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    時の片~かけら  17

     30, 2012 07:00
    母校でもある長崎大学病院に早苗を伴い検査に向かった。

    病院に着くなり、両親が経営していた温泉旅館の常連でもあり、また幸治の後見人、恩師にも当たる脳外科の教授、諸熊を訪ねた。

    教授が信じるとは思えなかったがそれまでの個人的な付き合いの気軽さで幸治は早苗の話をありのまま話した。



    「まあ・・・先生が信じられるとは思いませんけど・・・そう云う感じなんです。」


    「おや?どうして私が信じ無いと決め付けるのかね?」


    「えっ?・・・だって、普通信じ無いと思いますよ・・・物理の法則無視ですもん・・・」


    「ハハハハハハ・・・幸治君、現在の物理の法則が絶対なんて考えちゃいかんよ。100年前の物理の法則が絶対では無かった様に、現在のそれも絶対では無いのだよ。」


    「ε=(・д・`*)ハァ…そう言われれば・・・そうですね・・・」


    「ふむ、で、早苗さんだったかな?・・・その、タイムスリップする前後に激しい頭痛がするんですね。」


    「あ、ハイ・・・歩くのもやっとみたいな感じでした。」


    そう答える早苗が教授をじっと見つめているのがちょっと不自然な感じで幸治は思わず早苗にそれを問いただした。


    「早苗さん、教授をそんな感じで睨む・・・というかマジマジと他人を見つめるのは失礼になるよ・・・どうしたの?」


    「あ・・・・ごめんなさい・・・私・・・つい先日・・10歳の幸治君とここに来たばかりで・・・その時の担当の先生が多分諸熊先生だった・・様な気がして・・・」


    「えっ?」



    教授と僕は同時に驚きの声を上げた。

    勿論、教授にハッピーアイスクリームはやらなかったが・・・



    「う・・・・む・・・そう言われてみれば、確かに幸治君の記憶障害の治療をやっていた時女将さんから記憶喪失のお嬢さんの治療を頼まれた覚えがありますねぇ・・・
    ただ、そのお嬢さんは記憶が戻って家に戻られたと、その後連絡がありましたが・・」


    「そんな事があったんですか?僕は全然記憶にないんですけど・・・」


    「うん・・・幸治君はその年の記憶が抜け落ちているからね・・・ふむ、お父さんの不幸が原因だと思っていたけど、早苗さんの話からすると早苗さんが10歳の幸治君の目の前から消えた事も幸治君の記憶障害の要因の一つになっている様な気がするねぇ・・・」


    「えっ?・・・ごめんなさい・・・私がご迷惑を掛けたばかりに・・・」


    「あ、イヤ・・そういう意味ではなく、記憶の障害には色々要素が重なる場合があるという話です。気にしないで大丈夫ですよ・・・なあ、幸治君。」


    「ええ、はい。早苗さん気にしないで。別に不便があるわけでもないし( ^ω^)・・・」



    既にこの時点で幸治は早苗の話を完全に信じる事に決めたようだった。



    教授はそれから医局や資料室等に10年前のカルテを探すように手配してくれたが、残念ながら既に廃棄処分になってしまったらしくその時の検査結果等は解らずじまいだった。

    それならばと、教授自ら早苗の検査を買って出た。

    最新の設備を使った検査となると費用もかなりの金額になるが、教授の研究目的と云う事で無償にて・・・これは幸治と早苗には有り難かった。

    以前とは違い、検査結果もその日のうちに出る。

    早苗と幸治は病院の談話室にて結果を待つことにした。


    「幸治君・・・」


    早苗がちょっと言いにくそうに口を開いた。


    「うん?何?」


    「私ね・・・本当は観光に長崎に来たの・・・」


    「ああ・・・そうだね・・・」


    「でも、全然観光してないんだ・・・どっか案内してくれる?」


    「ハハハハハハ・・・そんなことか~・・・深刻そうに何事かと思っちゃったよ。オッケイ!結果を聞いたら案内してあげるよ。」


    「本当に?・・・嬉しい。ありがとう!」


    「どういたしまして♬・・・どこから行こうかなぁ~・・」


    「お任せします!よろしくねっ!」


    そんな話をしながら時間を潰していると、結果が出た旨の知らせが来たので教授の部屋に向かった。


    「教授、どうですか?何か分かりましたか?」


    部屋に入るなり幸治が教授に声を掛けた。


    「ハハハ・・まあ、二人共掛けなさい。」


    「あ、スイマセン!気が急いてしまって・・・」


    自分より緊張している幸治を見て早苗はちょっと嬉しくなった。


    「まず、検査の結果・・肉体的に異常と思える所はありませんでした。健康体そのもの・・・です。」


    「そうですか・・・・ヨカターヨ・゚・(ノД`)・゚・・・」


    またまた、自分より安心している幸治に早苗は思わず笑顔になった。


    「良かったね、早苗さん・・・」


    笑顔の意味を多分幸治は取り違えていると思ったが、それを口に出す事は出来ずに早苗は幸治に頷く。


    「しかし・・・・ちょっと不思議な事が解ったんです・・・」


    教授の言葉に若干不安そうに二人は顔を見合わせた。


    「なんでしょう・・・・私は大丈夫です。ハッキリ言って下さい。」


    早苗の気丈な言葉に諸熊は笑顔を見せながら続けた。


    「この写真を見てください。」


    MRIで撮影した早苗の脳の断片写真だった。


    「早苗さんの・・・ここの部分だが・・・普通ここはナイトヘッドとかスリープブレインとか呼ばれる部位で、ほとんど活動してないんだけど、早苗さんの場合この部位の活動が非常に活発になっています。」


    「え・・っと・・・教授、それは何を意味するんですか?」


    「うん・・・・それなんだが・・・・・」


    教授の言葉が途切れ言いにくそうなのが二人を不安にさせた。


    「先生・・私は大丈夫ですから・・・ハッキリ言って下さい。」


    再び早苗が気丈に問いかけた。


    「う~ん・・・・・それは・・・・」


    息を飲む二人。




    「・・・・わからん!」




    教授の言葉に二人が文字通り・・・・ズッコケた。



    閑話休題




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    こちらより




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