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    終末の予定 6

     22, 2016 07:00



    拡散 pandemia




    父八満仁寫による娘(八満 杏)殺人未遂事件は、妻伊縫を亡くした仁寫のショックから来た心神喪失状態と判断され不起訴処分となり杏は犯罪者の娘の汚名を着ることはなかった。

    その後数日精神的安静のため入院したが母方の祖母に引き取られる事となった。

    事件の性質上父方が引き取るには障害があったためである。

    祖母と二人で暮らし始めた杏は生来の明るさを取り戻しまわりの全ての人々から暖かく育まれていった。

    叔母に当たる安倍静江の息子、安倍美於士(あべみゅうじ)は2歳年下になるが杏にとても懐き小学校、中学校と常に側にまとわり付いているほどであった。

    杏自体も小・中・高と学業優秀、性格もよく友人クラスメート、誰も杏を悪く言うものはいなかった。

    しかし・・・・・いつも側にいた美於士は杏の本質を知っていた。

    ある時美於士は杏に言った。


    「杏姉ちゃんは悪魔だよね~。」


    「何よ急に。何の話よ。」


    杏も美於士に対しては実は飾らず接していたので、悪魔呼ばわりされても別にどうという事もなかった。


    「だって・・・皆の人気者で勉強は出来るし、お金も死んじゃった親の遺産をたくさん持ってる・・・なのに婆ちゃんのお金以外一切遣わないし・・・」


    「なんだお金の話?」


    「お金の話って・・・お金は重要だろ~?」


    「何よ、アンタお金目当てであたしにくっついてんの?」


    「いやいや、違うよ~!!そんな事言ったら姉ちゃんに殺されそうじゃん、ハハッ!」


    「当然、生かしちゃおかないわよ、ふん。」


    「こわいこわい、ハハハ・・・そうじゃなくて、と言うか姉ちゃんのそういう所が良いんだよねぇ~。」


    「・・・・何言ってるんだか・・・アンタもちょっと壊れてるのね・・」


    「・・・う~ん・・・そうなのかな~」


    そんな感じで少女期思春期を寄り添いながら過ごした。

    勿論その時期にも杏の周りでは・・・・

    杏にだけ懐かず前を通るだけで激しく吠え立てる近所の犬が何時の間にか行方不明になったり、杏に言い寄って来たのに実は本命の彼女が居た二股男子が修学旅行中に深夜遊びに出かけたまま行方不明になったり、等他にも幾つもの不穏な出来事があった。

    しかし、人柄も良く成績も優秀で誰からも好かれる杏にそれらの出来事に関する疑惑が持ち上がることはなかった。


    そんな或時、美於士が恋をした。


    福島県会津若松市門田町大字黒岩嫋竹ケ丘と云うかなりの田舎町から転校してきた娘に一目惚れしたらしい。

    その娘の名は、輝夜 媛(かぐや えん)と言った。

    杏が影から除き見た所、確かにそこらの少女から抜きん出て可愛かった。

    しかも美於士から取り持ちを頼まれ、それを仕方無く引き受けて、杏がさり気なく近づいた時も全く警戒すること無く杏を受け入れるなど性格も良かった。

    杏はこう云う人間が一番嫌いだったが、そこは生来の表面(おもてづら)の良さを発揮しあっという間に媛から慕われるようになった。

    以後は適当に美於士を売り込み、それに乗じた美於士自身の頑張りもあってめでたく美於士の恋は成就することに相成った。

    それから2年後杏は珍々堂医科大学に合格し、二人よりも一足早く大人の階段を登り始めた。



    閑話休題
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