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    (有)AKB探偵社 6 友よ別れのギムレットを

     12, 2014 07:00


    【ここは秋葉原。

    電器屋とヲタクの聖地。

    まあ、最近ではいろんな人種が溢れているが…】



    人生で唯一の友人の葬式に参列した帰り、馴染みの店で友人が好んで飲んでいた酒を隣に置き、友の死を悼む。


    馴染みの店でいつもの酒でグラスを傾け、好きなタバコをくゆらせる。

    普段と同じ光景だがいつも隣にいたアイツがいない。



    「所長さん、タバコはずーっとその銘柄ですか?」


    普段は滅多に口を開かないマスターが、いつもと違う様子の私に気を使って声を掛けてきた。


    「ああ・・・このタバコを吸うと、セブンだのマイルドだの甘っちょろいタバコも、ホープだのピースだの辛いだけのタバコも吸えたもんじゃ無くなるんだ。」


    「ほー、私は仕事柄タバコを吸えないんでよくわからんのですが、そんなもんなんですかね~。」


    「ああ・・料理人やマスターみたいに舌が勝負の仕事している奴でタバコ吸う奴は信用出来ないからなぁ・・」


    「そうですね、私も以前行きつけのレストランでコックがタバコ吸っているのを見かけてその店行くのをやめましたね。」


    「ああ・・しかし、この世の中、酒とタバコと女以外に楽しみなんか無いのに、その1つを楽しめないなんて可哀想だな。」


    「ははは・・そうですね、その代わり私は博打をやっていますが・・フフフ、そのタバコは何を基準に最初に選ばれたんですか?」


    「クククッ・・・基準なんか無いよ、単にその頃好きだった年上の女がこのタバコを吸っていたのさ・・・」


    「おや・・・いい女だったんでしょうね~」


    「ああ・・勿論だ・・フフ」


    クククッ・・・それが単に好きな女優のオードリー・ヘプバーンだったなんて事は決して言わないが・・・


    馬鹿咄しはするが隣に置いたギムレットのグラスに触れる様な話は決してしない。

    プロのバーテンはこう云う処がいい。


    「マスター、もう1杯作ってくれ。」


    「はい、お1つでよろしいですか?」


    「ああ・・そうだな、こっちにも、もう1杯だな・・」


    「承知しました・・」




    アイツと一緒にグラスを傾けたこの店に、一人で来なければならなくなった理由を話そう・・




    アイツと初めて会ったのは、昔、探偵の修行で大手の事務所に居た時だった。

    アイツは俺とは違い、真面目な探偵で要領が悪くいつも所長に小言を言われていた。

    そう云う日の帰り道、たまたまこの店に寄るとアイツがギムレットを片手に鼻歌を歌っていた。

    軽く会釈をして隣に座り、同じくギムレットを傾けた。

    別になにを話すでもなく、タバコと酒を静かに楽しんだだけだ。

    その後も時々仕事の帰りにその店でアイツと一緒になったが、同じく何を話すでも無く、単に酒を隣で楽しむ間柄に変化は無かった。



    アイツと違ってマトモな探偵になる気が無かった俺は要領良く立ち回って所長に小言を言われる様な目にはあったことが無かったが、1度だけ俺の上手をいく奴に騙されて仕事をしくじった事があった。

    その依頼は、夜中にイタ電掛けて来て「クイズです・・」とかやる奴に騙されて懲役喰らったのでそいつをどうしても探して欲しいと云う依頼だった。

    貰った資料を元に無事探しだして依頼は完了・・・・のハズが、どうやら全くの別人だったらしく、その人物は依頼人に殺されるは、本物の奴は逃げ遂せるは、で事務所の信用を酷く傷つける事になった。

    勿論、所長はカンカンで1発でクビになった。

    その帰り道、その店に寄るとアイツがいつもの様にギムレットを傾けていた。

    いつもと違ったのは、アイツが話しかけて来たことだ。

    イヤイヤ・・・仕事の話しなんか全くしなかった。酒の話、女の話、・・他愛もないことばかり・・そんな気遣いがその時の俺には嬉しかった。

    それ以来、アイツと俺はお互いに人生で唯一の友人になった。



    アイツから珍しく電話が掛かって来たのは1ヶ月ほど前の事だった。

    何でも遺産が絡む殺人事件に関連した依頼で、その関係者の捜索をやっている最中、出張先の東北からの電話だった。

    電話の話自体は大した話ではなく、都内に居る関係者の所在確認を2,3俺に頼むと云う事で、1日で済む仕事だったので軽く引き受けた。

    しかし、その依頼をちゃっちゃと片付けてその報告をしようと次の日アイツに電話したが留守電になったまま・・・あの日以来アイツと連絡がつかなくなった。

    少々気になったが、仕事柄、潜入している時など連絡がつかなくなることは多々あるのでそんなには気にして無かった。

    しかし3日前、アイツの死体が東北のある県で発見された。

    いつもの様に警察から執拗な取り調べを受けて帰宅したのが、アイツの葬式の当日、今日の朝だった。

    寝るまもなくアイツの葬式に参列して、帰り道にいつものバーに寄ってアイツとギムレットを傾けたのだ。






    んんんんん?

    何?

    犯人?

    その後どうなったか?



    そんな事は知らない。



    へ?

    何を言っているんだ?



    俺はただ、何故友を失って1人で酒を飲んでいたかを話しただけだ。

    そう、最初に断ったじゃないか。



    オチ?

    何の話だ?



    いつも言っているじゃないか。




    ここは、読んだ・・・・


    A・・・あんたが

    K・・・キット

    B・・・バカを見る


    AKB探偵社!

    ようこそ!



    友よ、別れのギムレットを楽しもう・・・・




    閑話休題
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