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    週末は終末の予定~百鬼夜行抄 外伝 4(2)

     06, 2016 07:09





    そもそも4億円もの依頼金が出る案件とはどんな事件なのか?

    雀(今日子)の説明によると、依頼人は埼玉県川口市の助役で、緊急の案件(危険手当込み)である為,解決金では無く前金で全額支払う、それほど切迫した依頼だった。

    にも関わらずバカ雀は自分が車が欲しかったからと1週間もその事を内緒にしやがった。

    切迫した状況がこの1週間でどれくら悪化してるのか想像するのも恐ろしい。



    次の日、買った車で行きたがるバカ雀を叱り飛ばし、ついて来るのを嫌がったカラス(天狗➡見た目は文鳥)を引き連れ、勿論伝家の宝刀「春雨」も携えて現地へ向かった。

    鳩ヶ谷地区の入り口に位置する「S町」へ差し掛かかり今日子と軽口を叩き合っていると中心部方向から来た1台の車が僕らの目の前で停車した。


    「君たち・・・・この先には行ってはいけない。・・・・ゾンビが居るのだ。この車に乗りなさい、送ってあげるから」


    「え~~~!!ゾンビ~~???キャハハ、このおじさんおもしろ~い。おにま!ゾンビだってよ~~~。うっかり車乗ったらこのおじさんから食べられちゃったりして~」


    「あ、いや、そんな事はしない。・・・・確かにそんな話は信じられないとは思うが・・・だが本当なんだ。この道は進んではいけない。」


    彼は他に危機を伝える手段を思いつけず、訴えかける様な目をして声高に訴えた。


    「あら?・・・・おにま!なんか本当みたいだよ?どうする?」


    「ああ・・・・おじさん、ご忠告ありがとうございます。まあでも・・・大丈夫ですから・・・僕らの事はお気になさらずに逃げちゃって下さい。・・・ただ・・・・」


    「えっ?・・・大丈夫とは・・・・ただ、なんだい?」


    「あ、いえ・・・どうぞ、行っちゃって下さい」


    「・・・・・良いのか?乗っていかないのか?」


    「うん、おじさん、大丈夫だから、お気をつけて~。じゃあ~ねぇ~」


    怪訝そうな顔をしながら彼は車を発進させた。

    しかし、その先には政府がつい先程、事象原発地域の隔離を決定したため、その為の検問所が設置されていた。


    「う~ん・・・やっぱり、あのおじさんに検問所の事、教えて上げた方が良かったかなぁ~。」


    「・・・別にいいんじゃない。あのおじさん自身も危ないかもだし・・・おにまには関係ないじゃん。」


    「ま・・・そうだな。」


    おじさんの事は横に置いとくとしても、おじさんが言っていた「ゾンビ」の事はそうはいかない。


    「しかし・・・ゾンビかぁ~・・・・。厄介な事になりそうだな~。」


    それまで黙って肩に乗っていたカラス(天狗➡見た目は文鳥w)が、その一言でさっと飛び立ち・・・逃げた。


    「あっ・・・あいつ、また逃げやがった!!」


    「あ~~~!ずる~い!!・・・良いの?おにま。」


    「・・・ふん、帰ったら折檻してやる!・・・ただし・・・雀、お前も4億円分、折檻だぞ。」


    「え~~~~!!!やだ~。もう許してくれてもいいじゃない~。」


    「バカ言え!!4億だぞ、4億。一生分の金だぞ。・・・車なんぞに勝手に遣いやがって。」


    僕は根に持つタイプなのだ。

    そうこうするうちおじさんが言っていたレストラン(ドライブイン?)の前についた。


    「・・・おにま・・・なんか・・・妖気が・・・・。」


    「ああ・・・いかにもって感じだな。・・・ま、入ってみよう。」


    「・・・・・大丈夫なの?・・・・」


    「なんだ?怖いのか?・・・ハハハ・・・朱雀の癖に・・・最近まともに仕事してないから鈍ったのか?」


    「・・・失礼ね・・・鈍ってなんかないわよ。・・・フンだ。」


    ちょっとプンプンしながらスズメが入り口のドアを開けると早速ゾンビのお迎えだ。


    「い・しゃ・っら・い。・・・あ~ぐ~」(いらっしゃい。)


    死臭を漂わせながら2人を出迎えた。

    取り敢えず案内されたテーブルについてレストラン内を観察していると、先程のゾンビ店員が注文を取りに来た。


    「な・に・ん・ま・し・か・ま・す・・・ぐぶぶぶ」(なんにしますか?)


    テーブルに置かれた泥水入りのコップを手に取り眺めながら・・・


    「ちょっと待って。・・・決めたら呼ぶから。」


    「・・・あ、い・・・」


    ゾンビが背を向け歩き去って行く。


    「・・・おにま・・・妖魔がたくさんいるよ~。」


    「ああ・・・店員から客迄、全部だな。」


    「うん・・・どうするの?」


    「・・・ま・・・お前がなんとかするだろ?」


    「えぇ~っ?なんでぇ~!」


    不服そうに僕を睨む雀だったが、死者に憑りつく妖魔は基本的にレベルが低いので今日子で十分、僕が出るまでもないだろう。

    妖魔にも質の違いやレベルがある。

    朱雀の様に人間に悪さをしない(寧ろ守る)妖魔と(前回のお話しに登場した猫娘の様な悪さをする)妖怪・鬼の類・・・が質の違い。

    レベルで言うと式神の様な霊的に高いものと座敷童の様な低いものがいた。

    死者に憑りつく妖魔は基本的にレベルも質も最低だ。

    レベルが高い式神クラスだと死体を蘇生させて(死んだ妹を蘇生させて憑依した朱雀の様に)平然と人間界に溶け込む。

    レベルが低いとそれが出来ずに死体に憑りついてしまう結果になる。

    語り継がれる「蘇り伝承」の殆どがその例だ。

    あげくは腐って肉体は滅び、それとともに妖魔も滅んでしまう。
    (妖魔は憑依を繰り返すことは出来ないのだ。1回憑いたら他にはいけない。)

    憑りつく標的がいない奴はフラフラそこら辺を漂うはめになる。




    ちょっと観察したところ、このゾンビたちは悪さを仕掛けるつもりは無い様だ。

    しかし・・・まあ・・・人間様の勝手だがここは消えてもらうしか解決策が無さそうだ。


    「雀、喰え。」


    「あ、また雀ってぇ~。もう、私は朱雀!スズメじゃないもん!」


    「・・もう、メンドクサイから・・・早く、喰え。」


    「・・・・わかったわよ~・・・もう・・・ほんと面倒くさがり屋なんだから~」


    キュイ~ン!!!!!ピカッ!!!!


    朱雀が本来の姿を現す。

    一瞬でレストラン内は妖魔達(ゾンビ)の悲鳴で満ちた。


    憑依した妖魔をスズメが喰ったのであたり一面は死体の山になったが、取り敢えずこの場の処置はこれで終わり。

    しかしながら・・・問題はまだまだ山積している。

    なんでこんなに妖魔が蔓延っているんだ?



    レストランを出発して僕らは鳩ヶ谷地区の中心にある珍々堂医科大学に向かった。

    そこに大きな妖気を感じたからだ。



    閑話休題



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