会った事が…」


    「ああ…まだ思い出せないんだ?」


    「えっ?」


    ふと、

    遠い記憶…

    そう、

    遥か昔、

    まだこの地が楽園だった頃


    【会った事がある。】


    佐知は、
    自分でも信じられない記憶の情景を、
    瞳の奥に映し出していた。


    「あれ?思い出しちゃった?」


    正史の笑顔から、
    暖かさが消え氷の様な冷たさが顔を覗かせた。



    「それは、マズいなぁ~。もう少し楽しみたかったのに。」



    佐知は恐怖で体中の血液が逆流するのを感じた。


    正史はいきなり佐知の首に手をかけ、容赦なく力をこめる。


    殺人鬼は正史だ。


    【でも…、正史からは悪意が全く感じられないのに…。】


    「ははは…。当たり前じゃないか」


    薄れゆく意識に正史の笑い声がこだまする。


    「またな、ミカエル。ガブリエルとラファエルは先に行ってお前を待ってるさ。」


    佐知は全てを思い出した。


    【私はミカエル。三大天使の一人】

    天使は私だった。正史ではなく…。



    こいつは…、

    ルシファー。

    堕天使…、

    悪魔だ。


    悪意が無いんじゃない。


    存在そのものが悪だったのだ。


    薄れゆく意識の中で、ミカエルはこの世を憂いた。


    ルシファーが君臨するこの世を…。


    休題




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    時の片~かけら  10

     27, 2012 07:00
    3日目


    「早苗、早苗…おきて…」


    誰かが、私を呼んでいる。

    早苗?

    早苗って私?

    私の名前は、早苗なの?

    ふっと、目が覚めた。


    まだ、覚醒しきっていない頭で周りを見回した。

    誰もいない。夢だったの?





    昨日、朝食の後潤子さんに付き添われまず警察へ出向いた。


    「…と云う事情なんです。東京の警察に問い合わせて貰えますか?」


    「ご事情は解りましたが…お名前も年齢さえもわからないとなると難しいですよ。」


    「そう言わず、お願いします!」


    潤子さんの剣幕に、担当の警官が恐れをなし、

    あちこち問い合わせ始めたがやはり無駄だった。


    ここ1ヶ月の若い女性の捜索願は数多くあったが、

    どれもが私の特徴とは違いが有り過ぎた。


    警察署を後にして、次に病院へ向う。


    同じ話しを繰り返しその後検査を受けたが…。


    異常は全く見当らず何の収穫も得る事が出来ない。


    潤子さんが仕事で先に病院を後にしたので、帰り道は幸治君と二人になった。


    「この間、学校でね…」


    「友達がね…」


    学校の話しや友達の話しで私を笑かし続けてくれる。

    その優しさに感謝の思いで一杯になった。

    そのおかげか昨日は穏やかに眠りに付くことが出来たのだ。




    身支度を整えて居間へ行くと明るい声が飛んできた。


    「おはよう!良く眠れた?」


    「あ、はい…。あの…またひとつ思い出しました。名前なんです…。」


    「えっ、名前思い出したの!」


    「ええ…、でも下の方だけなんです…。」


    「大丈夫!その調子なら、すぐに全部思い出せるわ。…それで、お名前何て云うの?」


    「早苗です…。」


    「そう、早苗さんと云うのね…。」


    「早苗お姉さん!」


    幸治君の元気いっぱいの声が響いた。



    続く




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    天使  3

     26, 2012 19:00

    平和公園の中央広場から、
    その外れにある芝遊園へ向かって
    二人は歩いていた。


    軽やかだった佐知の足取りが突然止まった。


    「殺してやる。誰にしよう!誰に…。」


    先ほどまでの悪意とは、
    比べ得べきこともない、
    激烈な殺意が佐知の体を貫いた。


    「怖い」


    思わず呟く。


    「どうしたの?」


    正史が怪訝そうに佐知の顔を覗き込んだ。

    【話してしまいたい】

    【でも、信じてくれる筈がない…。】


    決心が付かずにいる佐知の背中を正史が押した。


    「聞こえるんだろ?心の声」


    【!!!!】


    「なぜ…?」


    驚愕と安堵の入り混じった感情が佐知の目に浮かんだ。


    「同じ様な人を知っていたんだ。」

    過去形。

    佐知の中で何か引っかかるものがあった。

    それが何か考えている時間が今はない。


    「あの人、人を殺そうとしてる。」


    ここ数ヶ月、
    この平和公園で
    何人もの女性が殺害される事件が起こっている。


    その犯人がそこにいる。

    佐知がそう感じたのも無理はない。


    「分かった。ちょっと待ってて。」


    正史が携帯で警察へ通報した。

    「…ええ、そうです。殺すって呟きながら歩いてました。…
    ええ…」


    話の途中で警官が駆け付けた。


    「あっ、あの人です。」


    正史が警官に指差した。


    「ちょっと、君…」


    警官が声を掛けるや否や、
    男は脱兎の如く逃げ出した。


    「こら、待て!」


    警官が男を追った。


    「行こう」


    正史は佐知の手を取り歩き出した。


    「えっ、でも…」


    「どうして分かったのか聞かれると面倒な事になる。」


    「あ、うん」


    佐知は釈然としない気もしたが、
    引かれる儘、正史の後を着いていった。


    平和公園が夕陽に赤く染まっていた。


    つづく




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    埼京線  2

     26, 2012 07:00


    埼京線、別名痴漢電車。

    不名誉な称号は、警察,JR,の努力も虚しく返上されていない。

    日本特有の破廉恥な犯罪。

    何故、その犯罪のリスクの大きさに気が付かないのか本当に不思議だ・・・。


    いつも以上に今日は混んでいる。

    無!計画停電の影響がここにも現れていた。

    私は幸運にもドア横の座席に座ることが出来た。


    周りはサラリーマン風の若者たちや、ちょっと草臥れた管理職たち・・・。

    その中に1人の若い女性がいた。

    ドアを前に見て、手をドアについている。

    私は直感的に危ないと思った。

    背後が余りにも無防備なのだ。

    この電車で、あの態勢は飢えた狼のまえに裸で立っているのも同然だ。

    案の定、一人の怪しげな奴が女性の後ろに近づいてきた。

    女性の後ろに取り付くと持っている鞄で手元を隠した。

    私は確信した。

    絶対に痴漢だ。

    しばらくすると、女性が身を捩りだした。

    しかし、この混雑では体の角度さえ変える事は難しい。

    女性の苦難は続いているようだ。

    いや、増している。

    女性の顔が紅潮し始めていた。

    私は不思議に思った。

    何故、声を上げないのだろうか。

    そんな事を考えているうちに、なんと女性の両脇にも痴漢らしき者たちが移動して来ていた。

    この混雑の中、いったいどうやって移動したのか!

    そうまでして、痴漢したいのか・・・。

    私には理解出来ない。

    痴漢で検挙された後の人生がどんな事になるのか想像しただけで身震いする。

    一生変質者のレッテルを貼られて生きていかなくてはならないのだ。

    女性は3人の痴漢たちに体を弄り始められた。

    身を捩り逃れようとするが、最早手遅れだ。

    体の周り全てが痴漢に固められている。

    なんとそこに新たな痴漢が何人も集まり始めた。

    こいつらはグループか!

    見事!な連携で入れ替わり立ち代り女性を弄っている。

    呆れた奴らだ!・・・

    し、しかし、・・・

    なんと!

    痴漢されている筈の女性が、痴漢どもに身を任せ始めたではないか!

    私の席まで女性の吐息が聞こえてきた。

    勿論、周りの乗客達も気がついている。

    吐息がだんだん喘ぎ声に変わり始めた。

    私はいけないと思いつつも女性の体に目が釘付けになった。

    女性の喘ぎ声が絶頂を迎えた瞬間・・・・。










    「カット!・・OK!」







    監督の声が響いた。





    ADさんが私に声を掛けた。

    「ありがとうございます、エキストラさんは、どうぞ立って電車を降りて下さい。」

    あ、いや・・・

    もうすでに・・・

    ・・・ちょっと・・今は・・動けません・・・・。




    閑話休題



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    天使  2

     25, 2012 19:00

    正史は、ベンチで震える佐知の姿をじっと見ていた。


    暫くして、徐に近付き声をかける。


    「大丈夫?」


    聞き覚えの無い声に、佐知は恐る恐る目線を向ける。


    【聞こえない。】

    【この人からは、聴こえて来ない。】

    【みんなとは、違うの?】

    【なぜ?】


    佐知の頭の中を、

    【?】

    が駆け巡る。


    「どうしたの?大丈夫?」


    正史は心配そうに佐知の顔を覗き込んだ。


    「はい…。大丈夫で‥す。」


    思わず語尾が掠れそうになった。


    本当は大丈夫ではない。


    溢れかえる悪意で、佐知の頭は今にもパンクしそうだ。


    「少し歩かない?」


    佐知の心を見透かした様に正史は誘う。


    佐知も取り敢えず誰もいない所へ行きたかった。


    「う‥ん…」


    佐知が答え終わる前に、正史は佐知の手を取り歩き出した。


    「あ、あの、ちょっと…。どこに?」


    正史はそれには答えず、ただ微笑むのみだ。


    佐知も思わず微笑んだ。


    相変わらず、周りからは悪意の洪水だが、
    やはり正史からは悪意のひと欠片さえ感じられない。


    佐知は不思議な感覚に支配され始めていた。


    【このまま、この人とどこかに行ってしまいたい。】


    溢れかえる悪意さえ、正史と一緒なら耐えられそうな気がする。


    【たった今、会ったばかりだというのに。】



    佐知の足取りが軽くなった。

    まるで天使の羽根を、正史から受け取ったかの様に…。



    つづく



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    時の片~かけら  9

     25, 2012 07:00

    2日目




    朝、目が覚めると私は混乱状態に陥った。


    「東京…、千歳烏山駅…、」


    風景が頭を辿る。

    でも、ここは長崎だって…。

    どうして、東京の風景が浮かぶのか…

    私は東京に住んでいるのか…。


    だったら何故長崎にいるのか…。

    疑問が頭の中を支配して、思考は停止した。


    「おはよー!お姉さん!」


    元気な声で我に返った。


    「あっ、おはよう。」


    「ご飯だよ!」


    「あっ、うん…、わかった。ありがとう幸治君」


    急いで身支度を整え居間へ向かう。


    「おはようございます。」


    「あら、おはよう。よく眠れた?」


    「あ、はい…。」


    戸惑いがちな私の言葉に、潤子さんは怪訝な顔で…、


    「どうかしたの?」


    「あの、…朝…、目が覚めたら、東京の風景が見えて来て…」


    「まあ!そうなの?それで、他には何か思い出した?」


    「名前は?どうして長崎に来たの?」


    「どこに泊まっているの?」


    矢継ぎ早な質問に困惑していると、潤子さんが自分の頭を叩いた。


    「ごめんなさい。一度になんでもかんでも答えられないわよねぇ…。」


    「いえ、… でも、思い出したのは風景だけなんです。その他の事は、何にも…。」


    「そう、…取り敢えずご飯食べちゃおっか!その後、警察と…病院にも行ってみようね。」


    「すいません…ご迷惑かけてしまって…本当にありがとうございます。」


    「気にしない、気にしない。困った時は、お互い様よ!」


    「お母さん、お腹すいたよ~!早く食べよ~よ!」


    幸治君の声に、潤子さんと私は顔を見合わせ笑った。

    重苦しい気分から、救われた思いがした。

    そして、心に溢れるこの愛おしさがどこからくるものか?


    不思議な感覚に捕らわれていた。



    続く



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    天使  1

     24, 2012 19:00

    突然頭の中に、言葉が飛び込んだ。

    あちこちから、同時に…。

    様々な言葉で溢れ返る。

    余りに突然の事に、佐知は驚愕と恐怖で悲鳴さえも挙げる事が出来ない。


    「畜生!あの野郎、ぶっ殺してやる!」

    「あー、このおんなと早くヤリてー!」

    「マジ、ムカつく!キモ男、どっか行け」

    「コイツ、金だけは持ってんだよねぇ~。チビちんのクセして、… キャハハ!」

    「死にたい。死にたい…」

    「あー、人、殺してみてー、… やっちまおうかなぁ~!!」



    【怖い!なに?なんで…。助けて…。】


    佐知は、頭を抱え耳を塞いだ。

    勿論、効果はない。


    そうしている間にも、次々に言葉が頭で舞い踊る。


    【気が変になりそう!誰か、誰か助けて…】


    そこへ一人の少年が…、


    つづく



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    続 三茶狼の誕生日

     24, 2012 07:00
    私はみんなから、三茶狼と呼ばれ恐れ…忌み嫌われている。

    こら!

    三茶楼ではない!

    中華屋じゃない!

    狼だ!お お か み と書くのだ!


    この道では、知る人ぞ知る偉大な…伝説的人物なのだ。


    しかし、そんな私も毎年この時期になると気が滅入る。

    どんなに人に恐れられ…私が歩くと川が割れたように人並みが一本の通り道を作る。

    私が睨むだけで、人々は縮み上がり、私が怒鳴ると人々は地べたにひれ伏してしまう。

    そんな私でも…

    いや、そんな私だからこそ、毎年の誕生日を傍で祝ってくれる人が誰ひとりいない。

    これは、結構キツいもんだ。

    正月や盆、クリスマスなんかは、独りきりだって大した事ない。

    そこら中でお祝いだらけだから…。

    だが、誕生日は違う。

    誰ひとり私の誕生日なぞ知らぬから、どんなに私を恐れていても私を祝ってはくれない。

    誕生日にケーキなぞ食べたのは、ガキの頃以来…

    ふん!

    また今年も、酒でも引っ掛けてさっさと寝ちまうしかねぇな…。



    と、思っていたら・・・

    今年は訳が違った。

    朝から電話やメールが鳴りっぱなしだ。

    去年はちょっとした知り合いに刺されると云うお祝いを貰ったが、今年は本当のお祝いを貰っているのだ。

    これは一体どうしたことだ?

    訳がわからん・・・


    まあ、イイ女達から電話やメールがひっきりなしに来るのは捨てたもんじゃない。

    朝起きてからたった30分で今日の夜会う女が4人になってしまった。

    さすがの私もこれ以上は体がもたないので、これで打ち止めだ。

    そうこうするうちあっという間に夜になった。

    4人の女とそれぞれ楽しんだ後、今日の締めに行きつけのバーに寄った。



    (チャリン…バタン)


    「おー!久しぶりですね~ダンナ!」


    「ちっ!この店は客にいらっしゃいの一言もねぇのか!」


    「あはは…いらっしゃーい…なんにしやすか?」


    「バーボンだ」


    「はい…。」


    「どうだ景気は…。」


    「ええ…ダンナのおかげでボチボチです。」


    「ダンナはやめろ!」


    「あ、すいません!ちょっと癖で…藤田社長のおかげでボチボチ儲かってます!」


    「そうか、まあ、良かったな…。」


    「今日はやけに明るいですねぇ・・・いい事有りましたか?」


    「…いや、別に何もね~よ!(ΦωΦ)フフフ…。」



    その時、店のドアが開き誰か入って来たようだった。

    私はいつもなら、決して注意を怠らない。

    しかし、今日はやっぱりどうかしていた…。

    その人物が背後に近づくまで全く気がつかなかった。



    「ふじたー!誕生日おめでとうー!」



    ん?私の誕生日をまた祝ってくれる…しかもまた女の声だ。

    私はゆっくり振り返った。



    《ブス!》



    鈍い小さな音が腹部からした…。


    こ、この女は…


    きょ、去年も俺を刺した・・・あの・・・奥菜の…


    「ふじた…いい誕生日だったろ。あたしが色々仕込んでやったのさ!あたしも祝ってやるよ。ハッピーバースデートゥユー・・・・ついでに線香もあげてやる…ククク…。」


    そうか・・・そういう事か・・・


    今年もまたこの床が私の鮮血で染まる。


    そうだな…。

    久しぶりに他人に祝って貰った。



    薄れる意識のなか…恵に…





    「ありがとう…。」





    それが、今年の誕生日の出来事だ。



    閑話休題



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    三茶狼の誕生日

     23, 2012 19:00


    私はみんなから、三茶狼と呼ばれ恐れ…忌み嫌われている。

    こら!

    三茶楼ではない!

    中華屋じゃない!



    この道では、知る人ぞ知る偉大な…伝説的人物なのだ。


    しかし、そんな私も毎年この時期になると気が滅入る。

    どんなに人に恐れられ…私が歩くと川が割れたように人並みが一本の通り道を作る。

    私が睨むだけで、人々は縮み上がり、私が怒鳴ると人々は地べたにひれ伏してしまう。

    そんな私でも…

    いや、そんな私だからこそ、毎年の誕生日を傍で祝ってくれる人が誰ひとりいない。

    これは、結構キツいもんだ。

    正月や盆、クリスマスなんかは、独りきりだって大した事ない。

    そこら中でお祝いだらけだから…。

    だが、誕生日は違う。

    誰ひとり私の誕生日なぞ知らぬから、どんなに私を恐れていても私を祝ってはくれない。

    誕生日にケーキなぞ食べたのは、ガキの頃以来…

    ふん!

    また今年も、酒でも引っ掛けてさっさと寝ちまうしかねぇな…。


    まあ土地がら飲み屋は溢れ返ってるから苦労しない。


    (チャリン…バタン)


    「おー!久しぶりですね~ダンナ!」


    「ちっ!この店は客にいらっしゃいの一言もねぇのか!」


    「あはは…いらっしゃーい…なんにしやすか?」


    「バーボンだ」


    「はい…。」


    「どうだ景気は…。」


    「ええ…ダンナのおかげでボチボチです。」


    「ダンナはやめろ!」


    「あ、すいません!ちょっと癖で…藤田社長のおかげでボチボチ儲かってます!」


    「そうか、まあ、良かったな…。」


    「ところで、暗い顔してますがなんかあったんですか?」


    「…いや、別になんでもない。」


    その時、店のドアが開き誰か入って来たようだった。

    私はいつもなら、決して注意を怠らない。

    しかし、今日はやっぱりどうかしていた…。

    その人物が背後に近づくまで全く気がつかなかった。


    「ふじたー!誕生日おめでとうー!」


    ん?私の誕生日を祝ってくれる…しかも女の声だ。

    私はゆっくり振り返った。



    《ブス!》



    鈍い小さな音が腹部からした…。


    この女は…

    この間消した商売敵の奥菜の女…。


    「ふじた…いい誕生日だろ。あたしが祝ってやるよ。
    ハッピーバースデートゥユー…線香もあげてやる…ククク…。」


    床が私の鮮血で染まる。


    そうだな…。

    久しぶりに他人に祝って貰った。


    「ありがとう…。」


    それが、今年の誕生日の出来事だ。



    閑話休題



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    野田ちゃんへの手紙

     23, 2012 07:00

    日本国内閣総理大臣 野田様

    あ、間違えました

    〇〇国大統領 野田チャンへ


    野田ちゃん・・・お久しぶり~

    大蔵省にお勤めしていた時以来よね~

    物腰の柔らかさ・・丁寧な口調・・・

    全部お勤めしていた時に身に付けたうわべだけの処世術よね~

    私もあなたも・・とっても上手よね~~



    お勤めやめたあと・・・あれから・・・私、色々あったのよ~

    3番目に大きいグループにいたのに・・・

    私が・・・加藤君の事好きになちゃって・・・

    加藤君が悪い事する時・・・一緒になってしちゃったの~

    そしたら・・・みんなから爪弾きされちゃった・・・

    それから、ず~っと一人ぼっちだったの・・・

    一番苛めたのが野中君!酷いわ~あんなに苛めなくてもいいじゃない!
    ヽ(`Д´)ノプンプン

    その野中君が嫌っていた筈の小沢君と出来ちゃって・・・( ^ω^)・・・

    小沢君も一緒になって私を苛めたの・・・

    だから、今回小沢君を物凄く苛めて・・・追い出しちゃってくれて・・・本当にありがとう!

    胸がす~っとしました(#^.^#)

    その小沢君が新しくつくったグループ・・

    「国民の生活が第一」って・・・

    みんな変だとか変わっているとか言っているけど・・・

    生活って所・・・中華に代えてひっくり返しちゃうと・・・

    「第一が中華の民国」ってなるの・・・

    小沢君って・・・大っ嫌いだけど・・・正直者よね~!



    そうそう、消費税の増税法案・・・

    私のお願い聞いてくれて・・


    「増税により財源に余裕が出るので経済状況によっては財政出動出来る。」


    って書き足してくれて本当にありがとう。

    馬鹿な国民には社会保障費の財源に充てる・・って誤魔化して於いて、本当は増税で財源が出来たからバンバン公共事業にばらまけるわね~

    国民なんて本当に馬鹿だから補足なんて気付かないわよ!

    消費税の増税は私たち大蔵族の悲願だったものね・・・

    大統領も、野党の党首も、大蔵族の今やらなくていつやるのよ・・ねぇ~!



    この間のテレビの質問会・・・

    野田ちゃんの困る事、一切言わずに一生懸命ヨイショしてあげたの・・わかってるぅ~?

    私、頑張ったんだから~

    そうそう、そのせいで・・私、また苛められそうなの~!

    お願い!9月の学級委員長選挙の前にクラス会解散して~~~!

    そしたら私・・・勝てそうなんだもん・・・

    私も○○国大統領・・1回やってみたいの~~~~!

    野田ちゃん、もう1年もやったからいいでしょ~~~!

    ネ!おねが~い!



    あなたの 谷〇禎一 より



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    欲求

     23, 2012 00:00

    四季の移り変わり。

    私は季節の変わり目になると、

    我慢出来なくなる。


    欲しくて欲しくて、他の事が、考えられない。


    そんな私に旦那様は、

    我慢しろと言う。

    結婚前は私がどんなに求めても、

    必ず応えてくれていたのに…。


    考えているだけで、一人でいってしまいそうになる。

    この間も、一人でいってしまい

    旦那様は、ひどく不機嫌になってしまった。

    どうすれば、この私の欲望を抑える事が出来るのでしょう。


    ああ、もう我慢出来ない。

    今晩旦那様におねだりしないと…。

    私の秘密のお部屋にたくさん入れて欲しい。


    「旦那様!お願いします。私をいかせて!」


    「どうしても、いきたいのか?我慢出来ないのか?」


    「我慢出来ない。おかしくなっちゃう!」


    「仕方ないなぁ~。わかったよ。

    ただし、いくときは、俺も一緒にいくぞ。

    一人で勝手にいったら承知しないからな。」


    「はい。ありがとう。」


    私は、欲望と期待で体中からフェロモンが溢れ出るのを感じた。




    始まった。

    この時をどれほど待ちわびた事か…。


    「あ、旦那様。それはダメ。」


    「そうか…。」


    「私に任せて、旦那様はじっとしてて…。」

    「わかったよ。お前が好きな様にすればいい。」


    「ありがとう。旦那様、あ い し て る んふ…。」


    私は溢れ出る欲望を思う存分解放した。


    「あっ、それ、いい。」


    「それ、頂戴…。欲しいの、それがいいの。」


    「ああ、もっと、もっと、欲しい。」


    「あれも、これも、全部ほしい!」


    「おい。いい加減にしておけ。」


    「でも…。」


    「もう、そこまでだ。帰るぞ。」


    「わかったわ…。」



    【グランバザール】



    私の欲望は満たされた。



    お買い物大好き!




    おしまい



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    陽炎の辻 勝手に完結篇

     22, 2012 07:00

    「居眠り磐音 江戸双紙」は、春風のように穏やかで思いやりの深い青年武士、坂崎磐音(いわね)を主人公とする書き下ろし長編時代小説である。江戸下町の人々との心あたたまる交流、居眠り猫が突然目覚めたかのごとく鮮やかに悪を斬り捨てる磐音の剣さばき、胸をしめつける男女の心の機微――まさに“剣あり、恋あり、涙あり”の痛快な物語は、長編小説を読む喜びを満喫させてくれる。
    九州・豊後関前藩(架空)の中老・坂崎正睦の長子だが、現在は江戸深川の金兵衛長屋に住む浪人。以前は幼なじみの河出慎之輔、小林琴平とともに佐々木玲圓の剣術道場で修行し、3人で藩政改革を志していたが、自身の許嫁の兄・琴平を討ち取ることになってしまい、関前藩を出奔し浪人として江戸に戻ってきた。剣の腕前は確かで、剣を構えた様から「居眠り剣法」と呼ばれている。



    人呼んで 居眠り磐音 は、江戸にて剣豪の名を欲しいままにしていた。


    その名の由来は、剣を交える相手と対峙する時、一瞬目を閉じる事にある。


    今日もまた、ひとりの悪者剣術使いと対峙していた。



    (チャラ、ランララ・・・チャラ~)クライマックス!(*´∀`*)



    ここで、磐音が目を閉じる・・・そして・・・(キラ~ン・・・)磐音が刀のツカを返せば・・




    ヒュウ~!((;゚Д゚)!えっ?)


    グサッ!((;゚Д゚)!えっ?)





    「ぐぅ~~~わぁ~~~!」



    (えっ?)



    「け、剣を・・・・な・・投げる・・・とは・・・卑怯・・な・・り・・・」



    「ふん!決闘の最中に目を瞑る方がアホなんじゃ!」



    「クッ・・・・無念・・・・」







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    帰って来たヨッパライ

     21, 2012 19:00


    (原曲 フォーク クルセイダーズ)

    【切に願う 詞を書き直せ!!】



    オラは死んじまっただ~。

    オラは死んじまっただ~。

    オラは死んじまっただ~。

    天国に行っただ~。

    長い階段を…

    雲の階段を…

    オラは登っただ~。

    ふら、ふらぁと~

    オラはヨタヨタと

    登り続けただ~

    やっと天国の門に着いただ~。


    天国よいとこ一度はおいで、酒は美味いし、姉ちゃんは綺麗だ ワー ワー ワッ ワー。


    オラが死んだのは

    ヨッパライ運転で

    【うぃーん…うあー】

    オラは死んじまっただ~。

    オラは死んじまっただ~。

    天国に行っただ~。

    だけど天国にゃ~

    恐い神様が、酒を取り上げて、

    いつも怒鳴るんだ~


    「なぁ、お前、天国と云うとこは、そんなに甘いもんやおまへんのや~ もっとマジメにやれ~!」


    天国よいとこ一度はおいで、酒は美味いし、姉ちゃんは綺麗だ。

    毎日、酒を…

    オラは飲み続け

    神様の事を

    オラは忘れただ~。


    「なぁ、お前、まだそんな事バッカリやってんでっか~ ほなら、出て行け~!」


    そんな訳で

    オラは追い出され

    雲の階段を

    降りて行っただ~

    長い階段を

    オラは降りただ~

    ちょっと踏み外して


    【ヒュー!ポコン】


    オラが目が覚めた

    畑のド真ん中

    オラは生き返っただ~。

    オラは生き返っただ~。

















    【★☆☆★だな!危険運転致死(殺人)容疑で逮捕する。】




    ふん!!


    天国になんか、行かせるか。


    酒飲んで車で人殺す奴らには…

    死刑台がお似合いだ!






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    埼京線

     21, 2012 07:00
    別名、痴漢電車。


    まるで、ピンク映画のタイトルだが実際に存在する。


    警察やJRも対策を講じているが、万全とは言い難い。


    毎年、いや…毎月のように社会的地位のある馬鹿どもが摘発され恥じを晒している。


    大体電車での痴漢行為は、欧米ではあまり…殆どないと聞く。

    日本特有の恥知らずな犯罪だ。

    そういう趣味は、きちんとお金を払ってそういうお店で楽しめばいいだろうに…。

    人生を棒に振る愚かさが理解出来ない。




    その日、あや子は久し振りに健太と地元大宮で会う約束をしていた。

    健太とあや子はあや子の父の会社で働いていた。

    健太は営業、あや子は父の秘書をしている。

    健太の仕事が忙しく今日は約2週間振りの夜のデートだ。

    会社では毎日顔を合わせていたが、ランチデートと本当のデートは別物。

    心が躍っていた。

    退社する時健太を探したが先にでたらしくもう姿が見えなかった。

    あや子は少し急いて、いつもは使わない埼京線を利用する事にした。

    少しでも早く健太と会いたい思いからだ。

    相変わらずこの線は混むなぁ~と思っていた時、あや子は背後に違和感を感じた。

    最初は、気のせいかも…と、思ったが池袋を過ぎた辺りで確信した。



    痴漢だ。



    あや子は何故だか痴漢に遭いやすい。

    決して派手な格好をしている訳ではない。

    それでも何故だか痴漢のターゲットにされてしまう。

    何度痴漢に遭っても、あや子は声を上げる事が出来なかった。

    今日も声が出ない。



    助けて!

    誰か助けて下さい!



    身を捩りながら移動しようとしたが、混み過ぎて身動きがとれない。

    その間にも痴漢の手はあや子を弄り続けていた。

    あや子が声を出せない事が解ると、痴漢の行為はエスカレートした。

    スカートの中に入り…

    ついには下着に手を入れてきた。



    嫌だ!

    誰か助けて、怖い!



    思いと裏腹に痴漢の行為にあや子の体は反応し始めていた。

    痴漢があや子の体を知り尽くしたように、あや子の敏感な部分を1ヶ所づつ責めてきたのだ。



    嫌だ!嫌なのに、私は…



    あや子は痴漢行為とそして自分の体の異変、両方に動揺した。



    私はどうしたの?

    有り得ない!

    痴漢に触られて感じるなんて…




    あや子は自分でもハッキリ解るほど濡れていた。




    あや子自身に感じられる程なのだから、痴漢にはもっとハッキリと解った様子だった。


    もう、全く躊躇しなくなった。


    痴漢はその激しさをまし、遂には指をあや子の一番感じる粒に走らせた。

    粒を覆い隠していた殻を器用に2本の指で剥がすと、

    あや子自身から溢れた蜜で濡らしたもう1本の指で愛撫し始めた。

    あや子は強烈な恐怖と恥ずかしさで硬直して、なすがまま、されるがまま身動きできない。


    遂に、痴漢の指はあや子の蜜壺へとたどり着いた。

    あや子の気持ちと裏腹な体は蜜を溢れ出し続けていた。



    あや子は絶望した。




    「痴漢は止めなさい」



    突然後ろから女性の声が響きわたった。



    「警察です。


    アナタの行為は私が現認しました。

    逮捕します!」




    痴漢の手は、あや子の下着から一気に引き抜かれ女性警察官に掴まれていた。


    あや子は安堵とそれまでの恐怖でその場に座り込んだ。



    上の方で声がしている。



    「待ってくれ!

    私は違うんだ!

    痴漢じゃない!

    なあ!

    違うと言ってくれ!」





    ふざけないで!

    痴漢じゃなければ、何だっていうのよ!




    そう思い、あや子が顔を上げる。


    あや子の目に映った痴漢の顔は…



















    「お父さん…。」









    ふん!

    例え相手が娘だろうと痴漢は痴漢…

    む、娘~!!!!!!!!


    絶対!牢屋に入りましょう!…お父さん!・・・


    閑話休題



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    ある日常

     20, 2012 19:00

    (会いたかった~♫)


    「あなた、そんなにAKBが好きなの?」


    「悪いか!」


    「どこがいいのよ!」


    「なんだよ、いきなり」


    「いきなりじゃないわよ。
    ず~とじゃない!」


    「何をいいたいんだ」


    「誰が好きなのよ!」


    「誰って…。佐江ちゃんかなぁ~。」


    「なによ!あんなブス!」


    「ブスだと~!
    お前より何億倍も綺麗だぞ!」


    「酷い!
    私の事可愛いって言ったくせに~!」


    「あ、おい…。
    泣く事ぁないじゃないか!」


    「だって、私の事、もう好きじゃないんでしょう?」


    「な、何でそうなるんだ。
    そんな事一言も言ってないだろう!」


    「だって、佐江ちゃんが好きだって言ったじゃない!」


    「バカバカしい!
    アイドルじゃないか!
    佐江ちゃんと付き合えるわけじゃあるまいし。」


    「付き合えるなら、私を捨てるのね~!」


    「がぁ~!!いい加減にしろ!」


    「そんな馬鹿な事言う前にお前がもっと女らしくしろ!」


    「何よ!あなただって、男らしくしなさいよ!
    ほら、今だって内股になってるわよ!」


    「な、何ィ!
    お前だって喚きながら股開いてんじゃあないよ!」


    「な、何よ~!!
    あんたなんか、
    ち〇ち〇も付いてないくせに~!!」


    「う、うるせー!
    去勢した奴に言われたくね~よ!」



    【おなべ】



    【ニューハーフ】


    バカップルの痴話ゲンカは、


    犬だけじゃなく猫だって食わない!


    【ニャオーン】





    お後が宜しいようで…
    よくない?

    それは、私の知った事ではありません。
    (*^o^*)

    コリャまた失敬!
    m(_ _)m



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    時の片~かけら  8

     20, 2012 07:00

    眼鏡橋の欄干に寄りかかったまま、私は途方に暮れた。


    「困ったわね!名前もわからないんじゃ…。兎に角、その濡れた服どうにかしなくちゃね」


    女の人は震える私を抱きかかえるように優しく立たせた。


    「幸治くん、先にお家に帰ってタオルなんか用意して頂戴。」


    「うん。わかった」


    今迄女の人の後ろに隠れるようにしていた男の子が、元気に答えてそのまま駆け出した。


    「さあ、取り敢えずうちにいらっしゃい。そのあと、よく考えてみましょ。ね!」


    「あ、…はい。」


    私は言われる儘、女の人について歩き始めた。


    「ああそうだ、私は榊 潤子。さっきの子は息子の幸治。よろしくね…。」


    まるで知り合いの娘にでも接する優しさに少し戸惑ったが、今は本当にありがたかった。

    何より心細かったのだ。


    「ありがとうございます。」


    私の言葉に潤子さんは微笑み、そっと手を引いてまた歩き始めた。

    浜の町商店街のアーケードを抜け左へ進む。

    大きめの正覚寺という寺を過ぎた所に潤子さんの家はあった。


    「ただいま。… さあ入って。」


    言われる儘に中へ入った。


    「まずは、シャワーでも浴びてらっしゃい。そのままじゃ風邪ひいちゃうわ。」


    「幸治くん、お姉さんをお風呂場に連れて行ってあげて。」


    「は~い。」


    「お姉さん、こっち。」


    「あ、うん。ありがとう。」



    早苗と幸治の運命の出逢いだった。

    シャワーを浴び用意されていた服に着替えて居間に戻ると、夕食の支度がしてあった。


    「どう?少しは落ち着いたかしら?」


    「あ、はい…」


    「お母さん、お腹すいたよー。」


    「そうね。いただきましょ。お嬢さんも、話しはあとにして召し上がれ!」


    「ありがとう…。いただきます。」


    「いただきま~す。」


    幸治君の元気な声が食卓に響いた。

    見ず知らずの自分に、どうしてこんなに温かく接してくれるのか?

    涙が思わず溢れた。


    「お姉さん、どうしたの?どっか痛いの?」


    「ううん…。大丈夫、ありがたくて…」


    幸治君の頭をそっと撫でながら答えた。

    食事のあとデザートにとケーキをいただいた。

    今日は幸治君の誕生日だったらしい。


    「お昼の残りで悪いけど、食べて。」


    後片付けがおわり潤子さんがテーブルに戻る。


    「幸治、もう寝なさい。」


    「えー、まだ早いよ~!」


    「いいから、お部屋に行きなさい。お母さんはお姉さんと話しがあるの。」


    「はぁーい。おやすみなさい…。」


    少し不服そうな声に思わず笑みがこぼれた。

    かわいい。素直にそう思った。


    「さて、何からお話すればいいかしらねぇ…。」


    「はい…。」


    「なんにも覚えてない?」


    答えられない。

    教えて欲しい。


    「あの…。ここはどこですか?」


    「そう…、なんにも覚えてないのね。…ここは、長崎。さっき通って来たアーケードは浜の町商店街って云うの。」


    全く覚えがない。


    今更ながら、体の奥底から恐怖が襲う。

    震えが止まらなくなった。



    続く



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    Everyday,カチュ―シャ

     19, 2012 19:00

    初夏の日差しが教室の窓をキラキラ輝かせている。

    衣替えも終わり、夏が近い事を学生達の服装が知らせていた。

    眩しそうに目を細めながら、その少女は一人の男子生徒を見つめている。

    少女と彼は入学以来同じクラスであった。
    季節は巡り、3度目の夏が訪れようとしていたが少女と彼はクラスメイト、友達の域を超える事はなかった。

    少女は入学以来、彼に想いを寄せていたが、彼にそれを伝える勇気がなく、また彼もそんな少女の心内を知ってか知らずかいつも素っ気ない態度を取り続けた。


    チャイムが休憩時間の終了を知らせた。

    次の授業は音楽。

    生徒達はそれぞれ友人と連れ立って音楽室へと移動を始めた。

    少女も仲の良い友人と軽口を叩きながら移動していた。

    その時急に後ろから声が掛けられた。


    「柏木!お前今日のテスト、何歌うんだ?」


    少女は突然彼から話し掛けられ驚いたが、驚き以上の嬉しさで舞い上がってしまい何を答えたのかさえ覚えがなかった。

    ぼーっとしている少女に彼は追い討ちを掛けた。


    「オレ、everyday、カチューシャ 歌うんだ!」


    弾ける笑顔で彼がその後続けた話しは少女の耳には届いていなかった。

    カチューシャ…入学以来少女のトレードマークだ。

    少女は喜びで溢れそうになる涙を必死にこらえて音楽室へ入った。

    授業が始まり、声楽のテストが順調に進んでいよいよ彼の順番となった。

    彼が曲名を告げると教室内がざわめいた。

    クラスメイトみんなが、カチューシャが少女のトレードマークである事を承知していたから。


    「♪…こんな想って…もっと好きになるよ~…綺麗になった今日…好きだ…好きだ…好きだ…♪」


    教室内は冷やかしの嵐となり、少女は喜びと恥ずかしさで顔を上げる事が出来なかった。

    彼の歌が終わり、教室内の拍手と歓声が最高潮に達した時、音楽教師が彼に言った。


    「静かに~!はい!お終い!秋元君…。まあ、歌自体は良く出来ました…でも、授業中に告白はいただけないなぁ…。そこ、減点します。」


    え~!
    ひどい~!
    かわいそー!


    クラス中から、非難の声が挙がるなか彼が呆然と答えた。


    「告白って…何の事ですか~?」


    教室中が静まり返った。


    そう…。
    彼はタダのAKBファンだったのだ。


    哀れ少女…。



    閑話休題



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    Heaven  2

     19, 2012 07:00

    美味いメシだ。こんな美味いもん喰った事がない。

    いい酒だ。

    ほろ酔い加減になったところで、次は勿論女だ。

    おお!!こりゃあ、とびっきりの上玉だぜ!

    躰中が、手に吸い尽く柔肌だぜ。こんな女お目にかかった事がなかったぜ。

    最高だぜ!アッハハハ!



    【それから、俺は毎日やりたい放題の日々を送った。

    しかし、1ヶ月が過ぎ3ヶ月が過ぎ半年が過ぎると、流石にウンザリして来た。

    あれほど美味ったメシも飽きた。

    酒は飲んでも飲んでもグラスから減る事はない。

    女は、次から次へと俺の体を貪る。まるで俺の方が、抱かれている気分だ。】

    おーい、爺!聞こえるか?ちょっと出て来い。


    「ふぉっふぉっふぉっ… 何か用か?」


    「ああ、そうだ!爺、流石にウンザリして来たんだ。ちょっと一人にさせてくれ。」


    「ふぉっふぉっふぉっ…ふぉっふぉっふぉっ… 何を抜かしておるのじゃ、このタワケが!! 貴様に自由などありゃあせん。貴様は、永遠に目の前の糞と小便を飲み食いし続けて、鬼から犯され続けるのじゃ。ふぉっふぉっふぉっ…」



    ★!!★!!★!!



    「な、な、何?」

    【目の前の豪勢な食事は糞に、酒のグラスは、尿瓶に、女はおぞましい鬼に変わっていた。】


    「ウワッ!!」


    「ふぉっふぉっふぉっ… やっと現実が見えた様じゃの。ふぉっふぉっふぉっ… 此処が何処か、気にしておったのう。教えてくれるわい。此処は地獄の三丁目じゃ!!」

    爺の姿が閻魔に変わった。


    「グオー!」


    鬼が襲って来た。


    「ウワッ!!うぁぁぁ…」


    俺の断末魔が、地獄に響いた。



    休題



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    Heaven  1

     19, 2012 00:00

    夜の街に繰り出し、一杯ひっかけた。

    いい気分でぶらぶら歩いていると、いきなり後ろから女の声がした。


    「死ね」


    ドン!

    女が俺にぶつかってきた。

    その瞬間激痛が体を駆け巡った。

    刺されたのだ。


    「誰だ?クソ!…」


    気が遠くなりかかっていた。どうやら、刺され所が悪かっ様だ。

    気を失う寸前に、女の顔が目に映った。

    ああ、あの女か!

    確か昔、恋人といるところを、仲間三人で拉致って廻した女だった。

    思えば、ロクデナシの人生だった。

    有りとあらゆる悪事が俺の人生の全てだ。

    悪い事は何でもやった。楽しくて仕様がなかった。

    薬は飴玉の代わりで、女はただの人形だ。

    ヤリタイ女は、さっさと犯した。

    嫌いなヤツは殺した。

    まあ、今死んだ所で後悔はない。

    行き先は、どうせ地獄だろう。




    【ブラックアウト】




    いきなり目が覚めた。

    だだっ広い部屋のド真ん中のソファーに座っていた。

    目の前のテーブルには、あらゆる料理が並んでいる。

    両隣には、絶品の女。

    此処は何処だ?

    …どういうことだ?俺は死んだんじゃ無いのか?

    頭の中を、?がぐるぐる駆け巡った。


    「ふぉっふぉっふぉっ…」


    突然、目の前に白髪の爺様が現れた。


    「ふぉっふぉっふぉっ… 頭は、悪くなさそうじゃの!その通り。貴様は、死んだのじゃ。」

    何だこの爺!

    ん?

    どうして、俺の考えている事が解りやがるんだ?


    「ふぉっふぉっふぉっ… 此処はあの世じゃ。言葉なぞいらぬ。どうじゃ、ワシじゃとて喋っておるわけじゃなかろう!」

    確かにそうだ。爺はニヤニヤ笑っているだけだ。

    だとしたら、此処は何処なんだ。

    俺の行き先は、地獄以外に考えられないだが…。


    「ふぉっふぉっふぉっ… 貴様でも、行き先が気になるのか?何処でも良かろう!今、此処におる事が替えられる訳でもないしの!」


    まあそうだな。此処が何処だろうとかまやしねえや!


    「ふぉっふぉっふぉっ… そうじゃそうじゃ、さ、好きにするがよい。」


    最後の言葉が終わらない内に、爺の姿が消え失せた。


    「あっ!おいっ爺!何処行きやがった。」


    ふぉっふぉっふぉっ…用がある時は呼べ。ふぉっふぉっ…

    頭の中で声が響いた。


    「ハハハ、 ハハハ、アッハハハ!こりゃあいいや!アッハハハ!神さん、俺の行き先、間違えたんだな!アッハハハ!だったら好きにさせてもらうぜ!」





    つづく



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    時の片~かけら  7

     18, 2012 19:00
    2002年7月30日




    あの頃の記憶が今までハッキリしなかった。

    今の今まで。

    この手の中から彼女が消え去ろうとしているこの瞬間、僕はハッキリと思い出した。


    「行かないでくれ。」


    「ごめんね…、幸治くん。私やっぱり…」


    言い終わらないうちに、その姿は消え去った。







    あの日は、暑い一日だった。

    1992年7月23日

    その日は僕の10歳の誕生日だった。






    【ずぶ濡れ!。】


    【なぜ?】


    【ここは、どこ?】


    【何にも思い出せない。】


    【えっ?私…、私…、名前が分からない。】


    【怖い…。】


    【どうしよう…。どうしよう。】


    【助けて…!誰か…。】



    「どうしたの?」


    知らない女の人…。


    「大丈夫?何処か怪我してる?」


    私は自分の体を触ってみた。

    幸い何処にも怪我はないようだ。


    「いえ…。」


    消え入りそうな声で辛うじて答えた。


    「そんなに濡れちゃって一体どうしだの?。」


    自分にもわからない質問には答えようがない。


    「あの、ここはどこですか?」


    「えっ…!」


    女の人の顔色が変わるのがわかった。


    「あなた、ここがどこかわからないの?…お名前は?」


    【わからない。】


    「… わかりません…」


    思わず涙が溢れた。


    「何もわからない…。」



    【私は誰?。ここはどこ?。】


    つづく




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    時の片~かけら  6

     18, 2012 07:00

    5月25日



    「オハヨーございます!」


    秋元記者が元気な声をかけて来た。


    「ぁ…、お早うございます。」


    新司は多少人見知りのところがあった。

    逆に秋元記者の方は、賑やかなタイプで誰とでもすぐに打ち解ける事が出来た。


    「はじめまして。って事で、面倒な挨拶は抜きにしましょう。… 秋元です。」


    新司は出された手を握りながら応えた。


    「初めまして、榊です。よろしくお願いします。… まずは、どちらに向かわれますか?」


    「取り敢えず、(観測)定点まで行って貰えますか?その後の事は、後でって事で…ハハ…。」


    【気さくな人だな‥楽しい仕事になりそうだ。】


    新司は、笑顔で軽く頷いた。


    その日は定点での撮影を終えた後、雲仙の簡単なレクチャーをしたが、大体の事は秋元記者が自分で調査済みで敢えてレクチャーする必要はなかった様だ。

    夕刻に地元気象台で会見があると云う事で、其処まで送り届けその日の案内は終わりになった。

    その日の会見は後日重大な意味を含んでいた事が明らかになるが、その日はただの事実関係説明会と認識されるに留まった。

    誰もが戦慄に震えるその日まで、あと一週間を残すのみ。



    運命の6月3日



    「いってらっしゃい!」


    潤子に見送られて新司は軽く手を振る。

    朝から何やら不思議な感覚が新司を襲う。


    【これで、見納めか?】


    ここ数日来浮かぶ不吉極まりない考えを、被りを振って追い払う。

    そもそもこの嫌な感覚は、先日の大火砕流の発生から始まった。


    26日、29日と立て続けに大きな火砕流がおきたが、新司たちはいずれもその場に居合わせた。

    26日には、負傷者も出ている。

    新司たちは何とか難を逃れたものの、生きた心地がしなかった。



    次の日から昨日まで雲仙岳は沈黙を守った。


    「榊さん、もし怖い様なら、此処に落として貰って、…夕方にでも又拾いに来てくれれば、いいですよ。」


    秋元記者はそう言うが、さすがに中腹の定点に、一人残して帰る訳にはいかない。


    「いえ…、お付き合いしますよ。ただ、すぐ逃げられる様に、車から離れないで下さいね。」


    「解りました。」


    しかし、その日も雲仙は沈黙を続けた。

    新司たちが引き揚げ様としたその瞬間まで。



    16時過ぎ、山頂を 隠す雲間に灰色の煙りがあがる。


    火砕流が発生したのだ。


    然も、その日の粉塵は明らかに規模が違っている。



    「あっ、秋元さん!急いで乗って下さい!」


    新司は絶叫に近い呼び声をあげた。

    秋元が車に戻った瞬間、新司は車を出した。

    しかし、その行く手を火砕流の海が阻む。


    新司と秋元は、絶望した。





    1991年6月3日 16時過ぎ、雲仙岳から発生した火砕流に呑み込まれ43名が犠牲になった。


    報道記者、カメラマン、タクシー運転手、消防団員など…。


    全身に火傷を負い、よろめきながら歩いて逃げてくる人たち。

    その映像が、ほぼオンタイムでニュースで流れた。

    誰もが戦慄に震える正視するに耐えない悲惨な映像だった。



    火砕流の恐怖を、日本国民全てに知らしめた。

    代償は、43名の命。


    運命の日は、夕暮れの闇に沈む。





    潤子は夫を、幸治は父を失った。



    続く



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    都市伝説 口裂け女

     18, 2012 00:00



    桜田ななみがこの街に越して来て、暫くが過ぎた。

    この街には、元祖都市伝説とも言うべき口裂け女が出没するといわれている。

    日々の仕事に追われて、ななみはその事を忘れていた。

    思いがけない残業を上司に頼まれ、その日は帰宅が深夜の1時を過ぎていた。

    いつものコンビニに寄って夜食を買い、ななみは家路に着いていた。

    折り悪く雨が降り始め、雨よけに街路樹を利用しようといつもは通らない公園を

    ななみは足早に歩いていた。

    ほの暗い公園の遊歩道の脇にレインコートの女性を見かけたのは、あと少しで

    公園を抜けようとしていた時だった。

    さすがに気味が悪く足早に通り過ぎようとした、まさにその時・・・・


    「こんばんは・・・・」


    レインコートの女性が声を掛けてきた。

    ななみは後ろを振り返る勇気がなかった。

    しかしながら、そのまま立ち去る事も出来ずその場に立ちすくんでしまった。


    「こんばんは・・・・」


    再びレインコートの女性が声をかける。


    「こんばんは・・・・」


    立ちすくんだままななみは応えた。


    「ななみさん・・・・」


    ・・・・・何故!私の名前を知っているの!・・・・

    ななみは恐怖に身が竦み声がでなかった。


    「ななみさん。傘貸しましょうか?」


    その言葉に、思わず振り返って女性を見たななみは口裂け女の都市伝説を

    瞬時に思い出すことになった。


    「ぎゃーーーーーーーーーーーーー!」


    声にならない叫び声をあげた。


























    「こんばんは。ぬれちゃうわよ・・・」


    笑い掛けていたのは、お隣の岸田今日子さんだった。



    閑話休題




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    時の片~かけら  5

     17, 2012 19:00

    5月26日


    その日。

    午前。


    大きな火砕流が、連続して発生した。

    作業員ニ名がこれに巻き込まれ、腕に火傷を負った。

    この事の認識に学者たちと一般の人々では、格段の差があった。

    学者たちは火傷を負ったのは、死の一歩手前であると考えた。


    死んだも同然。


    住民、マスコミ、他関係者への警鐘になるであろう。


    だが、人々の認識は全く逆だった。



    火傷程度で済むのなら、火砕流とは大した事はない…と。

    この認識のズレが、重大な、そして悲惨な結果を招いた。


    29日にも、大きな火砕流が発生したが、被害者は出なかった。

    この事が、マスコミの無謀な報道合戦に拍車を掛けた。

    日本中のマスコミが雲仙岳へ押し寄せ、中腹の定点に危険を省みず殺到した。

    学者たちは自殺行為だと指摘したが、最早聞く耳を持つ者は居なかった。



    熔岩ドームの成長は速度を増し、それに伴い火砕流の高温化は確実に進んでいた。

    しかしその日以降、梅雨のはしりの時期に入った為、雨が続き雲仙岳の山頂はその姿を厚い雲に隠した。

    そしてそのまま何事もなく日々は過ぎていった。

    運命の6月3日まで。




    火砕流が発生した前前日の5月24日。


    午後になって新司は専務に呼ばれた。


    「榊さん。悪いが、ちょっと頼まれてくれないか?」


    「はあ…?どういう事です?」


    「ああ、毎日新聞の記者さんが、運転だけじゃなく雲仙自体に詳しい人を頼むって言うんだ!」


    専務は、申し訳なさそうに続けた。


    「で、何だが…。運転手でない榊さんには、申し訳ないんだけど・・・雲仙の事にかけてうちで一番の人って云うと榊さんしかいないんで…、一つ頼まれてくれないか?」


    「はあ…、まあ、構いませんが、私は何をすればいいんですか?」


    「あ、いや、特別な事は、何もする必要はないんだ。ただ、記者さんの案内と、雲仙について少しレクチャーしてくれればそれでいいんだ。」


    「はあ…、まあ、大した事は出来ませんが、私で出来る事なら…。」


    「そうか、頼めるかい?!それは、助かるよ。ちょっと、銀行さんの口利きなもんで断れなくて困ってたんだ。いや、本当に有り難い!」


    この、一見大した事のない頼まれ事が、新司の運命を決めた。


    「専務、それで何時から乗務に附けばいいんですか?」


    「ああ、今日はもういいそうだ。明日の朝一で頼むという事だった。宜しく頼むよ。」


    「分かりました。じゃ、明日朝一番と云う事で…。それじゃ、失礼します。」


    「ああ、ご苦労様。」


    新司は重役室を後にして、その足で配車センターの車庫へと向かった。



    続く




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