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    終末の予定 11

     27, 2016 07:00






    破滅 catastrophe (1)




    「あん・・・あ・・・史さん・・・・あ、いい・・・」


    「杏・・・・ああ・・・もう・・・」


    「うん・・・いいよ・・・・あ・・・・ああ・・・」



    美於士と媛を見送った後、杏は史に抱かれながらこれからあの2人がどうなるのか想像していた。

    そのまま上手くいくのか、それとも破局を迎えるのか、杏にはどちらでも良かったが・・・。

    今の杏には2人は不要になり始めていたのだ。

    特に史の金の無心には用心するように必要以上言い募る媛には疎ましささえ感じ始めていた。

    元々、美於士を側に置く為の駒でしか無かった媛にそれほどの愛着は無かった。

    あれほど側に置こうと執着していた美於士さえ今の杏は遠ざけたい気持ちが強くなっていたのだ。

    均衡を保っていた2人の関係を崩したらどうなるか・・・

    想像したら楽しくなって媛に薬を盛って美於士をけしかけたのだ。




    藤原 史は2人を見送った後、杏を抱きながら媛の事を考えていた。

    杏と付き合い始めてしばらくしてから、幼なじみの2人を紹介された。

    従兄弟の美於士とその恋人の輝夜 媛。

    史は媛をひと目見た時からその美しさに惹かれていた。

    流石に今は財布(杏)の機嫌を損ねる訳にはいかなかったので、しばらくはじっと我慢するつもりだった。

    しかし・・・・・今日の媛を見てその我慢が限界に来ていることを自覚した。

    あれだけの酒であんなに酔うなら簡単に手に入りそうだ。

    昨日、100万の為に杏を実家へ招き両親に紹介したが、元から史には杏との結婚など選択肢にも入って無かった。

    あと数百万ほど引き出したらポイ捨てするつもりでいた。

    今までは教授に繋がりのある娘との縁談だけが史の唯一の選択肢だった。

    しかし・・・・・あの美しい媛が手に入るなら准教授の椅子さえ惜しくは無い。

    そう考えながら杏の中で史は果てた。




    美於士から陵辱され、そのまま美於士が眠りについた後、媛は今日の出来事を考え続けていた。

    いくら自分が酒に強くは無いとはいえ、あれだけの酒で前後不覚に陥ることは有り得なかった。

    しかし、美於士が何か薬を盛る等有り得ない。

    そんな冒険が出来る男なら8年も子供騙しに近い「キス迄条項」なんて約束を守るはずがなかった。

    では、一体誰がこんな事を美於士にけしかけたのか?

    答えは一人、杏しかいなかった。

    それが媛には信じられない。

    転校して一番つらかった時に親身になって助けてくれた、あの優しい杏がこんな酷いことを媛にするはずはない。

    しかし、他には考えられない。

    媛の頭は爆発しそうだった。



    媛の中にあった美於士への情は今日の事で既に消え去った。

    ただ・・・杏への思慕は僅かな可能性にすがる様に心にしがみついていた。

    次の朝、目が覚めて媛への謝罪を繰り返す美於士を適当にあしらい帰らせると、媛は祖母の家へ急いだ。

    その後10日ほどかけて杏の過去を丹念に調べ、全ての感情を排除して検証していった。

    媛はその結果に恐怖した。

    両親、祖母、同級生・・・・杏が殺したであろう人々の亡霊がその地に蠢いていた。

    自分に対する杏の優しい仮面の裏には夜叉の顔があった。

    媛の杏に対する思慕の情は怨恨へと変化していた。


    「どうやって復讐してやろう・・・・」


    故郷から帰る道程で既にその答えは出ていた。




    閑話休題
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