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    (有)AKB探偵社 9 ~週末の予定(1) 

     14, 2016 07:00


    ここは秋葉原。

    オタクの聖地。

    もっとも最近では色々な人種が入り乱れてごった煮の様相を呈してはいるが・・・

    我が(有)AKB探偵社はその秋葉原で老舗の探偵社になってきた。

    依頼は人を問わず受けるし(貧乏人には貧乏人向けのお手軽調査があるのさ♪)他の探偵社に比べてはるかに仕事が早い(まあ・・・手抜きという言い方もある♪)人気の探偵社だ。

    しかし、最近になって「大川端探偵社」や「匿名探偵」等、新興の探偵社が幅を効かせ始めて、我が(有)AKB探偵社はちょっと不景気気味だ。

    なんせあちらは「オダギリジョー」とか「高橋克典」とか探偵の名が売れている。

    名も無き探偵は辛いところだ。



    現在、私は政府機関によって隔離施設に幽閉されている。

    こんな状況はクソッタレだ。

    畜生!!・・・・

    この忌々しい出来事の内容を話そう・・・・・



    思えばここに事務所を構えてもう10年か・・・・。

    速いもんだな・・・・と、らしくない感傷に浸っていたら災厄が訪ねてきた。

    勿論、その時は災厄などとは思ってもいなかった。

    全く酷い目に遭ったもんだ・・・・。


    その災厄は2月初旬の木曜日にやって来た。

    寒さが厳しい日で(しかも2月なんて仕事は少ないし)懐にも木枯らし(季節はズレるが・・・そう言う感じだったのだ)が吹いていた。

    そこに鴨が葱を背負って来た(筈だった)。


    コンコン・・・

    ふん、ノック2回・・ここはお前ん家のトイレじゃね~ぞ・・・とは言わず・・


    「はい、どうぞ。」


    (挨拶は)出来るだけ明るい声で(が、モットーなので)・・・・

    ガチャ・・・


    「こんにちは。失礼致します。」


    入って来たのは中年の男だった。

    珍しい客層だな・・・と、思いながら目は品定めに疾走させた。

    着ているスーツはバーバリー、靴もピカピカの1点物風、背筋はしゃんと姿勢良く、かなりの上客と踏んだ。


    「どうぞ、こちらへお掛け下さい。」


    にこやかに、朗らかに、中央のソファーへと導いいた。

    即座に上客専用のグラム3000円のお茶を淹れる。


    「寒かったでしょう。・・・熱いお茶でもいかがですか。」


    「・・・や、これは有り難い。少々こちらを探すのに手惑いまして体が冷えてしまったので助かります。」


    客がお茶を飲んで一呼吸入れるのを黙って待った。

    こういう所は辛抱強いのが一流の探偵(決して詐欺師ではない!)の条件なのだ。


    「・・・ありがとうございました。生き返りました。」


    「いえいえ・・・・では、お話を伺いましょう。」


    「あ、はい。・・・こちらは週末等はお休みなんでしょうか?今週の週末の予定はいかがなんでしょう?」


    「はあ・・・かなりお急ぎの御依頼のようですね。まあ、普段は大体暦通りの営業ではありますが、ご要望があれば休日返上で調査致します。但し、若干の割増料金にはなりますが・・・。」


    「あ、はい、それは勿論構いません。兎に角緊急時なので金額に糸目は付けませんので早急にお願いしたいのです。」


    ウホ~!!これは久々のウルトラカモかも知れない!!!


    「分かりました。(慎重に品定めしなくては・・・)それでは、依頼の内容等お話頂けますか?」


    「・・・その前に今回の件は国家機密に属しますのでこれにサインをまず頂きたいのですが・・・・」


    男は1枚の書類をテーブルに置いた。

    おいおい・・・・国家機密?・・・はぁ~、これまた奇人変人の類かいな~・・・

    まあ、場所柄こんな奴が訪ねて来る事は日常茶飯事ではあるが、久々のカモだと勘違いした自分が情けなかった。

    人を見る目には自信があったのになぁ~・・・と、思いながら取り敢えずその紙切れを手にとって眺めてみた。

    目が飛び出そうになった。

    以前、大手他社の仕事を手伝っていた時に1度だけ目にした事がある「内閣情報局機密情報守秘誓約書」がそれだった。


    「えっ?えっ!」

    思わず驚きの声が出てしまった。


    「あ、さすがですね。見ただけでお分かりになられたんですね。上下(かみしも)調査官のご紹介通り、敏腕でいらっしゃる。」


    ・・・・かみしも?・・・そんな奴は知らんぞ?・・・それは取り敢えずおくびにも出さない様にして・・・・


    「はあ・・・解りました。こちらにサインすればよろしいんですね?」


    「はい、申し訳ありませんが、事が事だけに・・・よろしくお願いします・」


    サインはしたが・・・・なんでうちなんだ?と云う疑問が拭えずつい聞いてしまった。


    「うちのことは・・・かみしもさん・・から、どういう風にお聞きになっていますか?」


    「あ、はい、以前政府関係の重要事案を何度も見事解決なされた非常に優秀な調査員でいらっしゃるとうかがっております。」


    う~む・・・・全く身に覚えがない・・・これは・・・もしかすると・・・・


    「今回の事件が起こり我が方では全く対応が出来ないものでお力をお借りしたいと相談した所、こちらのアーカイブ探偵社さんに、という話になったのです。」


    あ~~~!やっぱり・・・・・アーカイブか・・・外務官僚出身の黒田とか織田とか云う奴がやってる事務所だった。

    確かに凄腕と云う噂は聞いていたが・・・・。

    さて、どうしたもんか?このまま受けていいもんか?ちゃんと教えてやるべきか?・・・・

    ・・・考える事は無く、答えは決まってる。

    こちらが間違ったわけでもあるまいし遠慮はいらんさ。

    と、云うわけで「アーカイブ」の名前は聞かなった事にして話を進めた。

    勿論、後々相手に騙されたなどと難癖を付けられては困るので、そこら辺は上手に・・・


    「はあ・・・確かに私が本庁にお世話になっていた頃(警視庁=本庁、以前本庁の警部にお世話になっていたので嘘ではない!別に外務省に在籍していたと言ったわけじゃない)何度かお話させて頂いた事があるかも知れません(あくまでも「あるかも」だ)。その後このAKBを(さり気なく事務所名も伝えたし)立ち上げて今日に至ります。」

    うん、これでエクスキューズは完璧だ。


    「はあ、そうでしたか。・・・・心強い限りです。よろしくお願いします」


    「では・・・ご依頼の内容をお聞かせ下さい。」


    「はい、では・・・」

    依頼の内容は、はっきり言って私の手には余るものだった。と、云うよりはあり得ない事実とあり得ない依頼であった。



    閑話休題
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