スポンサーサイト

     --, -- --:--
    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。

    地上の星

     30, 2014 07:00



    西暦2105年、中華連邦日本自治区の 大和 魂 博士と中華連邦属領朝鮮の 反 日妥 博士が共同開発したタキオン粒子エンジンの開発により、アインシュタインの相対性理論は物理の法則から屠られた。


    これにより人類は恒星間航行が可能になり地球を飛び出し銀河を探索するに至った。


    しかし、このタキオン粒子エンジンは光速の2倍ほどの速度しか出せなかった為に、その行動範囲は天の川銀河を出るには至らなかった。


    それからの300年間を人類は天の川銀河の探索、開発、移住に費やした。


    そののち西暦2455年(宇宙暦350年)、天の川銀河第156恒星系地球型植民惑星 ケロンパ の  Dr.UTUMI により暗黒物質(ダークマター)エンジンが開発され、人類は遂に天の川銀河の犬の散歩から広大な第三次元宇宙航海へと行動範囲を拡げるに至った。


    このダークマターエンジンは光速のほぼ1億倍と云う速度を可能にするもので、宇宙の最果てまで約145年で到達出来る計算になる。


    但し、まだ課題は残っていた。


    その航行の途中にある宇宙の塵や埃、彗星・・等などをどうやって避けるか、すべての物理学者達はその解決策を追い求め、その後の200年を費やした。


    宇宙暦555年、遂にその難題を解決する船体の材質が開発された。


    それは反重力セラミックと云う鋼材であった。


    従来の考え方を180度反転させこちらが避けるのでなく相手を弾き飛ばしてしまおうと云う逆転の発想から生まれた。


    ダークマターエンジンからエネルギーをこの反重力セラミックに流すとその周りにある物質の重力と同等の反重力が生まれ、また、宇宙船の速度が上がるに比例してその反重力も増大した。


    その為計算上では、最大速度で航行した場合どのような巨大な恒星だろうとその軌道を変える事になり決して衝突事故が起きることはない。


    宇宙暦556年、人類は宇宙の最果てへの恒星間航行へと出発する事になった。


    145年の航海となると世代交代が必要と思われがちだが、ここには相対性理論が生きていて光速より早い航行は船体内部の時間の遅延を招き、船体内部では実際の時間経過はほぼ1/100になる計算になる。


    つまり宇宙船内部は約1年半しか時間が経過しないのである。


    但し、帰ってきた時には今いるクルーの家族は(普通に時間が経過するので)皆、故人となっている。


    出発時にクルーと家族、及び人類すべての人々はクルーに永遠の別れの挨拶を交わした。


    さて、宇宙暦556年12月25日、遂に出発の時を迎える。

    銀河のあちこちでクルーの安全を願いながら全人類が見守る中、銀河最果て探索船 GOODBYE は出発した。


    徐々にスピードを上げる GOODBYE ・・・・


    そして天の川銀河の出口で最高速に到達した。


    船体の反重力も最大となった。


    その時、それは起こった・・・・・


    学者たちは間違ったのだ・・・・


    反重力は船体の進む航路だけに効くものでは無かった。


    船体の360度すべての方向に効くのであった・・・・


    見送っていた天の川銀河は全速力で宇宙の反対側へ吹っ飛んでいった。


    星々がぶつかり合い夜空に輝く花火となって・・・・


    残った人類はクルー15人のみ・・・・






    この宇宙船でどこまで行ってもそこは闇しか無い。



    ここが宇宙の最果てであった・・・・・




    閑話休題
    スポンサーサイト

    真夏の夜の夢

     29, 2014 07:00



    真っ暗な海の上を静かにボートを漕いでいた。


    新月なのか空には月もない。


    遠くに微かに見える星々に湖面が照らされ、漆黒の波間に僅かに煌めく灯り。


    そのボートの縁をいきなり真っ白な手が掴んで、湖面からずぶ濡れの白装束の女が姿を現した。


    「う、うわぁ~~!!!!」


    私は思わず悲鳴を上げた。




    ジリリリリリ~~~~~~・・・


    目覚まし時計のけたたましい音で、ハッと目を覚ました。


    パジャマ代わりのTシャツは汗びっしょりだった。


    「う・・・・酷い悪夢だった・・・」


    誰も居ない部屋にひとりごとが響いた。


    その響きが不自然で私は周りを見渡した。


    奥のテレビ台の上に50型ほどありそうなかなり大きなテレビ。


    四方の壁には窓がひとつもない。


    古びたカレンダーがひとつ。


    私が寝ていたベッドの正面にガラステーブル。


    その上には灰皿がひとつ。


    ・・・・ここはどこだ。


    全く見覚えがない。


    私はテレビが嫌いで部屋にテレビを置いたこともない。


    タバコの煙が嫌いで生まれてこの方タバコは一度も吸ったことがない。


    カレンダーの年号は1999年・・・20年以上前の暦・・・・


    「一体何がどうなっているんだ」



    また私のひとりごとが不自然に響いた。


    取り敢えず起き上がってテレビのスイッチを入れてみた。


    映しだされた画面にいきなり私の姿が・・・・



    「な、な、なんだ・・・これは・・・・」


    「昨日神宮橋の路上で殺害された川村ゆかりさんの事件に進展です。本日神宮橋署は住所不定無職の高橋洋一を重要参考人として全国に指名手配しました・・・」


    川村ゆかり??高橋洋一??


    どちらの名前も全く知らない。



    「一体何がどうなっているんだ!!!」




    ハッと目が覚めた。


    汗びっしょりで悪い夢を見ていたようだ。


    取り敢えずベッドから起き上がってテーブルの上のタバコに火を点ける。

    「ふぅ~・・・生き返った・・・。」


    うん?・・・ここはどこだ?・・・いや・・・それより、俺は誰だ?・・・・


    いきなり恐怖が身を包む。


    取り敢えず手元にあったリモコンでテレビをつけた。


    映しだされた画面にいきなり俺の写真が・・・


    「・・・・殺害されたのは会社員高橋洋一さん25歳で、駆けつけた警察官により殺人の現行犯で逮捕されたのは高橋さんの元交際相手の川村ゆかり容疑者22歳・・・・」


    「な、何を言ってるんだ。俺はここにいるぞ、それに・・・」


    高橋洋一も川村ゆかりも知らない・・・・


    何なんだ、一体何がどうなっているんだ!!!



    ハッと目を覚ました。


    「しかし・・嫌な夢だった・・・」


    汗びっしょりのTシャツに不快感を覚えながら起き上がり、目覚めのコーヒーを淹れて一服しているとチャイムが鳴った。


    「なんだよ、こんな朝早く・・・・」


    渋々玄関へ向かい、ドアを開ける。


    「はい、どちらさん?」


    ドアを開けたそこに居たのはさっきの夢の中で俺を殺した犯人の女・・・・




    ハッと目を覚ました。


    悪夢だ。


    何なんだ一体何がどうなっているんだ。


    周りを見渡すと部屋中真っ白・・・


    何もない空間だ。


    どうしてしまったんだ。


    どれが夢でどれが現実なんだ。


    「だ、誰か、助けてくれ~~~~~」


    不自然な声が部屋中に響いた。





    ピー、ピー・・・・・


    私は病室に寝ていた。いや、私の体は病室に寝ていた。


    私は寝ている私の体の上に浮かんでいた。


    「先生!高橋さん急変です!!」


    ベッドについてるインタホンに向かい看護師が医者を呼んでいた。


    しかし、その右手側には使用後の劇薬アンプルと注射器・・・・


    看護師が宙に浮いてる私に向かってニヤリと笑った。


    「えっ?私が見えるのか?」


    それには答えず看護師はニヤリと笑い続けていた。


    胸に付いてるネームプレートを見て私は絶望した。


    看護師 川村ゆかり





    閑話休題

    コワイ

     28, 2014 07:00










    コワイ、コワイ・・・・





    僕は饅頭がこわい♪



    あ、お茶もこわい♪



    かわいいおねーちゃんもこわい♪






    閑話休題

    六カ国協議

     27, 2014 07:00



    ある場所で或る日行われた6カ国協議。


    と、言っても北朝鮮の核問題で開かれる6各国協議とは全く関係がない。


    参加者は英、仏、独、日、中、韓、の6ヵ国。






    司会「え~・・・まあ、なんと言うか、ナスカの地上絵って凄いですよね」




    日「ええ、確かに。凄いですよね。なかなか日本人には出来ない事ですね・・(ホントは出来るけどね~♪)」



    独「う~む、我々もちゃんと研究すれば出来るはずです。」



    仏「いや、我々のほうがもっと凄いものが出来るはずです。エッヘン!」



    英「ふん!出来もしないことをすぐ調子に乗って・・・。我々のほうが仏よりもっと凄いものが出来るね!」



    韓「イヤイヤ・・・あれは我が国が発祥で〇〇という遺跡に同じものがあります。地上絵の起源は韓国です。」



    中「まあ・・・何にしても、あそこは我々の固有の領土なので、我が国のものです。」





    司会「・・・・・これにて散会・・・・」





    閑話休題

    薔薇は美しく散る

     26, 2014 07:00







    私は県内屈指の進学校で教師をしている。


    その教師の中でも1,2を争う優秀な教師だという評価を周りから貰っている。


    勿論、女生徒に手を出すなんて有り得ない。


    品行方正で生徒皆から慕われる立派な教師なのである。


    しかし・・・そんな私がよりによって自分の担当するクラスの生徒に恋をしてしまった。


    イヤイヤ・・・そこは勿論自制心できっちり、誰にもそんな事は気取らせない。


    しかし・・・・・




    その日は丁度当番で下校時間後の見回りで校内の教室を回っていた。


    あらかた回り終えて丁度自分のクラスに行き着いたところ・・・


    私が恋心を抱いている坂下望が教室の真ん中にポツンと立っていた。


    「おい、坂下。どうした、下校時間はとっくに過ぎてるぞ。早く帰れ。」


    「あ、先生・・・先生を待ってたの・・・」


    「あん?私をか?」


    「はい・・・先生にちょっと話があって・・・」


    「ん?・・・なんだ?・・・遠慮せずに言ってみろ。」


    「・・・・あの・・・・あのね・・・・」


    「なんだ・・・何か言いにくいことなのか?」


    「うん・・・・あのね・・・」


    「ああ・・・」


    「先生が・・・・先生が・・・・」


    言い終える前に望が私に思い切り抱きついて来た。


    「先生が好きなの~~~!!!」


    勿論私は望の体を離そうと肩を押したが、若さに勝てずそのままの姿勢で嗜める事になってしまった。


    「・・・おい、坂下、ダメだ、こんな事をしちゃ。・・・離れるんだ。」


    そう言いながらも私は心の奥でそのままでいることを望んでいた。


    「いや・・・だって、先生が好きなの。先生、私の事、嫌い?」


    「・・・いや、そんな事は無いが・・・君は私の生徒なんだ。だから・・・」


    私が言い終える前に望は私の唇に自らの唇を重ねた。


    「う・・・・だめるんば・・・さくあした・・・・」


    何とか引き離そうと望の肩を押したが、全力で私の首を抑えてる望の力に私は屈した。


    いや・・・本当は私の押す力は殆ど無いほど弱かった。


    されるがママになってるうちに、遂に私の自制心は崩壊してしまった。


    自分の恋焦がれる相手に口づけされているこの状況で自制心が働き続ける人間が果たしてどれくらいいるだろう。


    私も大多数の一人だった。


    思わず強く望を抱きしめ望の唇を激しく求めた。


    お互いの思いが交錯し互いを求め合った。


    その内私は望の体を上から下へと手のひらで愛撫していった。


    「あん・・・先生・・・ここじゃ、ヤダ・・・」


    はっと自分がいる場所を思い出した。


    「あ・・・すまん・・・」


    「ううん・・・違う・・・嫌じゃない・・・でも、ここは・・」


    「ああ・・・いや、それより・・・すまん・・つい・・・・」


    「ううん・・・わかってるから・・・・」


    「あ、あのな坂下・・・」


    「いいの、先生は何も言わなくて。わかってるから・・・・


    片思いじゃ無くて・・、嬉しい・・・・」


    赤らめた顔を恥ずかしそうに下へ向け俯いている望をそのまま押し倒してしまいたかった。


    何とか自らの欲望を抑えこんで帰りを促した。



    「坂下、帰ろう。」


    「うん・・・先生、一緒に帰ろ♡♡♡」


    「ああ・・・わかった。どこかで少し話をしようか。」


    「うん・・・いいよ。」



    少し後ろをついてくる望も私もなかなか口を開かなかった。


    その時望からメールが届いた。


    (なんか、恥ずかしいね♪・・・大好きだよ、せんせ♡♡♡)


    私も面と向かっては言えなかった気持ちをメールと云う気軽さもあってつい言ってしまった。

    (そうだね・・・私も望の事が好きだったよ。でも言えなかったんだ。)


    (うん・・・わかってる、今スッゴク幸せ♡)


    そんな甘いメールを何度もやりとりしているうちに坂の下にある歓楽街、ホテル街に差し掛かった。


    思わずふたりともメールのやり取りが止まった。


    ちょっと気まずい空気が漂ったがそこは何とか自制心を働かせて素知らぬふりでその通りを抜けようとしていた最後のホテルの入口の前で望が立ち止まって私の腕を取った。


    「・・・ちょ・・・いや、それはダメだ、それは・・・」


    言い澱む私の腕をまた力いっぱい引っ張って入り口に入ってしまった。


    その時稲光が空を走った様な気が・・、いや、私の自制心が雷に打たれて砕け散ったのかも知れない。


    入り口からは私の方が望を引っ張っていく形になった。


    部屋の前まで来た時、何とか自制心がもう一度顔を擡げてきた。


    「・・・やっぱり、いかん、これはいかん・・・」


    望の手を取り引き返そうとした時、望の唇が私の唇を再び塞いだ。


    折角戻ってきた自制心は木っ端微塵に砕け散った。


    乱暴にドアを開けて激しく求め合いながら部屋に入って行った。


    もつれ合いながらベッドに望を押し倒した時、望がいきなり私を押し退けた。


    「やだ、ダメ・・・・」


    私は突然の拒絶に戸惑った。


    「あ・・・いや・・すまん・・・いきなりだったね・・・」


    「先生、ちょっとお話しよう・・」


    「あ、ああ・・・そ、そうだな・・・」



    ベッドから立ち上がって中央のソファーに座った。


    「済まなかった。年甲斐も無く興奮してしまって・・・」


    無理やり押し倒してしまいたい欲望をなんとか押し殺して望に話しかけた。


    「そうね・・・あんまりスマートじゃ無いよね。」


    いきなり望の声のトーンが変わって私は面食らった。


    「あ・・・申し訳なかった・・・・」


    「まあ・・・いいけど・・・先生、・・・お金がいるの・・・」


    えっ?まさか・・・援交しようって事なのか?そんな・・・


    「あ・・・あの・・・坂下は私の事が好きなんじゃなかったのか?」


    「・・・・・好きだよ。」


    「じゃあ、なんで援交・・・」


    「違うよ、何勘違いしてんだよ。」


    口調だけでは無く、明らかに態度まで変わった望に私は呆然とした。


    「先生、さっきのメールのやり取り覚えてる?」


    「ああ・・・勿論だ。覚えてるとも。」


    「そう、じゃあ、話は早いね。相方がさ、カードで借金作っちゃってさ。金がいるんだ。」


    「えっ?相方?・・・・」


    「んっとに鈍いね~!脅してんだよ。メールも、このホテル入るときの写真もあるよ。」


    あ・・・あの稲光・・・フラッシュだったのか・・・


    「どうすんの?払うの?」


    「いくらだ・・・・」


    「まあ・・・そんなにエグいことは言わないからさ、借金の300万で手を打つよ」


    「えっ?さ、300万!!!そんな・・・」


    「なんだ、良いのか?メールも写真もばら撒くよ!!!いいの?担任が自分の生徒をホテルに連れ込んで。しかも男子生徒を!スキャンダルだよな~・・・ホモ教師!」


    そう、坂下望(さかした のぞむ)は男子生徒なのだ。・・・ホモで悪いか!!!


    「・・・じ、自分だって・・・・」


    「あ~~~んん!何だって~?・・・どうすんだ!払うのか!!!」


    「・・・は・・・・はい・・・払います・・・・・」





    閑話休題

    この愛に生きて

     25, 2014 07:00







    中村有里調査報告書



    平成元年7月24日生まれ。

    川端圭佑、和子夫婦の次女。

    平成10年父圭佑が経営する川端物産が経営破綻。家族で失踪(夜逃げ)

    平成17年5月父圭佑が交通事故で死亡。8月母和子が自殺。

    平成18年都立西麻布高校卒業。

    同年(株)へリエモン入社。

    平成19年中村咲蔵(なかむら さくら)と結婚。

    平成21年長女咲美(えみ)誕生。

    平成25年春、両親共に留守中に咲美が殺害される。



    娘に多額の保険金が掛かっていた為、保険金殺人の疑いで警察による捜査・マスコミによる報道が広く行われた。


    また、この多額の保険金を掛けた理由などは警察からの発表は無く、(当事者達も口を噤んだ為)それが報道の過熱に拍車を掛ける事となった。


    しかし入念な捜査及び執拗な報道によってもその犯罪は立証されず保険金は支払われた。


    その直後、夫、咲蔵は過剰な報道によるストレスからうつ病を発症し突発的に自殺。


    その夫にも多額の保険金が掛けられており、娘、夫二人を相次いで失った妻有里は期せずして保険金長者になってしまう。


    その後、有里は失踪し現在に至るまでその足取りは確認されていない。


    また警察は、未だ娘咲美を殺害した犯人の特定には至っていない。





    「以上がご依頼がありました中村有里さんの調査報告になります。結果的にご本人の中村有里さんの行方を掴む事が出来ず申し訳けございません。」


    「いえ、まさかあの子がこんな事になっていたなんて・・・生きていてさえいてくれればいいんですが・・・・ありがとうございました。」


    中村有里の叔母川端有子が私に深々と頭を下げた。


    報告書を抱えて帰って行く川端有子の後ろ姿に多少の後ろめたさは感じたが、確証が無い事柄を伝える事は出来なかった。


    私はその事柄が殆ど真実であろうと云う事を掴んでいたが、胸の奥にその真実を深く沈めた。


    その真実とは・・・・・






    中村有里の人生は平成10年に父の経営する会社が破綻したことで天国から地獄へと激変した。


    それまでは何不自由なく蝶よ花よと育てられていたが、その日を境に極貧の生活へと墜落してしまったのだ。


    荒んだ生活が有里の性格に影を落としたのは間違い無い。


    聞き取り調査でも小学生時代の有里は明るく活発で誰にでも好かれる正にお嬢様だった。


    しかし高校時代の有里の評判は芳しく無い。


    万引き、カツアゲ、窃盗で何度も補導歴があり、卒業も公立だからなんとかなった様なもので、私立高校であれば退学処分間違い無しと言えるほどの荒れ方だった。


    高校3年時にその有里に2度めの転機が来る。


    両親の相次ぐ死である。


    報告書では交通事故、自殺と記した(警察の検案でも事故、自殺であった)が、調査をすればするほどこの両親は有里に殺害されていたと確信した。


    まず、父の交通事故の加害者は有里の援交相手の40代の男だった。(警察はこの事実をキチンと捜査していなかった。)


    更に興味深い所は事故の2ヶ月前、父に簡易保険が掛けられていた事だ。(極貧生活を送っていたはずのこの家族にその掛け金が払うことがどれだけ大変な事か警察は気づかなかった。)


    多分この父の交通事故死による慰謝料や保険金を受け取った経験がその後の多額の保険金殺人につながったと推察される。


    恐ろしいことにその援交相手も1年後に自殺していた。(私はその死因を探る気が起きなかった)


    母の自殺は睡眠薬によるもので、実はこの睡眠薬は有里が処方された物だった。


    また周囲には母と有里の関係は良好だと有里と友人の話として伝わっていたが、実は父の死後、有里の家庭内暴力で母と有里の親子関係は崩壊していた。


    警察もその事は掴んでいたらしいが、その為に逆に母が追い詰められて自殺したものと判断してしまった様だ。


    この母にも簡易保険が掛けられていたのは言うまでも無い。


    この両親の死と保険金の受領で有里はそれまでの極貧生活から開放された。


    就職から結婚まで2年だがこの間での有里の評判も高校時代とは激変している。


    再び誰にでも優しい人柄の良いお嬢様人格になっているのだ。


    勤務先で有里が高校時代散々不良行為を行っていたことを知るものはいなかった。


    そして職場で知り合った中村咲蔵と交際1年弱で(周囲の祝福の中)結婚し、すぐに長女を授かる等、有里の人生で再びの幸せな時期を迎えた。


    しかしこの幸せは長くは続かなかった様だ。


    この夫は堅実な性格で(本当ならそれこそ幸せな事だが)有里の贅沢志向に度々干渉する様になった。


    有里にすれば自分の財産でなにをしようと文句を言われる筋合いじゃないと云う思いであったろう。


    そんな事が重なるうち夫婦仲も段々悪くなるのは必然と言えよう。


    そんな中、突然の不幸が夫婦を襲う。


    娘が殺害されてしまったのである。


    その上夫が知らない娘に掛かった多額の保険金が報道で明らかになる。


    世間ばかりか夫にまで疑われた有里の心情はいかばかりだったか・・・・

    と、言いたいところだが、有里がそのくらいで動揺する様な女じゃないのはこれまでの有里の人生を調査した私にははっきり解る。


    解らないのは何故標的が夫では無く娘だったのか?だ。


    いくら有里でも娘を愛していなかったわけではあるまい。


    それなのに何故夫では無く娘だったのか?(推察するに実行犯との新生活に向けて夫も娘も二人共邪魔だったのではあるまいか)


    その実行犯とは誰なのか?


    これまで有里は確実に殺害するため、そしてその秘密を完全に保持するために事故の共犯の援交相手を除くと(その共犯も殺害した?)全て自分自身で手を汚している。


    アッパレと云うほどその決断に躊躇が無いので、その犯人が誰なのか調査で全く浮かんで来ないことが不思議だ。(必ず有里の身近に犯人はいるはずなのだ)


    ・・・・と云う事が私の調査で判明したこの一連の事件の真実だ。



    さて、物騒な案件も片付いたので先月結婚したばかりの新妻が待つ我が家へ帰ろう。



    「ただいま~」



    「あら?早かったのね、お帰りなさーい。」



    「ああ、有里に早く会いたくてとっとと仕事片付けて来たよ。もう仕事なんかやめちゃおうかな~」



    「あら?ダメよ!!ちゃんと稼いで来ないと保険金かけちゃうわよ」







    閑話休題

    三茶狼のクリスマス

     24, 2014 07:00


    三茶狼の誕生日は  こちら

    続・三茶狼の誕生日は  こちら



    私はみんなから、三茶狼と呼ばれ恐れ…忌み嫌われている。

    こら!

    三茶楼ではない!

    中華屋じゃない!

    狼だ!お お か み と書くのだ!


    この道では、知る人ぞ知る偉大な…伝説的人物なのだ。



    しかし、そんな私も毎年誕生日が近くなると気が滅入る。

    どんなに人に恐れられ…私が歩くと川が割れたように人並みが一本の通り道を作る。

    私が睨むだけで、人々は縮み上がり、私が怒鳴ると人々は地べたにひれ伏してしまう。

    そんな私でも…

    いや、そんな私だからこそ、毎年の誕生日を傍で祝ってくれる人が誰ひとりいない。

    これは、結構キツいもんだ。



    ・・・・等と毎年誕生日に愚痴を言っていたら、ちょっとした商売仇を消した次の年からそいつの女から毎年ナイフでブスりと血染めのお祝いを貰うはめになってしまった。

    最初の年はまあ、俺も後ろめたい気持ちもあって警察沙汰にはせずそのまま放っておいたがさすがに2回目は(ちょっと重症で意識を失った事もあり)店の主人が警察に通報して、その女はお縄になってしまった。

    もっとも俺としては警察なんぞに関わる気は無かったのだが、行き掛かり上止むを得ずといった感じで事情聴取に応じたのだ。

    しかし、これがまずかった。

    叩けば埃が出る身の上としてはやはり警察沙汰は避けるべきだったのだ。

    事情聴取の途中から雲行きが怪しくなり、最終的にはこっちもお縄を頂戴するハメに陥ってしまった。

    警察署の廊下ですれ違った奥菜の女が俺を見て甲高い笑い声を上げるのを俺は苦々しく睨みつけるしか無かった。

    俺を刺した奥菜の女も、刺された俺も仲良くブタ箱で3年を過ごす羽目になった。


    3年ぶりに戻った三茶は殆ど変わりが無かった。

    相変わらず昼と夜では違う顔を見せる。

    勿論、俺の住む世界は夜の顔を見せた三茶だ。

    夕暮れを迎えた三茶の街を悠然と歩いた。

    そこ、ここから懐かしい奴らの挨拶が飛んでくる。

    しかし今日はいつもの三茶の夜では無かった。

    クソ忌々しいクリスマスだったのだ。

    街はカップルで溢れかえり道端でイチャつくばか者だらけだった。

    けったくそ悪い、3年振りでシャバに戻った俺を待っていた女は一人も居なかった。

    まあ、自業自得だと言われればぐうの音も出ないが、結構いい思いをしていた女どもが懲役をくらった途端に蜘蛛の子を散らすようにこの三茶から姿を消して誰も居ないとは・・・・

    まあ、そんなこんなで侘びしく一人で一通り街を歩いて最後は行きつけのバーに立ち寄るしかなかった。




    (チャリン…バタン)


    「おー!久しぶりですね~ダンナ!」


    「ちっ!この店は客にいらっしゃいの一言もねぇのか!」


    「あはは…いらっしゃーい…なんにしやすか?」


    「バーボンだ」


    「はい…。」


    「どうだ景気は…。」

    「ええ…ダンナのおかげでボチボチです。」


    「ダンナはやめろ!」


    「あ、すいません!ちょっと癖で…藤田社長のおかげでボチボチ儲かってます!」


    「チッ、俺のおかげって・・・それは嫌味か!」


    「いやいや、そんな。ここいらは社長の威光だけでもってるようなもんですよ!ホントです!・・・ところで、暗い顔してますがなんかあったんですか?」


    「…いや、別になんでもない。」




    その時、店のドアが開き誰か入って来たようだった。

    私はいつもなら、決して注意を怠らない。

    しかし、今日はやっぱりどうかしていた…。

    その人物が背後に近づくまで全く気がつかなかった。



    「ふじたー!Merry Christmas!」


    ん?クリスマスを祝ってくれる…しかも女の声だ。


    私はゆっくり振り返った。



    《ブス!》



    鈍い小さな音が腹部からした…。


    <うっ!!まさか・・・・>


    「ふじた~!出所おめでとう!・・・どうせクリスマスも誰も一緒に祝ってくれる人なんか居ないだろ~!私が祝ってやるよ~!!ほら!ナイフでクリスマスケーキ切ってやるよ~!!」


    《ブス!》



    またしても床が私の鮮血で染まった。



    「うっ・・・・く・・・・・」


    「キャハハ・・・Merry Christmas!!ふじた~」



    また奥菜の女だ・・・・くそ・・・まさか先に出所していたとは・・・

    ・・・しかし・・・まあ・・・確かに祝いの言葉を掛けてくれる女は誰も居なかったな・・・・



    「・・・・く・・・・そうだな・・・・メリークリスマス・・・・」



    女の笑い声を聞きながら私の意識は遠くなった・・・




    閑話休題


    そろそろおいとまします

     23, 2014 07:00



            





    既に梅雨入りして半月。


    始めはかなりの雨量だったのに最近は空梅雨の様相を呈している。


    まあ・・・儂ら漁師に取ってはいいことじゃがな。


    と、言っていたらなんだか雲行きが怪しくなってきた・・・



    「泰造さん、一雨きそうですね~。」


    「うむ、そうじゃな・・・」


    またまた、そんな事言っているうちにパラパラきはじめやがった。



    「た、泰造さん!」


    「あ?なんじゃ?」





    「そろそろ・・・」


    「おい!篷!!(とま・・船などの雨よけに使う)・・」


    「します?」






    閑話休題

    殺害

     22, 2014 07:00



          




    我が家は今、大変な事になっている。


    父が連続殺人犯だったらしく、それを止めようとした母が父を殺した。


    兄は一流銀行に勤めていたが、多額の横領事件を起こし国外に逃亡した。


    マスコミは最初私の事もターゲットにして有ること無いこと書きまくったけど・・・・


    私が一度カメラの前で泣き崩れてからは、一斉に同情報道に変わった。


    勿論、それは私が比類なき美人だった為、マスコミがそれを利用している事は解っている。





    しかし・・実は・・・・



    連続殺人犯は私だったし、母に父が犯人だと告げ口して(勿論、時間差つけて父と母を犯行現場


    に呼び出したのも私)父を殺す様に仕向け(父と母両方に包丁を持たせたもん♪)死体と私の前に


    呆然と立ち尽くす父に(母の到着を待って)「お父さん、やめて~~~!!」って叫んだのも私♪


    案の定、母は私を守ろうとして父を刺し殺してくれました(^O^)


    兄の横領金は私が全部使っちゃった(^O^)♪



    仕方無いじゃん、私、悪魔なんだもん♡♡♡






    閑話休題

    君に届け

     21, 2014 07:00



         君に届け

         

         Message

         




    プルルルルル・・・カチャ・・・


    「こちらは〇〇留守番電話サービスです。お預かりしている伝言は3,250件です。1件目、今日の


    午前0:01分のご伝言です。・・・ピー・・・


    ハア、ハア、ハア、・・・・You Blood All Over Me ~~~・・・・」





    閑話休題


    主人の犬太郎さんの身の上話を聞いたり、余計な詐欺師をこれ又余分な貧乏神をくっつけてお引き取り願ったりしていたらあっという間に夕暮れ時になってきた。


    これはちょっとマズイ感じになってきたので少し急ごうかと思案をしていたら、マタマタ余計な事をスケコマシが始めてしまった。


    「ふ、・・小泉大先生が困っているみたいなので、私が先に妖気祓いを致してしんぜます。」


    「えっ?祥明さん、大丈夫なの?」


    「任せておきなさい。これでも安倍家の継承者なんだから!」


    (無理だろあんたには・・・)


    「・・・余計な事はしなくていいから、引っ込んどいてくれる?」


    「ふん、偉そうにしているけど、大先生、なんにもしてないじゃないか。ちょっと引っ込んどいてもらうのは君の方だよ。」


    「・・・あのね~・・・下手な事すると面倒な事態になるから、考えているんじゃないか・・兎に角、余計な事はしないでくれないかな~」


    と、言っているのに・・・あーあ・・・余計な事を始めちゃった・・・


    「南無・・・臨、兵、闘、者、皆、陣、裂、在、前!」


    「あ、馬鹿!なんの準備もなく印を結ぶな~!!!」


    こ、このアホ祥明が!!!



    ぐお~~~~~~んん!!!!メリッ!!!ピシャ~~~~~!!!!ガタガタガタ・・・



    轟音と共に家中が大揺れに揺れる。


    「キャ~~~~~~!!!!!」


    悲鳴をあげながら礼子さんが抱きついて来た。


    (あ、祥明、いい仕事したかも(^O^)♪・・・およ!華奢なのに・・結構なボリュームな・・・「おにま!」・・・あ、また朱雀が睨んでる・・・)


    「礼子さん、大丈夫ですよ。僕がお守りしますから。」


    優しく耳元で囁いてあげながら、そっと抱きしめる♪(イテテ・・スズメめ、また、つねりやがった!)


    「おにま!どうすんの?・・・・正体も解って無いのに・・・」


    「あ、イヤ、正体は犬太郎さんの話を聞いていて大体解った。どうするかな~」


    「えっ?ホントに?・・・じゃあ、早く退治して~」


    轟音と部屋の揺れは一向に治まりそうに無く、流石の朱雀にも泣きが入った。


    「ん?・・・もちょっとこのままで♪」


    バキッ!!(イッてぇ~~~!!蹴りやりがった!!この!!!)


    「仕方無い・・・礼子さん、ちょっと後ろに居てくれますか?」


    「あ・・・はい・・・助けてくんろ・・・おねげ~しますだ・・」


    う~っむ・・・カワイイのにこの田舎っぺな感じはちょっと・・・


    「大丈夫、任せて下さい」


    と、こちらで話しているうちに、祥明がトンデモない事になっていた。


    「ぎゃ~~~!!!イッてぇ~~~~~~!!!!」


    「キャ~~~~~~!祥明さ~~~~ん!!!」


    祥明と佐瀬子ちゃんの悲鳴が重なった。


    祥明が・・・この妖気の正体の狗神に食いつかれていた。


    「だから余計な事をするなって言ったのに・・・」


    「小泉先生!お願いします、祥明さんを助けて下さい!」


    「・・・仕方ないなぁ~~~」


    「お願いします!お願いします!・・ウウッ・・」


    あらら・・泣いちゃったよ~


    「分かったから・・・佐瀬子ちゃん、大丈夫だから・・・後ろに行って・・・」


    「あ・・・はい・・・ウウッ・・」


    と、佐瀬子ちゃんを後ろに行かせている間中、祥明の悲鳴は続いていた。


    おやまあ・・・相当お怒りなようだな~・・・困ったなぁ、穏便に済ませたかったのに・・・無理っぽい・・


    「仕方無い・・・荒っぽくいくしかなさそうだな・・・今日子、春雨取って。」


    「はい・・・おにま、頑張って。」


    朱雀から、我が家に代々伝わる妖刀春雨を受け取って、祥明に食いついている狗神にそっと近寄り、上段から一刀両断!!!ビュン!!!


    バッサリ!!!・・・・の予定だったのに・・・


    カキ~ン!!!!!


    えっ?えっ?・・・・受け太刀????


    あ!!!しまった!!!!!そうだった・・・このお話は妖刀村雨のお話だ!!!


    「ガオ~~~~!!!!」


    ヤバッ・・!!!!!!


    カン!!カン!!カン!!カン!!・・・・


    う・・・うわっ・・・負けそう・・・


    カン!!カン!!カン!!カン!!・・・・


    「おにま!おにま!・・・・」


    「ガオ~~~~!!!!おのれ~~~~食ってくれるわ!」


    あ、狗神が喋った~~!!!!・・・あ、そんな事で驚いている場合じゃ無かった・・


    カン!!カン!!カン!!カン!!


    くっ!!・・・渾身の力で振りかぶって・・・・ブンッ!!!!


    ガキッ!!!!ガチャ~~~~ン!!!・・・・


    両方の妖刀がお互いの妖力でハジキあって・・・・マズイ、素手になってしまった!!!!!


    「ガオ~~~~!!!!覚悟しろ~~~~!!!!」


    「あ、・・・イヤ・・・ちょっと・・・話しあいましょう、狗神様。」


    「うるさ~~~~い!!!手遅れだわい!!!!」


    だろ~なぁ~・・・・・どうする?オレ。・・・・


    「ガオ~~~~!!!!ガオ~~~~!!!!」


    飛び掛って来た狗神の首をスンデのところで抑えて・・・


    「今日子!!!!足を開いて踏ん張れ!!!」


    「えっ?なに?なんなの?」


    「四の五の言わずに早くしろ!!!!」


    「あ、・・・うん・・・こう?」


    「そう!!!そのまま動くな!!!」


    「えっ?なに?なに?・・・」


    足を開いて踏ん張っている朱雀の・・・スカートの中に、狗神の頭を突っ込んでやる。


    「キャ~~~~~~!おにま!なにすんの!!!!やめて~~~!!!鬼!!!悪魔!!!鬼魔!!!!」


    何を言われても知ったことじゃない。それどころじゃないもん!!!


    さあ!!!どうだ!!!狗神!!!!


    「・・・・・・くん、くん・・・・」


    「キャ~~~~~~!なに?なに?・・・」


    「くん・・・・くん・・・・ペロッ・・ペロッ・・ペロッ・・」


    「キャ~~~~~~!キャ~~~~~~!」


    「ペロッ・・ペロッ・・ビチャッ・・ビチャッ・・ペロッ・・ビチャッ・・」


    「キャ~~~~~~!どこ、舐めてんのよ~~~~~」


    掛かった♪!!!!さすが、犬だわ・・・これぞ妖術バター拳・・てかっ。


    じゃ、今日子のあそこ舐めてるうちに・・・御札をペタ、ペタ、ペタ、ペタ・・


    「南無退散、狗神!!!!・・祥明、インはこう云う時に結ぶんだよ!!


    ・ ・・・・臨、兵、闘、者、皆、陣、裂、在、前!・・・喝!!!!!」


    ガオ~~~~ン!!!!・・・・ピシャ~~~~~~!!!!!!!!


    部屋中に眩い光が走り、直後に暗転、部屋の揺れも治まった。


    ごろ~ん・・・・・今日子の足元に石佛の狛犬が転がった。


    「ふ~~~~っ・・・終わった~・・・・」


    「小泉先生・・・これで・・・」


    主人の犬太郎さんが声を詰まらせ涙を浮かべながら僕の手を取って頭を下げた。


    「あ、はい、もう大丈夫です。」


    「・・・おどう!!!おどう!!!わ~~ん・・・・」


    かっぺの礼子さんが泣きながら父に抱きついて・・・おい、オレに抱きつけ!!!


    「小泉先生、ありがとうございます、ありがとうございます。」


    スケコマシを抱きかかえながら佐瀬子ちゃんが礼を言って・・・ちぇっ!!!ふん、お似合いだよ、スケコマシとサセコって・・・負け惜しみかぁ~


    横から恨めしそうに僕を睨む今日子が・・・・


    「最低~~~~~~~~~~~~!!!!!!!」





    後日談・・・・


    「おにま、どうして犬太郎さんの話だけで狗神だと分かったの?」


    「あ?なに言ってんだ。簡単じゃないか・・婆さんが伏姫、その旦那が房八・・ひっくり返したら八房で、子供達の名前が・・仁、義、礼、智、忠、信、考、悌・・って来て、本家が里見と来たら、八犬伝じゃん!」


    「あ・・・・」


    「なあ、そんな事より1000万、ちゃんと貰ったんだろうな?」


    「あ、、あれ・・ちゃんと貰ったんだけど・・・」


    「だけど・・・なんだ?ま、まさか・・・」


    「あのね・・・・貰った小切手・・・不渡りですって・・・銀行の人から電話が・・」


    「な・・・里目に電話しろ!!!」


    「・・・したんだけど・・・一家で夜逃げしたみたい・・・」


    「な・・・くっ・・・仕方無い・・・最初に貰った手付金の残り、有るだけ渡せ。」


    「あ、あの・・・1000万貰ったし・・・あれくらいいいかなって思って・・・」


    「おい!!!まさか・・・」


    「ごめんな~~~い!」


    「ダァ~~~~~~!!!!!お前90万も何に使ったんだ!!!」


    ピンポ~ン!!!


    「あ、来た~~~~~!!!!」


    「あ?何が?・・・」


    「は~い(^o^)丿」




    「・・・・・これ?・・・これ、買ったのか?」


    「うん!!!可愛いでしょ?」


    「可愛いでしょ?って・・・これ90万??」


    「うん!!!ちょっと高かったけど・・・・立派な血統書付きだよ~」


    「・・・・?なんて種類だこれ?」


    「え~っとね、、、ミックスって種類って・・・」


    「ミ、ミックス~~~~?・・・・こ、この馬鹿!!!雑種じゃね~か~!!!!」


    「えっ?・・・・」


    「・・・・信じらんねぇ~(;´д`)トホホ…で、名前付けたのか?」


    「うん!!!エヘッ・・可愛いでしょ?・・・あなたのお名前は・・・」


    「あ・・・なんていうんだ?」


    「お名前は・・・玉梓ちゃん♡♡♡」


    「た、玉梓~~~~~~~~~~?????!!!!!!」



    「ワンワン、ワンワンワン、ワンワンワン♡♡♡♡♡」




    オシマイ・・・・・八犬伝篇
    「なんちゃ~ら、かちゃ~ら、ほんちゃ~ら、まちょ~ら・・・」


    (ぷっ!なんじゃそりゃ?・・なんちゃ~ら?ww真面目にやってんのか詐欺師大先生は!)


    ヒソヒソ・・・

    (「おにま・・・ところであれ、なぁに?私見たこと無いんだけど・・」

    「ああ・・そうか・・スズメは知らないのか?」

    「また、スズメって~!・・・なんなのあれ!」

    「ああ、あれは・・・・」

    「あ、あの割り込んでスイマセン、今日子さんにも見えるんですか?」

    「えっ?・・・ああ、まあ、今日子は式・・」

    「おにま!・・それは、兄妹だからよね!」

    「あ、うん、そうだな。」

    「そうなんですね~・・・今日子さんの方が私より能力あるんですね・・やっぱり、凄いなぁ~。」

    「う~ん・・・こんな能力無い方が幸せな気がするけどなぁ~。」

    「そうですね・・・私も怖い思いばかりしてきました・・・あ、ところで、私もあれが何なのかわからないんですけど・・・・教えて下さい。」

    「あれは・・・まあ式神の一種だね。」

    「えっ?式神なの、あれ!私見たことないよ?」

    「う~ん、あれ、普通は人に憑いているから見えないからね。」

    「式神ですか?・・・私、初めて見ました・・・どんな事するんですか?」

    「う~んっと、俗に言う貧乏神だよ、あれ。」

    「えっ?あれが貧乏神ですか?・・・残念、影みたいにしか見えない・・」

    「私は、取り敢えずちゃんと見えるけど・・なんかみすぼらしい~」

    「まあ、貧乏神だからなぁ~」

    「ところで、貧乏神ってお祓いで消えるんですか?」

    「それは・・今日子に聞いてみた方がいいかもww」

    「な、なによ~!ふん、ホント、最近おにま意地悪だよねぇー!」

    「えっ?どうゆう事ですか?」

    「あ、ううん、こっちの話。式神ならお祓いじゃ消えないよね、おにま。」

    「まあ無理だな、神様系(ww)は、ぶった斬って消滅させるか、封印するしか無いね~」

    「・・・ぶった斬る?」

    「あ、須玖さんはそのやり方知らないんですね。」

    「あ、はい、式神その物を見たのが初めてなので・・・」

    (またまた、そっと手を取りながら・・・持ってきた妖刀春雨を眼で指し示し)

    「大丈夫、どうしてもダメならあれで切っちゃうから。」)


    (で、またこの時、よせばいいのに口出しするスケコマシであったw)


    「おい!、さっきから須玖さんの手ばっかり握っているんじゃない。真面目にやれよ!」


    「ふん、そんなに尖るなよ、スケコマシ!」


    「な・・・な、何だと!ス、スケコマシだと~」


    「・・だって、お前、六本木の◯フォーレで、古垣結衣ちゃんのあそこ舐めまくったって自慢していたじゃないか!・・・恥知らずめ!」


    「えっ?・・祥明さん、ホントなの?そんな・・・酷いわ、酷いわ・・」


    「あ、イヤ、それは・・」


    (んん?なんだ?この二人の会話は?)


    「じゃか~しい~!儂が悪霊祓いしている時に、騒いでんじゃ無い!静かにせんか!」


    「あ、すいません・・・」「悪かったよ、大先生!」


    (ふん・・・)


    「で、壺売先生、済んだの?」


    「な、つ、壺売!!!お主~~~~!」


    「もう、ウルサイな~、一々引っ掛かるなよ~。で、済んだの?」


    「くっ!・・・ああ・・済んだ。ご主人、もう大丈夫じゃ、儂が水子の悪霊は祓ってしんぜたでな。」


    「本当ですか?・・・ありがとうございます!亀戸先生!」


    「・・・あ、あの・・・すいません・・・・私、まだ見えます・・・」


    「えっ?でも、亀戸先生が終わったって・・・」


    「そ、そうじゃ!ちゃんと祓ったぞ!もう、どこにもおりゃ~せん!」


    (メンドクセ~・・・・)


    「終わってないよ。そこに座ったまんまじゃん。もう、いい加減、引っ込んどいてくれる?・・日が暮れるとちょっとマズイ気がするんで・・・ちょっと急がないといけないから。」


    「そ、そうなんですか、小泉先生・・では、一体どうすればいいんでしょう?どうか、どうか、この礼子だけは守って頂きたい!お願いします!」


    「・・・良かろう!そこまで儂を愚弄するなら、お主やってみろ!」


    「ふぅ~・・・やっと引っ込むか・・・まあ・・・そいつ位は妹にやらせる事にします。」


    「えっ?・・おにま、私、知らないわよ、方法・・」


    「ああ・・ちょっとこっち来い。・・・」


    (ヒソヒソ・・・

    「どうすんの?妖魔退治ならお任せだけど・・・式神退治なんて私出来ないわよ?」

    「・・・別に退治しなくて良いよ・・」

    「えっ?でも、大見得切ったのにそれじゃ・・・」

    「なに、簡単さ。貧乏神の耳元でこう言えばいいさ。」

    「なんて?」

    「・・・ここはもう十分貧乏になったので、そろそろアチラの頭がピカピカの人にお憑きになってはいかがですか?って・・・」

    「ぇ~(;´д`)トホホ…、ホントにそれだけで良いの~?」

    「ああ・・・多分、大丈夫だよ。・・・」)




    「じゃ、そう云う事で・・やって!」


    「あ、うん・・・分かった・・じゃあ・・」


    そろり、そろり・・・朱雀が貧乏神に近づいて、耳元で・・・


    「コソコソ・・・」


    で、やっぱり、貧乏神はふわりと詐欺師大先生の背中に乗っちゃいました(^O^)♪


    「ああ・・・凄いです、小泉先生!影が・・・あ、でも・・・亀戸先生の・・」


    「エッヘン!佐瀬子ちゃん、良いの、良いの、それで。」


    「あ、はぁ~・・」


    で、亀戸詐欺師大先生は・・・


    「う・・わ、儂は・・・う~ん・・・なんだか体がだるい・・・先に失礼させてもらう。」


    そそくさ帰って行っちゃったけど・・・・大丈夫かい?www



    「えっと・・・先生方・・・では、これでオシマイですか?本当にもう大丈夫なんですか?」


    で、また余計な口を挟むスケコマシ。


    「そのようですね。まあ、私の出る幕も無い簡単な事案だったみたいですね。」


    「あ、ありがとうございます、ありがとうございます!」


    「あ、あの・・・小泉先生、本当にこれで良いんでしょうか?・・・私、まだ妖気を感じているんですが・・・・」


    「・・・そう、その通り。まだなんにも終わって無いね。」


    「えっ?でも、安倍先生は・・・」


    「似非陰陽師の言うことはほっといて下さい。これからが本番ですよ。」


    「くっ・・・似非陰陽師って・・・失礼じゃないか!」


    「安倍先生、もう、小泉先生にお任せして下さい。私達クラスじゃ無理です・・」


    「えっ・・・あ・・・うん・・・」


    (え~~~~!なに?この二人・・・もしかして付き合ってるとか?が~~ん!)


    コソコソ・・・
    「ざま~みろ、おにま♪」「くっ・・・ふん、まだ礼子さんがいるさ・・」
    「う、ホントにもう~!」

    なんて事言っている間に日暮れはすぐそこまで迫っていたのであった・・・






    正統派の・・・・続く



    里目氏の話がとっても長かったんで、かなり端折って要約すると・・・・


    まず、事の発端と云うかプロローグと云うか・・・


    約50年前(ここに居る人間、詐欺師以外は誰も生まれて無いけどww)本家の里見家の没落度合いが激しく殆ど破産状態に近かった。


    その当時、逆に分家に当たる里目家は高度経済成長の波に上手く乗っかり本家を遥かに凌駕する規模にあった。


    その時期丁度年頃の娘だった本家の伏子(本家では未だに女子は姫と呼ばれているらしい・・なので、通称は伏姫だったらしい)に恋心を抱いていたこの里目家の当主房八が、その財力にモノを言わせてほぼ人買い状態で降嫁(大げさだが未だに本家から分家への嫁入りはそう呼ばれているらしい)させた。


    然し乍ら、この伏姫、蝶よ花よと育てられてきた娘だった為(今で言えば超ワガママ娘)当主の房八をまるで下男扱いで夫婦生活など以ての外、指一本触れさせなかった。


    房八も惚れた弱みでしばらくの我慢と思っていたようだが、そうこうするうち思いを遂げる前に房八がポックリ行ってしまった。


    お陰で分家は房八の代で断絶の憂き目に合い、仕方無く分家の分家の里日家から今の当主の犬太郎さんを養子に迎えた・・・と、ここまでがプロローグ、かな。


    (これでやっと当主の犬太郎さんが自分の母に敬語を使っている意味が分かった。)


    さて・・・それから犬太郎さんが成人して嫁を迎え、先代とは一転して子宝に恵まれまくって8人もの子沢山な幸せな家庭を持ち、伏姫さんも数年前に亡くなる迄幸せに暮らした・・・めでたし、めでたし、な結末のはずが・・・


    伏姫さんが亡くなった途端、犬太郎さんの子供達に不幸が重なる。


    長男 仁(ひとし)がまず交通事故で死亡。


    同年に長女義子(よしこ)が不倫相手の家を放火、妻と子供を殺害してしまい、その賠償金で一気に現金資産を失ってしまう。


    しかも当人の義子も拘置所で自殺。


    翌年、三女の智子(ともこ)、次男忠(ただし)が登山中の事故で死亡。


    その捜索費用で持っていた山林の全てを失う。


    同年末、三男信三(しんぞう)が心筋梗塞で急死。


    今年に入って四女孝子(たかこ)、四男悌幸(さだゆき)が相次いで(理由は不明なままらしい)首を括った。


    残った子供は先程の次女の礼子のみ・・・


    伏姫亡き後たった数年で子供7人と資産のほぼ全てを失った事になる。


    事ここに至って、犬太郎さんが厄祓いを頼んで来たと云うわけだ。


    (しかし・・どう考えても遅きに失しているなぁ~)


    長い、長い話が終わって大体の事情を理解した頃、横に座っていた佐瀬子ちゃんが盛んに目配せしているのに気が付いた。


    「ん?何、佐瀬子ちゃん?」


    「あ、あの・・・あそこに黒い影が・・」


    と言いながら佐瀬子ちゃんが床の間の方を指差す。


    (まあ、あれは入ってきた時から気が付いていたけど・・・そんな大したもんじゃなし・・・で、放置していたけど・・・)


    「ああ・・・あれね・・佐瀬子ちゃん、退治しちゃって良いよ」


    「えっ?わ、私がですか?^^;・・・・」


    「うん、あれくらい大丈夫でしょ?(^O^)」


    「で、でも、私は小泉先生の様な力は無いので・・・」


    「大丈夫だよ、たいした奴じゃ無いし、見えるなら出来るでしょ?」


    と、ここでまたしても詐欺師とスケコマシが割り込んで来た。


    大人しくしてれば恥かかずに済むのに・・・ホント、バッカじゃねーの?ww


    「あ、あれは、儂が最初に気付いた水子の霊じゃ!儂が退治するから青二才と小娘は引っ込んでろ。」


    「いや、僕が退治します。亀戸さん、ホントに見えているんですか?」


    「な、何じゃと~~!青二才は引っ込んどれ!」


    「ハイハイ、お好きにして下さい・・・」


    (どうせ無理だろうけど、その間にホントの原因を見つけなくちゃ・・)


    「観ておれ!儂の力を存分に味あわせてくれるわ!」


    大見得を切った大先生はズイッっと床の間の方へ進む・・・が、如何せん詐欺師で能なしなもんだから下手にいる相手と逆の上手に鎮座してしまった。


    「ぷぷぷっ・・・」


    (おや?佐瀬子ちゃん、意外とキツイよその笑い・・・)


    「な、何を笑っているんじゃ!」


    「だって亀戸先生、相手は下手にいるのに・・・ぷぷぷっ」


    「な・・・こ、これは、わざとじゃ!離れたところから祓うのじゃ!」


    「ハイハイ・・・じゃあ、さっさと片付けて下さい。」


    「くっ・・・青二才め!見ておれ!」


    で、無駄なお祓いを始める詐欺師大先生だった。


    正体も知らずにどう祓うのか、興味津々www


    そいつの正体は・・・・・






    勿論ここで・・・続く・・


    「おいコラ、儂らを小馬鹿にしておきながら解りませんとはどう云う事じゃ!」


    「そうですよ、僕達だってこれでもこの世界では名の知れた存在なのに、それを眼中に無いと言うならそれなりの結果を示して頂かないと納得出来ませんね。」


    「・・・私は・・・私も解りません・・・。」


    うっさい連中だなぁ~・・・だから一緒になんて嫌だったんだ。


    ヒソヒソ・・・
    (「ほら見ろ今日子、こうなるから嫌だって言っただろ。めんどくせぇ~。」「おにま・・・そう言わないで、助けてあげましょうよ、前金も貰ったし・・」「その前金使い込んだのお前だろ!」「・・・まあまあ、過ぎた事は忘れて‥・ネ♡♡♡」「・・都合の良い奴だなぁ・・・しかし、まあ・・・どうにかしないと帰れそうに無いな。こいつら解って無いんだろうなぁ~、マジ、ヤバそうだなぁ~。」「・・・うん・・」)


    「あ、また・・・・コソコソ話さないでハッキリ言ってくれませんか!」


    スケコマシのクセに気が短い奴だなぁ~。


    「う~ん・・・別に全く解らないって言って無いじゃん。まだよく解らないって言ったんだよ。」


    「どこが違うんじゃ!自分の未熟さを認めたらどうじゃ!」


    「ほんっっとにバカなジジィだね、自分と一緒にしないでくれる?・・・今の状態で、下手にお祓いなんかしたらどんだけヤバイかも解らない奴は引っ込んでいてくれる?」


    「な、何じゃと~~!」


    「・・・亀戸先生、落ち着いて下さい。私もそう思うんです。小泉先生ほど能力が無い私でも、ここの異様な感じは解ります。凄く嫌な感じなんです・・・。」


    あら?これは意外。巨乳ちゃんは少し使えるかも・・・


    「な、小娘まで儂を愚弄する気か!」


    「先生、いいじゃありませんか。そこまで言うならお手並み拝見といきましょうよ。」


    ふん!能なしのスケコマシのくせして偉そうに・・・面倒臭いから放っとくけど・・・


    「・・・うむ・・・・よし、ではしばらく見物しておいてやる。」


    勝手にしてくれ。さて・・・しかし、どうしたもんかな~。


    「あ、あの・・・先生方・・・そういがみ合わないで、是非皆さんで、どうかお助け下さい。お願いします。」


    「あ、ご主人さん、気にしないで。どうせその2人は役に立たないので。須玖さんは能力がありそうなので協力してもらいますが・・・。」


    「なっ・・・・」「くっ・・・」


    「あ・・あの・・・私でお役に立ちますか?」


    「佐瀬子ちゃんは、この異様な妖気が感じられるんでしょう?是非協力してください」


    と言いつつ、そっと手を取ってっと♪


    「あ、はい・・・」


    あら?顔を赤らめちゃって。カワユス♡♡♡


    コソコソ・・
    (「おにま!どさくさに紛れて須玖さん口説くつもりでしょう?」「何言ってんだ!・・・当たり前じゃないか!こんなチャンス逃すか!」「もう!そんな場合じゃ無いでしょ!」「う~ん・・・まあ、何とかなるさ~」「・・・おにま、ホント追い込まれるとお気楽モードになるよね~^^;・・・大丈夫なの?ホントに。」


    「あ、あの・・・私は何をすれば・・・」


    「あ、はい、はい、佐瀬子ちゃんは・・・取り敢えず、この妖気の正体がハッキリするまで僕の横に居て下さい。離れると危ないから・・。」


    そっと手を取る~~(^O^)♪・・・・・・あ、痛ててて・・・

    (こ、このスズメめ!思いっきりつねりやがった!)


    「ご主人さん、も少し詳しい話を聞かせて貰えますか?」


    「あ、はい・・・え~・・何処からお話すればいいのでしょう?」


    「事の発端から初めて、現在の状況まで全部です。」


    「・・・少し長くなりますが・・・」


    「まあ、日暮れ前に終れば大丈夫です。まだ3時間くらいはありますから、焦らなくても大丈夫ですよ。」


    「解りました。・・・発端と思えるのは・・・・・」




    ホントに長い話になったので、ここではちょっと端折って・・・








    続く‥‥‥‥ぷぷぷ(^O^)・・・テレビの手法♪


    僕らを除いて如何様師ばかりのメンツでこの異様な妖気の元をどうにか出来るのか?

    少々ビビりながら考え込んでいると、スケコマシ祥明が主人に詳しい説明を求めた。


    「ご主人、取り敢えず皆揃ったみたいなので詳しいお話をお聞かせ願えますか?」


    「あ、はい・・・我が里目家はご本家が元大名の里見家なのですが、その御本家より養子に来られた先代の伏子、私の母ですが・・その母の死後、次々と不幸が重なりまして私の子8人が・・う、う、う・・・」


    「ご主人、大丈夫ですか?」


    優しいなぁ~佐瀬子ちゃん・・・


    「あ、はい・・・失礼しました・・8人いた我が子達のうち7人が事故や病気で次々に死んでしまいまして・・残るは1人だけになってしまったのです。・・・おーい、礼子・・こちらへ来て先生方にご挨拶しなさい。」


    「は~い(^o^)丿・・・・」


    テクテクテク・・・


    「始めますておらが礼子だす。よろしゅうおたのもうしますm(__)m」


    う、・・・・完全な田舎っぺ・・・だけど・・・か、カワイイ!!!


    (「・・・・おにま!見境いなく惚れるな!!!」「・・べ、別に惚れて無いよ・・でも、カワイイじゃん♡♡♡」「もう、ホントにぃ~、ちゃんとして!」「はい、はい・・」)

    なんて軽口を叩いている余裕は今回、ホントに無さそうだな・・・段々妖気が濃くなって来ているし・・・


    「それで・・・ご家族に不幸が重なっただけですか?それだけなら・・・お気の毒ですが、我々の出る幕ではない様な気がしますが・・・」


    ほー、スケコマシ祥明もマトモな事言うんだな・・・


    「こら、青二才。何を言うんだ。それこそ我々の仕事では無いか!」


    あらら・・詐欺師め・・・余計な事を・・・


    「ご主人、これは私の見たところ、先代の伏子さんの水子の祟りですな。まずは私がお祓いをしてしんぜよう。その後に・・・うむ、この壺を床の間に置いておけばその様な事はもう起きませんぞ。」


    あーあ・・・やっぱり壺かい!

    と、そこにスケコマシ祥明が割り込んできた。


    「いや、水子の祟りなどではありません。」


    お!まさか・・・スケコマシ、ちょっとは能力あるのか?


    「水子と云うのはまだ生まれる前の赤ん坊なので、知能が殆どありません。なので人に祟るなんて事はありません!」


    あ~あ・・・やっぱりこいつも能なしか・・・


    「祥明さん、それは間違っています。」


    お、今度は巨乳ちゃん♡♡♡佐瀬子ちゃん、何言うんだろ?


    「な、何が間違っていると?」


    「ふん、青二才。能なしのくせ、何が間違っているか?だと。全てじゃ!」


    「亀戸さん、あなたに聞いているんじゃ無い、黙っていてくれ。須玖さん、何が間違っているんですか?」


    「は、はい・・・あ、あの・・小泉先生・・・」


    えっ?いや、こっちに振るなよ^^;)


    「イヤイヤ・・・須玖さんがお答え下さい」


    「は、はい・・では・・・水子は確かにコドモの霊ですが、霊魂に知能は全く関係無いので、確かに水子の祟りは存在します。私も何度も目の当たりにした事がありますし・・・」


    「わはははは・・それみろ、青二才が偉そうに口を挟むからじゃ。似非陰陽師は引っ込んどれ!」


    「あ、・・・でも・・・ここには水子の霊は居ません・・・・」


    「な、何じゃと~~!わしに楯突く気か!小娘~」


    「・・・うっせ~じいぃだな・・・青二才だの小娘だの・・・」


    「何じゃと~~!言いたいことがあるならハッキリ言え!偉そうに構えやがって、貴様、何様じゃ!」


    「うっさいハゲ!バッカじゃねーの?」


    「な、何じゃと~~!こ、この!もう1回言ってみろ!」


    あ、これ・・さっきスズメと練習したなwww


    「うっさい、バカ!黙ってろ、バッカじゃねーの?バカ!ハゲ!」


    「な、、、な、何回も・・・・」


    「あんたが言えって言ったんだろ、バカ!」


    「く、こ、この・・・・」


    ヒソヒソ・・・
    (「ちょっと、おにま!そんなに喧嘩腰にならないで。あとで困った事になるわよ。お偉いさんなんだから~」「ふん、知るか!こんなの相手にしてる場合じゃ無いんだ。本気でマズイ気がしてんだ。」「あ、うん・・・それは私もそう思うけど・・・」)


    「また・・・・コソコソ話してんじゃない!わし等を小馬鹿にしてるのか!」


    「あ?ああ・・・まあ、小馬鹿と言うか・・・眼中に無いけど・・」


    「な・・・よ、良かろう、ならばお主の見立てを言ってみろ!」


    「そうです、僕達を眼中に無いと仰るなら、それなりのお話を聞かせてもらいたいですね。須玖さんもそう思うでしょう?」


    「あ、私は・・・小泉先生の足元にも及ばないので・・眼中に無くて当然ですので・・」


    あら?やっぱり佐瀬子ちゃん、カワイイかも♡♡♡


    「う~ん・・・仕方無い・・・取り敢えず・・・・・」



    「おう、なんじゃ・・」


    「ええ、お聞かせ下さい。」


    「お教えいただければ・・・」



    みんなの視線を集めたけど・・・・




    「まだ、よく解りませんね!」




    「こ、こら~~~~~!!!!!!」





    んな感じで、続く・・・といいなぁ



    鉢中里駅前ロータリーに降り立った僕達を迎えたのは、何とも異様な妖気の立ち昇る空だった。

    依頼を受けるのをやめようと思ったのにスズメ(朱雀・・今日子)が・・

    「春物ワンピが・・」

    なんてアホな理由で依頼の前金を使い込んだ為に、帰るに帰れなくなってしまったし、カラス(天狗)は逃げるし・・・

    仕方なく足取り重くスズメと二人で依頼者の家に向かうしか無かった。

    途中腹ごしらえに、繁華街にあった月食堂と云う飯屋に立ち寄り、取り敢えずカツ丼で縁起を担いでおいた。

    その後もノタリノタリ歩いていたがとうとう目的の家についてしまった。

    門前に立ち竦んでいると中から家人が迎えに出てきてしまった・・・仕方無い、覚悟を決めるかぁ~(;´д`)トホホ…


    中に入ると主人らしき人物と3人の霊能力者がいた。


    コソコソ・・・


    (「・・・おい、今日子、全部で3人のハズじゃなかったか?これじゃ4人になるぞ・・」


    「あ、うん・・・3人って聞いていたけど・・・」


    「お前なぁ~・・・ちゃんとしろよ~・・・」


    「え・・・だって~・・・」


    「だってもクソも・・4人って死人だぞ・・縁起が悪いって常識だろ、この世界じゃあ。」


    「うん・・・ちょっと聞いてみる・・」)

    「スイマセン~ご主人、皆で3人と云うお約束のハズだったと思いますけど?」


    「あ、はい・・・その予定だったのですが、以前お願いしていた大先生が丁度今日スケジュールが空いたと云う事でお見えになったもので、お一人増えた結果になりまして・・」


    「ご主人、それはちょっと話が違います。4人と云うのはこの世界では縁起が悪いって事で忌み嫌われているんです。これではお引き受け致しかねます。」


    「は、いや、しかし・・・そこを何とか・・・お願いしますm(__)m」


    「いえ・・・やはり、それでは・・・」


    「おいおい、何を迷信みたいな話をしているんだ。そんなこと位でご主人を困らせてどうするんだ。」


    こ、こいつ、迷信って自己否定か!迷信の世界だろ俺達のやっている事は!


    「まあ・・・そう大きな声を出さないで、亀戸先生。気にされる先生もいらっしゃるんです。ね、お嬢さんもそう言わず、折角4人も居るので解決してあげましょう、ご主人もホントに困っているみたいなので・・・」


    お~、佐瀬子ちゃん、やっぱりカワイイ・・白装束なのに大きな◯ッパイが目立って・・・
    ヽ(=´▽`=)ノ

    ヒソヒソ・・・
    (「おにま!どこ見てんの!」「どこって・・◯ッパイに決まって・・あ、いや・・」
    「もう!ホントにえっちなんだから~」)


    「何をコソコソ話しているんだ、言いたいことがあるならハッキリ言え!」


    う~ん・・・この亀戸って、壺売ってる詐欺師だったよなぁ~・・

    なら、人数に入れなきゃいいか・・それなら3人だし・・・

    「あ、イヤイヤ・・・大先生の仰るとおりですね。迷信ですからね、所詮この手のお話は・・・そうしますか・・」


    「うっ・・・こ、この青二才、このわしに喧嘩を売っているのか?」


    「まあまあまあ・・・その辺にしておきましょう、亀戸先生。それに小泉先生も、」


    あ、こ、こいつ、僕の大好きな、古垣結衣ちゃんのあそこ舐めたって六本木のクラブ◯フォーレで自慢しまくってた安倍祥明だ!


    「これはこれは、ご高名な安倍祥明先生、私をご存知とは、恐縮です。」


    ふん、このスケコマシ野郎~(;一_一)


    「イヤイヤ・・・なにをおっしゃいますか、先生を知らなかったらこの世界モグリですよ。ねぇ、須玖さん。」


    「あ、はい・・・須玖と申します。よろしくお願いしますm(__)m」


    「イヤ、あ、こちらこそ、小泉です。よろしくです。」


    んん?・・・亀、白虎衣装の佐瀬子ちゃん、青龍模様の装束着た安倍、・・・

    おやまあ・・・玄武、白虎、青龍、朱雀、揃い踏みかよ・・・

    ・ ・・ホントだったら心強いんだけど・・・詐欺師、スケコマシ、巨乳なだけ・・・
    ・ 偽モン見本市みたいなメンツだこと。


    はてさて、どうなることやら・・・・・



    続く・・・と、思う・・・


    僕は、小泉純一郎。

    有名な元総理と同姓同名・・・


    でも、全くの赤の他人。

    僕のおじいちゃんは、小泉八雲・・本名ラフカディオ・ハーン。

    おじいちゃんは怪談話ばかり書いていた小説家だ。

    でも、でも、おじいちゃんは作り話を書いていたのではない。

    おじいちゃんの実体験を書いていたのだ。

    そう・・・おじいちゃんには全て見えていたのだ。


    僕もその血を受け継いでいて、色んなものが見えちゃうんだよなぁ~・・・

    そんな僕に来た今回の依頼は・・・・


    よくわかんないけど、不幸続きのお祓いを3人で競争して成功した人に1000万円大会?らしい・・

    3人で競争なんてアホらしいけど、その1人が美人すぎる霊媒師で有名な 須玖佐瀬子 らしいので参加することにした♪

    名前通りなら・・・すぐ◯らせてくれそうなんだもん(^O^)♪

    おっと!雀が睨んでるので、続き、続き・・・



    「おにま、準備は出来た?」


    「ああ・・いつでもいいぞ・・・」


    「・・・・ちょっと!!なんにも用意してないじゃない!!!」


    「あん?・・・別に何も要らないだろ~?どうせ気のせいさ~♪」


    「もう!ホント、ズボラなんだから~・・・私が準備するから、おにまはあっち行ってて!邪魔!!」


    「ちぇっ!お前、式神のくせに偉そうだぞ!スズメのくせに!」


    「キィ~~~!!スズメって言うなぁ~~~!!」


    「お?・・ご主人さまを殴るのか?・・あん?」


    「くっ・・・ムカツク~~~~!!!ホント、おにま、能力開放してから嫌な奴になった~~~!!!」



    ぷぷぷ(笑)スズメを誂うのはこれくらいにしとこかな・・・泣きそうだしww



    「さて、着替えとくか・・・お前もさっさと準備しろよ。」


    「ちょっ・・・・もう!ほんと勝手なんだから~・・」


    なんだかんだ1時間程で準備が整い、さて出発となった時に、押しかけ式神のカラス(天狗)が使いに出したモクキン堂から帰って来た。


    「若様、ご注文の一番宇治茶で御座いますm(__)m」


    「ああ・・・うん、コレコレ、出掛ける前はこれだね♪・・おいTea~!」


    「・・・さむいよ、おにま!」


    「ああん?うっせ~、バカ!」


    「あ、ば、バカって言ったな~!今度バカって言ったら許さないから~~~!!」


    「あ?バカ!なに言ってんだ、バカ!お前バッカじゃねーの?バカ!」


    「きゃ~~~~~~!!!!何回も~~~~!!!」


    あ、またスズメ誂って時間無駄にしたww


    「よし、じゃあ出発するか・・・」


    「あん、もう!また・・・・」



    世田谷の自宅から千葉の片田舎の鉢中里市迄電車を乗り継ぎ、乗り継ぎ・・・

    結構、時間を掛けてえっちらこっちら・・・なんてね、ホントは殆ど寝てたからあっという間だったけど・・・



    駅前ロータリーに降り立った途端に、ちょっとマズイ依頼を受けた気配が・・・・

    目的地の依頼者の家が一目瞭然、只ならぬ妖気が空に向かって立ち上っていた。



    「おにま・・・これ・・・」


    「若様・・・」


    「ああ・・・これは・・おい、朱雀、今から断れ」


    「えっ?嘘?・・・でも・・・あの・・無理かも・・・」


    「あ?なんでだ?ちょっと都合が悪くなったって言えばいいだけじゃんか」


    「それが・・・その・・・春物のワンピ買うのに・・・」


    「あ~~~?こら!スズメ!お前・・・」


    「ゴメンナサイ!!!!ちょっとだけ・・・・」


    「・・・・一体いくら使い込んだ?」


    「じゅ・・10万円くらい・・・」


    「こ、・・・この!!!焼き鳥にして食うぞ!!!」


    「きゃ~~~~~~!!!!ゴメンナサイ!!!!もうしません!!!」



    だぁ~~~~~!マズイぞ、あんな妖気、相手にしたこと無いぞ~~~!


    バタバタバタ・・・・


    「かぁ~、かぁ~、かぁ~・・・・」


    「おい、こら!カラス(天狗)!」


    ・・・逃げやがった!!!


    「おにま・・・どうしよう~・・・」


    「チッ・・仕方ねぇ・・行くしか無いだろ・・・」



    と、言う事で超危険な雰囲気な依頼者宅へ足取り重く向かったのであった・・・






    続く・・・かも

    僕は、小泉純一郎。

    有名な元総理と同姓同名・・・


    でも、全くの赤の他人。

    僕のおじいちゃんは、小泉八雲・・本名ラフカディオ・ハーン。

    おじいちゃんは怪談話ばかり書いていた小説家だ。

    でも、でも、おじいちゃんは作り話を書いていたのではない。

    おじいちゃんの実体験を書いていたのだ。

    そう・・・おじいちゃんには全て見えていたのだ。


    僕もその血を受け継いでいて、色んなものが見えちゃうんだよなぁ~・・・

    この血は隔世遺伝らしく、僕の父にはその能力が無い。

    というか、その存在すら知らない・・・らしい。

    おじいちゃんの話によると、能力がある者にだけきちんとした話をするらしい。


    僕の能力をおじいちゃんが見つけたのは、妹の今日子が病気で死にそうになってたときに僕がそばにいた死神を追い払おうとしたときだ。

    その場にいた父や母は僕が何をしているのか分からず、ただ、妹の死に直面して癇癪を起こしていると思っていたみたい。

    ただ、おじいちゃんにも死神が見えていたので、僕の行動はおじちゃんにはハッキリと僕の能力を確信させたものになったようだ。

    残念ながら、死神を追い払うことはおじいちゃんにも出来ないらしく妹は死んでしまった。

    ただ、余りにも僕が悲しむのでおじいちゃんはそれを見かねて僕の式神になるはずだった妖魔を妹のなかに入らせて妹を・・・妹の体だけだが・・・生き返らせた。


    代々、式神とはコノ血を受け継ぐものの伴侶、または執事として生涯仕えるものらしい・・

    だから今、今日子に入っている妖魔は、本当は僕の奥さんになるはずだった・・・みたい。

    そのせいか・・・・すっごいヤキモチ焼きだ。

    時々、手に負えない・・・・。


    しかし・・・・まあ・・・こいつのおかげで父や母は妹を失う悲しみを味合わずに済んだし、僕も姿形だけでも妹と過ごすことが出来ているので文句は言えない。

    その上今日子に入っている式神は朱雀と云って結構有名な守り神らしく、召喚したおじいちゃんも羨ましがっていた。



    まあ、そんなこんなで・・・・おじいいちゃんが亡くなった後、色んなものが見える能力を引き継いだ僕にはおじいちゃんの知り合いを通して様々な依頼が来るようになった。

    迷惑な話だ。

    しかも・・・来た依頼を結構サクサク解決してしまったので、その世界でそこそこ有名になってしまった。

    そうなるともっと依頼が来るようになり・・・・悪循環だ・・・・・

    父や母を心配させないように僕はこの能力を秘密にしているので、色んな出来事を隠すのも一苦労なんだ。



    「おにま!!おにま!!起きて!・・・・おにま~~!オキロー!!」


    「あ・・・う~ん・・・なんだよ、気持ち良く寝てるのに・・・」


    「大変なの!スッゴイ依頼が来たの!♡♡♡」


    「あん?スッゴイ依頼?・・・またお化け退治だろ、どーせ・・・」


    「違うよ!!!なんか良くわからない事案だけど、スッゴイお金くれるって!♡♡♡」


    「は~??式神がお金に釣られるのか~??・・・てか、事案って・・・そんな言葉どこで覚えたんだ?」


    「何言ってるのよ、女の子は身だしなみにお金がかかるの!おにまみたいに年中着たきり雀じゃいられないの!・・・それに私もおにまと同じ大学生になったし♡♡♡」


    そうだった。

    まあ・・・入学試験は烏天狗(前回のお話で僕の家来になった)を肩に乗せて(人間には文鳥にしか見えない)カンニングさせて?して?・・とにかくズルして合格だけど・・

    因みに僕も1つ歳を重ねて・・・20歳になった。

    20歳になった途端、僕の能力はおじいちゃんが掛けた能力制限の術がとけて(おじいちゃんはあまりに強い能力を年若い僕が使えると良く無いと考えたみたい)能力全開になって悪さをする妖魔連中に対してほぼ無敵になった。

    ほぼ・・ってのは、やっぱりおじいちゃんと同じく死神だけには手も足も出ないので・・


    まあ、そんなこんなで色々あって、とうとう両親にも僕のこの能力がバレてしまって・・・

    困った事になった・・・と、思うだろうけど、これがうちの両親はお気楽なもんで、あらそう?って感じでそれまでと殆ど変わりない生活を送っている。

    それまでバレないように苦心惨憺したのがバカみたい。


    「おにま!何ボーっとしてしてるのよ!」


    「あ、ああ・・・それで、どんな依頼なんだ?」


    「あ、うん、え~っと、千葉の鉢中里市(ばちあたりし)の旧家から不幸続きで、どうやら家に妖魔が取り付いてるから退治して欲しいって依頼なんだけど・・」


    「ふ~ん・・・・で、スズメが驚くほどのお金が貰えるのか?」


    「ス、雀って言うな~~~!!!」


    「なんだよ、雀だろ?」


    「ちが~~~~~う!!私は1級式神の朱雀なんだから!!!!」


    「ふん、所詮雀じゃないか・・・」


    「キ~~~~!!!おにま、能力開放してから、偉そうよ!いけ好かない奴になってるよ!!」


    「あら?そう?・・・別に式神にいけ好かないって言われてもどう~って事ないけどね・・・ハハハ・・」


    「ムカツク~~~~~!!!!!」


    「ヘン、まあ、そんな事はどうでもいいや、で、いくら出すって言ってんの?」


    「・・・・もう!・・どうでも良くないけど・・・え~っと、参加で100万円、退治に成功した人には1000万円ですって。」


    「あん?参加?成功した人?なんだそれ?」


    「あ、うん、どうやら今までいろんな人に頼んだみたいだけど、埒が明かないみたいで・・今回一度に高名な人達3人に一緒にお願いしたいって事・・みたい。」


    「はぁ~~~??フザけた依頼だ・・ふん、誰が行くか!!」


    「え~~~~~!!おにま!1000万円よ、1000万円!」



    「ふん、金なんか今だって十分すぎるほど有るだろうが!お前、式神のくせに欲が有り過ぎるぞ!」


    「なによ~~~!一杯お金あるなら少しくらい私にも渡しなさいよ~!」


    「あ~~?ちゃんと渡してるだろうが!」


    「なによ!!私がなにも知らないと思って・・・・お小遣い5000円って・・今どき小学生くらいしか満足しないわよ!!!」


    あ、バレてたwww


    「あ~もう、、仕方無い、じゃあ来月から1万にしてやるよ」


    「えっ?ホント!!わ~~~~♪やった~♪」


    クククッ・・中学生に格上げしてやるってかwww


    「と、云うことで、その依頼は無しな。」


    「え~~~?ホントに~~~~?・・・良いのかな~?3人のうちの1人は、あの美人すぎる巫女さんって有名な須玖佐瀬子さんよ・・」


    「えっっ!!・・・それを先に言いなさい、さ、では早速支度して!」


    「もう、ホントに女好きなんだから!!」



    てな、感じで今回もお出かけ、お出かけ・・・レッツゴー、鉢中里市♪





    続く・・・多分・・・暇があったらwww


    【ここは秋葉原。

    電器屋とヲタクの聖地。

    まあ、最近ではいろんな人種が溢れているが…】



    人生で唯一の友人の葬式に参列した帰り、馴染みの店で友人が好んで飲んでいた酒を隣に置き、友の死を悼む。


    馴染みの店でいつもの酒でグラスを傾け、好きなタバコをくゆらせる。

    普段と同じ光景だがいつも隣にいたアイツがいない。



    「所長さん、タバコはずーっとその銘柄ですか?」


    普段は滅多に口を開かないマスターが、いつもと違う様子の私に気を使って声を掛けてきた。


    「ああ・・・このタバコを吸うと、セブンだのマイルドだの甘っちょろいタバコも、ホープだのピースだの辛いだけのタバコも吸えたもんじゃ無くなるんだ。」


    「ほー、私は仕事柄タバコを吸えないんでよくわからんのですが、そんなもんなんですかね~。」


    「ああ・・料理人やマスターみたいに舌が勝負の仕事している奴でタバコ吸う奴は信用出来ないからなぁ・・」


    「そうですね、私も以前行きつけのレストランでコックがタバコ吸っているのを見かけてその店行くのをやめましたね。」


    「ああ・・しかし、この世の中、酒とタバコと女以外に楽しみなんか無いのに、その1つを楽しめないなんて可哀想だな。」


    「ははは・・そうですね、その代わり私は博打をやっていますが・・フフフ、そのタバコは何を基準に最初に選ばれたんですか?」


    「クククッ・・・基準なんか無いよ、単にその頃好きだった年上の女がこのタバコを吸っていたのさ・・・」


    「おや・・・いい女だったんでしょうね~」


    「ああ・・勿論だ・・フフ」


    クククッ・・・それが単に好きな女優のオードリー・ヘプバーンだったなんて事は決して言わないが・・・


    馬鹿咄しはするが隣に置いたギムレットのグラスに触れる様な話は決してしない。

    プロのバーテンはこう云う処がいい。


    「マスター、もう1杯作ってくれ。」


    「はい、お1つでよろしいですか?」


    「ああ・・そうだな、こっちにも、もう1杯だな・・」


    「承知しました・・」




    アイツと一緒にグラスを傾けたこの店に、一人で来なければならなくなった理由を話そう・・




    アイツと初めて会ったのは、昔、探偵の修行で大手の事務所に居た時だった。

    アイツは俺とは違い、真面目な探偵で要領が悪くいつも所長に小言を言われていた。

    そう云う日の帰り道、たまたまこの店に寄るとアイツがギムレットを片手に鼻歌を歌っていた。

    軽く会釈をして隣に座り、同じくギムレットを傾けた。

    別になにを話すでもなく、タバコと酒を静かに楽しんだだけだ。

    その後も時々仕事の帰りにその店でアイツと一緒になったが、同じく何を話すでも無く、単に酒を隣で楽しむ間柄に変化は無かった。



    アイツと違ってマトモな探偵になる気が無かった俺は要領良く立ち回って所長に小言を言われる様な目にはあったことが無かったが、1度だけ俺の上手をいく奴に騙されて仕事をしくじった事があった。

    その依頼は、夜中にイタ電掛けて来て「クイズです・・」とかやる奴に騙されて懲役喰らったのでそいつをどうしても探して欲しいと云う依頼だった。

    貰った資料を元に無事探しだして依頼は完了・・・・のハズが、どうやら全くの別人だったらしく、その人物は依頼人に殺されるは、本物の奴は逃げ遂せるは、で事務所の信用を酷く傷つける事になった。

    勿論、所長はカンカンで1発でクビになった。

    その帰り道、その店に寄るとアイツがいつもの様にギムレットを傾けていた。

    いつもと違ったのは、アイツが話しかけて来たことだ。

    イヤイヤ・・・仕事の話しなんか全くしなかった。酒の話、女の話、・・他愛もないことばかり・・そんな気遣いがその時の俺には嬉しかった。

    それ以来、アイツと俺はお互いに人生で唯一の友人になった。



    アイツから珍しく電話が掛かって来たのは1ヶ月ほど前の事だった。

    何でも遺産が絡む殺人事件に関連した依頼で、その関係者の捜索をやっている最中、出張先の東北からの電話だった。

    電話の話自体は大した話ではなく、都内に居る関係者の所在確認を2,3俺に頼むと云う事で、1日で済む仕事だったので軽く引き受けた。

    しかし、その依頼をちゃっちゃと片付けてその報告をしようと次の日アイツに電話したが留守電になったまま・・・あの日以来アイツと連絡がつかなくなった。

    少々気になったが、仕事柄、潜入している時など連絡がつかなくなることは多々あるのでそんなには気にして無かった。

    しかし3日前、アイツの死体が東北のある県で発見された。

    いつもの様に警察から執拗な取り調べを受けて帰宅したのが、アイツの葬式の当日、今日の朝だった。

    寝るまもなくアイツの葬式に参列して、帰り道にいつものバーに寄ってアイツとギムレットを傾けたのだ。






    んんんんん?

    何?

    犯人?

    その後どうなったか?



    そんな事は知らない。



    へ?

    何を言っているんだ?



    俺はただ、何故友を失って1人で酒を飲んでいたかを話しただけだ。

    そう、最初に断ったじゃないか。



    オチ?

    何の話だ?



    いつも言っているじゃないか。




    ここは、読んだ・・・・


    A・・・あんたが

    K・・・キット

    B・・・バカを見る


    AKB探偵社!

    ようこそ!



    友よ、別れのギムレットを楽しもう・・・・




    閑話休題

    頭の中に誰かいる

     11, 2014 07:00


    「殺すぞ!」





    「殺すぞ!」「殺すぞ!」





    「殺すぞ!」「殺すぞ!」「殺すぞ!」





    もう長い間、この声が頭の中で怒鳴っている。





    365日、四六時中だ・・・





    最初は自分の頭が狂ったのかと思ってしまったが(文字通り気が狂いそうだったが・・・)いつの間にか少しずつ慣れが出てきて、最近は普通に生活出来るようになった。





    とはいえ、やはり・・・







    「ねぇ、ねぇ、のび太君!」





    (「殺すぞ!」)





    「あ、何?静香ちゃん。」





    (「殺すぞ!」「殺すぞ!」)





    「今日、晩御飯、何処か(「殺すぞ!」)美味しいとこに行きたいな~(「殺すぞ!」)」





    (「殺すぞ!」「殺すぞ!」「殺すぞ!」)





    「あ、うん・・・(「殺すぞ!」)そうしようか♪ (「殺すぞ!」「殺すぞ!」)





    (「殺すぞ!」)







    彼女とのデートの最中、会話・・・やっぱり、気になって仕方ない・・





    静香ちゃんは元ヤンキーで言いかねない言葉なので,もしかして静香ちゃんが言ったのか?!と思う時もあるので・・・





    そんなこんなで近頃は精神科に通っている。





    医者の診断は・・・「サッパリ理由が解らない・・・」





    ヤブ!!(「殺すぞ!」)あ、声に出たかも・・・



















    「殺すぞ!」





    「殺すぞ!」「殺すぞ!」





    「殺すぞ!」「殺すぞ!」「殺すぞ!」





    ポチ!





    う~ん・・・あ、朝か~・・・嫌な夢だったなぁ~





    「ちょっと~!何よ!この目覚まし時計~!!」





    「あ、静香ちゃん、おはよー♪」





    「おはよーじゃ無いわよ~!!何、目覚まし時計にこんな声録音してるのよ!」





    「え、あ、それは・・・」





    「あたしに対する嫌味?あたしを殺したいってわけ?!!」





    「あ、いや、そうじゃなくて・・・」





    「ざけんじゃねぇ~わよ!!ホントにぶっ殺すぞぉ~!!!!」





    バキ!ボコ!バキ!ボコ!・・・





    ぎゃ~~~~~夢なら醒めて~~~~!・・・・バキ!





    殺すぞ!!!!









    閑話休題

    悩み相談

     10, 2014 07:00


    「TBCラジオ、午後0:00になりました。0:05までお昼の生相談のお時間になります。今日1人目のご相談者です。」


    「こんにちは~~(^o^)丿」


    「こんにちは。おや、珍しい、とてもお若い相談者のようです(^O^)」


    「今日はとても悩んでいる相談があります!!!」


    「おやおや・・・それは大変ですね~・・どういったお悩みですか?」


    「は~い(^o^)丿、それは皆が、僕のことをちゃんとした名前で呼んでくれないって事です。」


    「おや、それは・・・」


    「どうすればちゃんとした名前で呼んで貰えるでしょうか~~~???」


    「う~ん・・・すこし詳しく教えて下さい。因みにお名前教えて頂いてもよろしいですか?」


    「は~い(^o^)丿。僕のお父さんの名前は【モウチン・ポウ】、お母さんの名前は【モウチン・ボ】で、僕の名前は【モウチン・ボウ】と言います!!」


    「おや、中国のお方ですか?」


    「は~い(^o^)丿。僕のお爺さんがラーメン屋さんをやりたくて日本に移住してきたそうです(^O^)♪」


    「そうですか~!・・・あ、脱線しましたが、ちゃんと呼ばれないとは・・なんと呼ばれるんでしょうか?」

    「は~い(^o^)丿・・・皆、僕のことをケチンボって呼ぶんです!!僕、全然ケチンボじゃありませ~~~~ん!!!!」


    「おやおや・・・それは・・・困りましたね~~~」


    「どうすれば良いですか~?」


    「え~~~、それは・・・今日は、ここで時間となりました。ごめんなさいね~、この続きは次回に・・・」


    ・ ・・・悩み相談が次回解決された試しは無い。そもそも5分で解決出来る悩み事なんて相談するか!!!


    と云うことで、毛珍 簿 の悩みは続く・・・・


    「僕は ケチンボ じゃありませ~~~~ん!!!!」


    閑話休題

    僕の彼女

     09, 2014 07:00
    僕の彼女の名前は、【みなみきわ いちご】。

    普通の女の子とはちょっと違っていて、まあ・・・ちょっと変わっている。

    誰にも秘密のカワイイ彼女だ。

    いちごは口がきけない・・・・

    だから何だと云うんだ!!

    いちごは目が大きくて、肌はスベスベ、とってもグラマーなのにスレンダー。

    理想的なプロポーションの持ち主だ。

    その上、とても柔順で、優しくて、僕のことをとても愛してくれる。

    僕の要求には何でも応えてくれて、いつも僕を天国に導いてくれる。

    これ以上に素晴らしい女性はこの世に居ない。

    ああ・・・いちご・・・愛している・・・

    今日も僕はいちごと愛し合う・・・

    ああ・・・最高だ・・・




    コンコン!コンコン!コンコン!


    えっ!あ、ヤバイ・・・



    「お~い!こうたろ~!いる~?」



    ヤバイ、幼馴染の林檎だ・・・



    「ちょ、ちょ、ちょっと待って・・」



    ガチャッ!



    「あ、待ってって・・・」



    「こうたろ~、あのね・・・」



    「あっ!」



    「えっ!・・・えっ!・・え~~~~~~っ!!!」



    「あ、いや、その・・・・」







    僕の彼女の名前は【南極1号】・・・・

    お口をぽかんと開けてたり・・ちょっと変わっている・・・・

    でも、カワイイ彼女だ。



    閑話休題


    【ここは秋葉原。

    電器屋とヲタクの聖地。

    まあ、最近ではいろんな人種が溢れているが…】


    20年ぶりの大雪が降ったその日、私は1年ぶりにこの街に帰ってきた。

    街にはいつもの様に人が溢れ、大雪の影響は感じられなかった。

    裏道の一角にある古びれた雑居ビルの4Fの我が事務所に戻る。

    扉を開けるとさすがにカビ臭い空気が漂っていた。

    すぐさま窓を開け放ち空気を入れ替える。

    凍て付く尖った空気が頬を刺す。

    その痛みもなんとなく心地よかった。

    我が家に戻ったのだ。

    何故、私がこの1年、この街を離れていたのか・・・

    その訳は・・・



    今から丁度1年前の2月、今日と同じ様に寒い日だった。

    その日は溜まっていた仕事が丁度全て片付いて暇を持て余していた。

    そこへいきなり飛び込みの客が訪ねて来たのだ。


    コンコン。


    「はい、どうぞ、開いてますよ。」


    「失礼します・・・。」

    ドアを開けて入ってきたのは、まさに絶世の美女。

    私の人生、ここまでの美人を間近で拝んだのは初めてだった。


    「あ、どうぞ・・・こちらへお掛けください。」


    ちょっと不自然にドギマギしながら中央のソファーを指さし仕事用のデスクから移動した。

    いつもの客用の安いお茶でなく、自分用のグラム3000円の美味いお茶を出したのは言うまでも無い。


    「寒かったでしょう、まあ・・・これで少し温まって下さい。」


    「あ、ありがとうございます。・・・頂きます・・・美味しい・・・。」


    「それは良かった・・・それで、どうされました?」


    まあ・・・いつもの事だが、こんな怪しげな探偵社に来る客の要件がマトモな依頼じゃないのは慣れっこだったが、その時の依頼は飛びきりのマトモじゃない依頼だった。


    「はい、・・・・・あの・・・・」


    「大丈夫です、探偵にも守秘義務がありますのでお話された事は決して誰にも漏らしません。」


    そんな事は嘘っぱちだ。

    国家資格も無い探偵に守秘義務も何も有るはずがない。

    だが、まあ、依頼者の全てがこの一言で口を開き始める。


    「はい、・・・・・お願いします!!!・・私を・・・私を・・・」


    「・・・落ち着いて・・・ゆっくりでいいので、話して下さい。」


    「私を・・・私を・・・殺して下さい!!!」


    はあ~~~~~!!!!

    またか・・・まさかこんな絶世の美女がこんな事を言い始めるとは・・・

    だがここで引き下がるほど私はヤワな探偵ではない。


    「あの・・困りましたね・・依頼は誠心誠意履行させて頂くのが我が事務所のモットーですが、犯罪はちょっとお受け致しかねますね・・・」


    「あ、いえ・・・本当に殺して欲しい訳じゃなくて・・・」


    「はあ・・では、どのような依頼でしょう?」


    「え~っと・・・私が殺されて、その死体が何処かに消えた様に見せかけて欲しいんです。」


    「はあ・・しかし、日本の警察はなかなか優秀でして完全に警察の目を晦ますのはなかなか難しいと思いますが・・・」


    「あ、はい、・・・・・ず~っとじゃなくていいんです。ほんの何日かで・・」


    「う~ん・・・・しかし・・警察を欺くとなると、ちょっとこちらの事務所的にまずいんですよね~・・」


    「・・・バレた時、絶対にこちらの事務所の事は秘密にします!私が1人でやった事にしますので、どうかお願いします!!」


    そんな言葉を鵜呑みにするほど私はお人好しじゃあ無いが、実際はそんな事が警察にバレたとしても大してマズイ事も無い、と云うのが実情だ。

    何故なら、警察に聞かれたらすぐ洗い浚い話してしまうからだ。

    ふふふ、当たり前だ。

    この稼業、警察に睨まれたら厄介この上ない。


    「う~ん・・・分かりました・・ただし、かなりのリスクを背負う事になりますので、依頼の料金はかなりの高額になりますがよろしいですか?」


    「ありがとうございます、ありがとうございます!・・・どこに行っても門前払いだったので、本当に助かります!」


    当たり前だろう。

    マトモな依頼がこんな依頼受けるはずがない。


    「では、料金のご相談ですが・・・今回の依頼の内容だと全額前金払でお願いすることになります。」


    「はい、大丈夫です。」


    ほ~!金額も聞かずに即答とは・・ちょっとふっかけても大丈夫そうだな・・


    「金額ですが・・全ての経費込みで・・・3千万円ほどになりますが・・」


    「分かりました・・どうお支払いすればいいでしょうか?」


    うわ!これは失敗した!もっとふっかけても大丈夫だったのか!!


    「あ・・・はい・・では、警察にバレないように現金でのお支払いをお願いしたいですね。」


    まあ・・・仕方ない。現金払いなら税金も払わずに済むので、よしとするか・・


    「あ、はい、・・・・・じゃあ、少し待って下さい。今、銀行からおろして来ます。」


    「あ、はい、・・・・・では、こちらはその間、依頼の準備に取り掛かります。」


    「お願いします。・・・本当に助かります・・・」


    それから直ぐに彼女から料金の支払いを受け、彼女にはそのまま姿を隠す様に伝えてそのままお帰り願った。



    ん?どんな準備をしたかって?

    そんなもんするわけがない。

    注射器で彼女の血液を少し抜き取らせてもらったので、後で適当な場所に車のスリップ痕を作り、その前にそれを垂らしておけば終わりだ。

    これだけで3千万か・・・

    悪くない。




    が、その次の日に状況は一変した。

    いつもの様に事務所で遅いモーニングコーヒーを楽しんでいたら、いきなり世話になっていた秋葉原署の秋元刑事が事務所に乗り込んできた。

    その目はいつもと違い険しく、言葉も剣呑で、私に事の重大さを認識させるに十分であった。

    彼女が遺体で発見されたのだ。


    それから数日間に及ぶ取り調べは苛烈を極めた。

    秋元刑事の、知り合いだろうがなんだろうが関係ない容赦無い執拗な取り調べに、もう少しで音を上げて事実を話してしまいそうになる自分に、必死に活を入れ耐え続けた。

    何故か?

    当然だ。ここで真実を話せば3千万はパーだからだ。

    こんな目に合わされた上に3千万迄失っては探偵の沽券に関わる。

    数日後、なんとか嫌疑不十分と云う事になり釈放された私は、その足で高飛びしてやった。

    なんせこちらには3千万もの資金があったんだから当然だ。

    ん?それでは容疑を深めるだろうって?

    ふん、そんな事は知ったことでは無い。

    日本の警察は結構優秀なのは身を持ってよく知っている。

    早晩真犯人が捕まるのは火を見るよりも明らかなのだ。



    そう云うわけで、私はこの1年この街を離れていたのだ。

    事務所の窓を開け放ち凍て付く空気に身を任せ、私は自分の居場所に帰って来たことを実感した。




    ん??

    何?犯人?

    何の話だ?

    私は単に1年間旅に出ていた訳を説明しただけだ。

    犯人なんか私の知ったことでは無い。




    え?

    何?オチ?

    何の話だ?




    ここは・・・

    読んだ・・・



    (A)あなたが


    (K)きっと


    (B)バカを見る



    AKB探偵社



    ようこそ!





    閑話休題

    優子と敦子

     07, 2014 07:00



    優子と敦子は二人きりで密室に並んで座っていた。

    日頃から仲が良すぎると廻りがあらぬ疑いを掛けるほどだった。


    並んで座っている二人の腕がそっと触れ合う。

    (あ・・)

    優子は思わず漏れそうになる吐息を飲み込んだ。

    (体が・・・全身が蕩けるほど熱い・・・)

    敦子も優子と同じく火照る体を持て余していた。




    「優子・・・」


    「敦っちゃん・・」


    そう、私達は肌を寄せ合う、そういう関係・・

    敦っちゃんが触れると私の体が焼けそうに熱い・・・

    思わず声が漏れてしまう。


    「ん・・・あ・・・」


    「敦っちゃん、・・・私もうダメ、体が溶けそう・・」


    「あ・・うん・・私ももう・・・・あ・・・ん・・・」


    「あ・・んんん・・もういきたい・・・」


    「うん・・・いいよ・・・」


    「あ・・・もうだめ~・・・いくね~・・・」


    「うん・・・」


    「優子は、まだ?・・・」


    「うん・・・」


    「良いの?私一人でイッちゃって・・・」


    「うん・・・いいよ・・・あとは私、一人で・・・」


    「そう・・じゃあ、先に、先にいくね・・・・」


    「うん・・・」


    敦っちゃんが先にイッちゃった・・・









    う~~~~~!!!あ、熱い・・・


    でも、負けたく無かったんだもん・・・


    勝った!!!


    サウナ♡♡♡♡


    閑話休題

    百獣の王の恋

     06, 2014 07:00

    百獣の王ライオン。


    その中でもこの草原の王者として君臨しているポン太。


    そのポン太が昼寝をしている所へシマウマの美味子がノコノコ近寄ってきた。


    しかし、その時ポン太は満腹で美味子を眺めているだけだった・・


    次の日、ポン太がまた満腹で昼寝をしている所へノコノコ近寄って来る美味子・・


    この日もポン太は美味子を眺めているだけだった・・



    また次の日も・・・


    そのまた次の日も・・・




    いつしかポン太は美味子に恋をした。


    百獣の王ライオンとシマウマの娘の恋・・・まさしく禁断の恋だった。





    ポン太は美味子と旅に出ることにした。


    それは王たる者がシマウマの娘にデレデレで、群れからも仲間達全てから相手にされなくなってしまったから・・・


    幾日も、幾日も、旅を続けるポン太と美味子・・・



    そして遂にポン太は飢え死にしてしまった・・・


    その横で何事も無かったように草原の草を美味しそうに食べる美味子がいた・・・






    餌は餌だよ、あん ポン太 ん!!!





    閑話休題

    ある日常 懐かしの風景

     05, 2014 07:00


    何時もの様に一日が終わり、今日も穏やかに食卓を囲む。

    懐かしのメロディ…定番の歌番組を眺めていると、よく父親が歌っていた歌が流れてきた。

    一緒になって口ずさむ…

    「リンリンリリン…リンリンリリン……」

    「あら?懐かしい♪よくお母さんが歌っていたわ♪」

    「おっ!そうなんだ♪うちは父親がよく口ずさんでいたよ!!」

    「へぇ~男の人がファンなんて珍しいわね?」

    「ん?なんで?」

    「だって、男の子の兄弟のアイドルだったらしいわよ」

    「イヤイヤ…親父の話じゃ、妹もいたらしいよ…」

    「あら?そうなんだ!(^-^)」

    「ああ…親父もアイドル好きだったんだなぁ~(^-^)」

    「あなたも好きよね~^_^;」

    「い、いや、なに、ちょっとだけじゃないか…」

    「ふん!どーせ、私よりまゆゆの方が好きなんでしょ!!(`Δ´)」

    「ま、まて!また、そんな方向に話を持っていくな!…」

    「だって…悔しいじゃないの…いつも、いつも、まゆゆ、まゆゆって…」

    「まあ…可愛いんだから仕方無いじゃないか…あ、違うぞ!お前が一番可愛いぞ!(;´д`)」

    「あら?o(*⌒―⌒*)oそう?」

    「ああ、勿論だ!」

    「なら、いいわ♪(^-^)」

    ふ~^_^;危ない、危ない…

    「そう言えば…続きってどんなだったかしら?」

    「ん?何の続き?」

    「何言ってるの?…リンリンリリン…の続き!」

    「ああ…それね…えーっと…明日は卒業式だから…………」

    「あ、そうそう…(^-^)」

    「で、サビが…君のテレホンナンバー…
    セックス、接吻、oh~♀oh~♀」

    「やだ!何言ってるのよ~(>_<)」

    「えっ?何って…親父がそう歌ってたから…」

    「もう、やだ!お父さんったら…^^;」

    「ん?違うのか?(>_<)」

    「違うわよ~(>_<)そこは、シックス、セブン、オー、オー!!なの!」

    「アララ…そうなんだ!ったく親父め!」

    「もう!あなたもあなたよ!そんな歌、あるわけ無いじゃない!」

    「う~ん…だって、歌っているグループがフィンガーテクニックってグループなら…ありそうじゃん♪」

    「キャー!!何言ってるのよ~(>_<)フィンガー5よ!フィンガー5!」

    「?そうなのか?」

    「そうよ、もう!なんなのあなたのお父さん!」

    「ふん!何言ってるんだ!お前だってフィンガーテクニック大好きじゃないか!!」

    「キャー!!急に何言い出すのよ~(☆o☆)」

    「ホラホラ~(^-^)」

    「キャッ♪…あん…ダメよ…(;´д`)」



    馬鹿ップルの夜は更けていく…WAOH!


    閑話休題

    面接

     01, 2014 07:00
    俺は鏡 陽一。

    超一流大学の首席を張ってる超・超エリート候補生だ。

    将来は超・超・超エリート間違いない。

    周りの皆が女と遊び回っていた時もひたすら勉学に励み、将来の事だけ考えて大学生活を送ってきた。

    その苦労が実りこの就活は向かうところ敵なし。

    すでに20社から内定を貰っている。

    しかし、本当の本命は今日面接を受けるA社である。

    うん?エリートなら官庁を何故受けない?って?

    ふん、あんなとこ年功序列で50過ぎるまで能なしの先輩たちにこき使われるだけ。

    本当のエリートは実力で勝負するもんさ。

    まあ・・・今日の面接も受かったも同然だけど・・・



    「やあ、鏡君。また一緒だね。」


    ちっ!またコイツか。

    この就活中しょっちゅう一緒になった嫌な感じの奴だ。

    イケメンなのを鼻に掛けてカッコばかりのイケスかネ~奴。

    大学も2流のくせして最終まで残りやがるんだよな~。

    ちっ!顔がいいだけでどんだけ得した人生送って来やがたんだろ。


    「ああ・・・君もまた最終まで残ったのかい?」


    「うん、運が良かったみたいでね。」


    ふん、そうだろよ。お前に実力があるはず無いもんな。


    「まあ、お互い頑張ろう。」


    「うん、そうだね。今回は鏡くんと一緒に内定貰いたいもんだなぁ~」


    フフフ・・・そうそう、最終までは残るけど、最後は僕が一人勝ちさ。


    「ねえ、この人がコウちゃんが言ってた鏡君?」


    なんだ?このド派手な女は?


    「あ、うん、そう。・・・鏡君、コイツ僕のこれ!」


    くわ~・・今どき小指立てるか?・・・てか、就活の最終面接に女連れてくるか~!


    「あ・・・でも、関係者以外入れないのでは?」


    「エヘヘ、私のパパ、ここの人事部長なの。」


    えっ!!!!


    「・・・あ、そうなんですか。・・・」


    「嫌だ、鏡くんたら・・いきなり敬語になっちゃった。フフフ・・・おかしい~」


    ・・・て、仕方ないじゃないか。人事部長なんだろ?


    「あ、いや・・・」


    しかし・・・まあ・・・ホントに派手な女だな・・谷間見えてるし、スカート短すぎだろ!


    「鏡くん、心配しないで良いよ。この子の父親は縁故なんかじゃ左右される人じゃ無いから。」


    ふん、誰がそんな心配するか。



    ガチャ・・・・面接室の扉が空いて・・・



    「では、次の方・・・」


    「あ、はい!」


    ヤツの番か。


    「コウちゃん、頑張ってねー」


    「うん、じゃ・・・鏡くん、お先。」


    「あ、うん。」



    あいつが面接室に入った途端、ケバ女が僕の横に座ってきた。


    「ね~、鏡くん・・・・」


    女の甘い匂いが僕の鼻をくすぐる。


    「わたし~、コウちゃんから鏡くんに乗り換えちゃお~かな~」


    甘い声で僕の耳元で囁いてきた。


    「え・・・あの・・・その・・・・」


    ・・・僕は勉強一筋でちょっと免疫が無いのだ。



    「ね~ってば~、鏡くんならきっとパパに気に入られると思うんだぁ~」


    ドンドン密着してきて腕に大きめの胸が当たってるし・・いい匂いだし・・・

    スカートから覗く足は結構綺麗だし・・・・

    僕はだんだん鼻息が荒くなって来てしまった。


    「コウちゃんに内緒で・・・この後どっか行かない?」


    とうとうケバ女が僕の手をとって自分の胸に押し付けてきた。

    柔らかいし・・・いい匂いだし・・・あ、やば・・・


    「あ、う・・・その・・・」



    ガチャ・・・


    「ありがとうございました・・・」


    「あ、コウちゃん、もう終わったの?」


    ケバ女は無い事も無かったようにあいつの横に立っていた。


    「では、次の方・・・・」


    あ、俺の番だ・・・・しかし・・・


    「次の方・・・・?・・・・鏡さん、いらっしゃいませんか?」


    「鏡くん、どうしたの?」


    あいつが声を掛けてきた。


    「あ、いや・・・」


    「君が鏡さん?どうしたんですか?さ、早く立って、部屋に入って。」


    「あ、いや・・・その・・・もう・・・・」


    立ち上がれなかった・・・だって・・・・


    「嫌だ!鏡くんたら・・あそこ勃ってる~~~!やらし~~~~~!!!!」


    ケバ女が大声で叫びやがった・・・・しかもあいつと二人で笑っていやがる・・・

    ハメられた・・・・

    くそ・・・・ハメたかったのに・・・・・






    勿論、採用通知は来なかった。





    閑話休題
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。