スポンサーサイト

     --, -- --:--
    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。

    百鬼夜行抄 外伝 Ⅲ  1

     01, 2015 07:00







    僕は、小泉純一郎。

    有名な元総理と同姓同名・・・

    でも、全く赤の他人。


    僕のおじいちゃんは、小泉八雲・・本名(旧姓)ラフカディオ・ハーン。


    おじいちゃんは怪談話ばかり書いていた小説家だ。

    でも、でも、おじいちゃんは作り話を書いていたのではない。

    おじいちゃんの実体験を書いていたのだ。

    そう・・・おじいちゃんには全て見えていたのだ。


    僕もその血を受け継いでいて、色んなものが見えちゃうんだよなぁ~・・・

    この血は隔世遺伝らしく、僕の父にはその能力が無い。

    というか、その存在すら知らない・・・らしい。

    おじいちゃんの話によると、能力がある者にだけきちんとした話をするらしい。


    僕の能力をおじいちゃんが見つけたのは、妹の今日子が病気で死にそうになっ

    ていたときに僕がそばにいた死神を追い払おうとした時だ。

    その場にいた父や母は僕が何をしているのか分からず、ただ、妹の死に直面し

    て癇癪を起こしていると思っていたみたい。

    ただ、おじいちゃんにも死神が見えていたので、僕の行動はおじちゃんにはハ

    ッキリと僕の能力を確信させたものになったようだ。

    残念ながら、死神を追い払うことはおじいちゃんにも出来ないらしく妹は死ん

    でしまった。

    ただ、余りにも僕が悲しむのでおじいちゃんはそれを見かねて僕の式神になる

    はずだった妖魔を妹のなかに入らせて妹を・・・妹の体だけだが・・・生き返

    らせた。


    代々、式神とはコノ血を受け継ぐものの伴侶、または執事として生涯仕えるも

    のらしい・・

    だから今、今日子に入っている妖魔は、本当は僕の奥さんになるはずだった・・・

    みたい。

    そのせいか・・・・すっごいヤキモチ焼きだ。

    時々、手に負えない・・・・。


    しかし・・・・まあ・・・こいつのおかげで父や母は妹を失う悲しみを味合わ

    ずに済んだし、僕も姿形だけでも妹と過ごすことが出来ているので文句は言え

    ない。

    その上今日子に入っている式神は朱雀と云って結構有名な守り神らしく、召喚

    したおじいちゃんも羨ましがっていた。



    まあ、そんなこんなで・・・・おじいいちゃんが亡くなった後、色んなものが

    見える能力を引き継いだ僕にはおじいちゃんの知り合いを通して様々な依頼が

    来るようになった。

    迷惑な話だ。

    しかも・・・来た依頼を結構サクサク解決してしまったので、その世界でそこ

    そこ有名になってしまった。

    そうなるともっと依頼が来るようになり・・・・悪循環だ・・・・・

    父や母を心配させないように僕はこの能力を秘密にしているので、色んな出来

    事を隠すのも一苦労なんだ。

    そんな苦労も知らないで、今日子(朱雀)のバカがやってくれちゃった。

    それは或る日、僕が夏休みのゼミ合宿から帰った時の事・・・・






    僕の家は通りから少し奥まった場所にある。

    勿論、おじいちゃんがその能力で選んだ場所なので普通は物の怪の類いは近寄

    れない。

    特に最近は僕がカラス天狗とか色々な妖怪を下僕にしたものだからちょっとや

    そっとでは物の怪は玄関先すら入れない感じになっている。

    だがその日合宿から戻って家の玄関に入った途端に家の中の様子がおかしいのに気がついた。


    いや・・・その前に、家に通じる脇道に猫バスが止まっていたのでちょっと変だなとは思っていたんだけど・・・



    「ただいま・・・」


    「あら?おかえりなさ~い、純ちゃん暑かったでしょ?ささ、奥で冷たいお茶でも飲みなさいな・・・・」


    いつもの様に何も知らない母がニコニコと出迎えてくれた。


    「あれ?今日子は?」


    いつもなら何日も留守にした後帰ったら今日子が一番にすっ飛んで来るはずなのに・・・・


    「あ、今日ちゃんはお客さんのお相手をしてるのよ。」


    「お客さん?誰か来てるんだ。」


    「そうなの、ちょっと近くで乗ってたバスが故障して修理するまでお客さんをしばらく休ませてください、って運転手さんがお願いにいらしてね。」

    「ふ~ん・・・」


    バスねぇ~・・・・脇道にあった猫バスがそうだとしたら、普通の客じゃ無いよなぁ~・・・・



    取り敢えず、喉を潤しにキッチンへ行って冷たい烏龍茶をタップリ流し込んで徐ろに居間へ行ってみると・・・案の定だ。


    「あ、こんにちは。こちらのお坊っちゃんですか~?」


    「あ、こんにちは。どうも、お邪魔してます。」


    「こんにちは~。休ませて頂いて助かってます。」


    部屋に入った途端にあちこちから声が掛かった。


    「あ、はい・・・どうも・・・」


    とてもじゃないけど機嫌よく挨拶を返す気分になれない相手ばかりだった。


    そばに居た今日子がこちらをチラ見してすぐに視線を逸らしたのは、僕が思いっ切り睨んでやったからだ。


    「今日子、ちょっとこっちに・・・・」


    ちょっとだけ怒気を込めた声で今日子を自分の部屋に呼んだ。



    部屋に入ってきた今日子は俯いたまま黙っている。

    叱られに来た子供の様に・・・

    当然だ、怒るに決まってる。


    「今日子、どういう事なんだ。ちゃんと説明してもらおうか。」


    「ゴメンナサイ・・・だって・・・仕方無かったの・・・」


    「何が仕方ないんだ。あんなもの家にウジャウジャ入れてどうすんだよ!」


    「だって・・・・どうしてもって、運転手さんが・・・」


    「ばか!!運転手さんがって、あんなもん乗せてるバスの運転手が普通じゃないのはわかってるだろ?」


    「それは・・・・だって・・・・」


    「だって、だって、って、何なんだ。」


    「・・・・だって、運転手さん、ネコ娘だったんだもん。」


    「猫娘が何だってんだ!・・・こら!!そこに隠れてるカラス天狗!!お前も居たんだろ!」


    「・・・・はい・・・しかし、若様・・・ワシも朱雀も・・元は鳥でして・・猫はどうも・・・苦手なんですよ~」


    いつもの威勢の良さはどこかに飛んで行ったらしい。


    「あ~もう!!合宿から帰って来たばかりでクタクタなのに、あんなもん相手にしたくないぞ!お前たちで何とかしろよ!」


    「え~~~!おにま、そんな事言わないでよ~」


    「若様、何卒お許しを!これこの通り!!」


    胸をそってくちばしを空に向かって立てながらカラス天狗が頼み込んで・・・って・・


    「こら~!!!それがものを頼む態度か!!」



    ””ばし!!!!””



    思い切り引っ叩いてやった。



    「あいや~~~!いや、あの、天狗の精一杯のお詫びの態度なんです~~~」


    ふ~ん・・・そうなんだ、天狗ってこんな時も態度がでかいんだ。


    まあ・・・そんな事はおいて置くとして・・・


    どうしたもんかな~、あの物の怪の集団・・・・・




    つづく
    関連記事
    スポンサーサイト

    COMMENT - 0

    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。