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    背徳のラプソディ―

     12, 2012 19:00
    嫌な事ばかりが続き、タカシは会社に有給を申し出て部屋を移る事にした。

    どうにも、やり切れない気分だったのだ。


    凛も、勤め先の市役所住民課をしばらく休む事にした。

    仕事がら、休みは取りずらかったが、仕事より重要な問題を抱えていたのだ。




    タカシの引っ越しは無事終わり、ひと月程過ぎたある休日の午後。

    買い物から戻ったタカシは、テーブルの上に置かれた手紙を見付けて血相をかえた。

    乱暴に開封して、全部を読み終える前に玄関を飛び出した。


    それを、凛は遠くの木陰からソッと覗いていた。

    凛の頬に、涙がつたった。



    (ごめんなさい。私の事は、もう忘れて!?)

    (私が、馬鹿だったの。)

    (一時でも、他の人を好きになった私が悪いの。)

    (貴方を忘れて、よそ見をしてしまった馬鹿な私をどうか許して!?)

    (本当に大切な人だったのを、失って気付くなんて…)

    (ああ~!こんなに貴方が好きだったなんて…)



    タカシは、辺りをぐるぐる見渡す。

    走りながら、必死に探していた。

    険しい表情で、携帯を耳にあて、懸命に話している。

    それでも目では凛を探していた。


    (ああ~!そんなに私を探さないで。
    私は貴方の前には、もう現れてはいけない女なの。)

    (駄目 駄目 私は汚れてしまった背徳の女なの。捜しちゃ駄目なの。)

    (タカシ…、愛してる。愛してるけど駄目…)


    その時、タカシの視界を一瞬凛の姿が掠めた。

    凛もそれを察した。

    踵を翻して逃げようとする凛。

    タカシは、それを全力で追った。

    街中に届けとばかりに、声を張り上げ凛の名を叫びなから。


    そして、ついにタカシは凛の肩に手を掛けた。


    (嫌、駄目よタカシ)

    タカシは凛を後ろから羽交い締めにし、全力で抱き締めた。


    「決してこの手を離しはしないぞ!。」

    タカシは、天まで届けとばかりに叫んだ。

    (ああ…タカシ…
    それ程迄に私を愛してくれているなんて…。)






    「間にあいましたか?」

    警官が声を掛けた。

    「はい…」

    返事をしながら、タカシは、手紙を警官に渡した。

    警官は、手紙を読むと徐に手錠を掛けた。



    凛の腕だった。


    手紙に、こう記されてあった。



    (何処へ引っ越ししても無駄よタカシ!

    貴方が何処に住んでいるかは、私には解るの。

    貴方は一生私のものよ。

    今度逃げたら、殺します。)





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    こちらより


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