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    終末の予定 16

     01, 2016 07:00




    始めから定まりし終わりの理 Termination (1)



    2015年 6月 7日 (日)


    その日は夏前にもかかわらず朝から気温が30度を超えた。

    東向きの杏の部屋の温度もお昼前には30度を軽く超えていた。

    南向きの媛の部屋は更に暑いはずだ。


    杏は一縷の望みを掛けて昼過ぎに史の携帯へ連絡を入れてみた。

    ルルル・・・・呼出音が暫く続きそのまま留守番電話に切り替わった。

    ついに杏は諦めた。


    次の日、新しい週が始まる。

    通常なら何の変哲も無い月曜日、医局はちょっとした騒ぎになった。

    講師でもある藤原 史が無断欠勤したのだ。

    携帯は繋がらず、実家へ連絡したが週末から戻って無いと云うことで医局長から杏へ直接確認が来た。

    杏との仲は医局では知らぬ者が無かった。

    杏は正直に6日の深夜、輝夜 媛宅から帰宅途中で史が急用を思い出しその場で別れた事を報告した。

    行方が全く解らない事で一層騒ぎになり、杏は困惑の表情を見せオロオロするばかりであった。

    仕事が手に付かないだろうと云う事で杏は勤務を外された。

    周りの好奇の目から逃れるように杏は病院を後にした。


    自宅に帰り着き一息付いていると美於士から電話が来た。


    「はい、どうしたのこんな時間に?」


    「杏姉さん・・・・どうしよう、どうしよう・・・」


    「なに?どうしたの?」


    「どういう事?・・・わかんないよ、杏姉さん・・・どうしよう・・・」


    「もう!何よ。くだらない相談ならまた今度にして。こっちは今それどころじゃ無いの。」


    「くだらない事じゃ無いんだ・・・媛ちゃんが・・・・」


    「もう、また媛ちゃんの事なの。もうそんなの自分で解決しなさい。切るわよ。」


    「待って!!杏姉さん、媛ちゃんが・・・」


    「いい加減にして!!!!」


    「ち、違うんだ・・・ううう、媛ちゃんが死んでるんだ・・・・」


    「な、何馬鹿な事言ってるの!冗談に付き合ってる暇はないの。」


    「違ううう・・・ホントなんだ・・・媛ちゃんが死んでるんだ・・・・」


    「何言ってるのよもう!史さんが居なくなって大変なんだから、冗談はまたにして!」


    「冗談じゃないってば!・・・杏姉さん・・・それに・・・藤原先生もここに居るんだ。」


    「な、なんですって!!!どうして史さんがそこに?・・・美於士、史さんに替わって!!!」


    「そ、それが・・・・史さんも死んでるんだ・・・・」


    「いい加減にしなさいよ!あんたそんな冗談言ってると殺すわよ!」


    「・・・杏姉さん・・・冗談じゃ無いんだ・・・2人とも死んでるんだ・・・・」


    「・・・・・嘘でしょ・・・・嘘よね・・・ねぇ、美於士!嘘よね!!」


    「・・・いや・・・ホントなんだ・・・。」


    「何処?あんた今何処にいるの?」


    「媛ちゃんの部屋・・・・。」


    「すぐ行く。」


    慌てた様子で電話を切って杏は部屋を飛び出した。

    車を飛ばし媛の部屋へと向かったが媛のマンションへ着いた時には既にパトカーや野次馬が周りに詰めかけていた。


    「スイマセン、通して下さい。」


    「ん?君は?」


    立ち番している警官から止められた。


    「あ、はい・・・中にいる安倍から電話を貰って・・・。ここの子は私の幼なじみです。それと・・・」


    言い掛けたところで中から声が掛かった。


    「あ~、田宮さんかな?」


    「あ、はい・・・そうです。」


    「うん・・・どうぞ、入って。」


    促されて部屋の中に入る。


    「杏姉さん・・・・」


    グッタリした美於士が杏に救いを求めていた。


    「一体何があったの?」


    美於士への質問だったがそれを遮り警官が遺体の確認を求めてきた。


    「すいませんが、先に確認をお願いします」


    「はあ・・・・」


    恐る恐ると云う感じで杏が毛布の掛かったベッドへと近づき、警官が毛布を上げる。


    なんと・・・2人の遺体は・・・全裸で折り重なっていた。


    杏は自分の目を疑った。

    そんな・・・いくらなんでもこんな姿で・・・・

    中学以来、15年振りに杏は失神した。




    閑話休題
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