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    週末は終末の予定~百鬼夜行抄 外伝 4(3)

     07, 2016 07:00


    地区の中心部である珍々堂医科大学に近づくと、鳩ケ谷全体を覆いつくす妖気の中心部である事がハッキリしてきた。

    大学の正門前で暫し観察する。


    「おにま・・・なんか、怖い。経験した事ないくらい妖気が大きいよ・・・・。」


    不安そうに今日子が呟いた。


    「・・・・う~ん・・・そうだな・・・・」


    確かに、今まで相手にしてきた妖魔たちが出していた妖気と比べると桁違いにその全体像は大きかった。

    しかし・・・僕はある違和感を感じてもいた。

    その違和感の正体は解らずにいたのだが・・・・。


    「ま・・・ここで立ち竦んでいても埒が明かないから、取り敢えず入ってみるか。」


    「う・・・・・ん・・・・」


    恐る恐る2人で学内へ。




    大学中心部にある交流スペースの一角にあるサークル用テラスで超常現象研究会のメンバーが今回の事件について検討会を開いていた。

    その個性的なメンバーは、最上級生の「珍宝 太」3年「保々下 伊代」・「御目溢院 多聞」2年「尾奈兄 舞伴」1年で留学生の「ジョージ・マグワイアー」の5人だ。

    それぞれの見解を述べ合い事態の究明を真剣に議論していた。


    「・・・・ところで、今週のセンテンススプリングに、”安倍御主人の予言の文”ってのが載ってたけど・・・みんなどう思う?」


    議長役の太がみんなの意見を聞いた。


    「あ、あれ・・・結構真実味あるよね~。とにかく全部当ってるし。多聞はどう思った?」


    まとめ役のお姉さんキャラの伊代がいつもの熱い視線を多聞に送る。


    「あ、・・・うん・・・そうだね。」


    「あは・・・多聞さん・・・もう諦めて伊代さんと付き合っちゃいなよ。」


    伊代の多聞へのアタックを実はうらやましく思っている舞伴が茶々を入れる。


    「オー!マイガー!伊代さん、多聞さんの事ラブなのですか~?」


    そこにジョージも加わり話が脱線し始めた。


    そこへカップルらしき2人が声を掛けてきた。


    「すいません・・・ちょっとお話をお聞きしたいんですけど・・・。」


    リーダーの太がそれに対応した。


    「はあ・・・何でしょうか?」


    「あ、はい、実は今回の事件について市役所から調査を依頼された者で、小泉と言います。こっちは妹の今日子です。」


    「あ、・・・探偵さんですか?・・・あ。綺麗な妹さん、どもです。」


    太のお世辞に今日子がはにかんだ。


    「・・・それで、今ちょっと聞こえちゃったんですが・・・安倍御主人の予言の文・・・週刊誌に載ったんですか?」


    「あ、はい。今週号に載ってました。それが何か?」


    「あ、はい・・安倍御主人は・・・まあ・・ご先祖様に当るもので・・・・。」


    「え~!!」


    一同が驚きの声を上げた。

    純一郎はてっきり安倍御主人の子孫だという事に驚いたのだと思ったがそうでは無かった。


    「へ~!じゃあ、安倍美於士(あべ みゅーじ)先輩の親類に当るんですね。」


    今度は純一郎が驚く番だった。


    「えっ?・・・美於士くん、この大学だったんだ!」


    「あ、やっぱり、親類なんですね?」


    「はあ・・・従兄弟です。」


    「へ~・・・世間って狭いですね。」


    美於士がこのサークルの先輩に当りその親戚と言う事で一気に打ち解けた。


    「・・・今美於士はどこにいますか?久々に会って・・・ついでに話も聞きたい。」


    「あ・・・・それが・・・・。」


    一同の顔がいきなり曇った。


    「あれ?どうかしました?」


    「はあ・・・それが・・・・。」


    顔を見合わせたメンバーたちが、話し難い事をそれぞれが分担してという感じで皆でちょっとづつ重い口を開いて事情を説明した。

    昨年夏前、美於士の恋人が従姉妹の婚約者とW二股関係になり、しかもそこにお金が絡んでグチャグチャな4角関係に陥った末・・・なんとその2人が揃って腹情死するという結末を迎えた。

    その後美於士は休職して行方が分からなくなった・・・・と。


    「う~ん・・・・全然知らなかったなぁ~。そんなことがあったなんて・・・。」


    「・・・僕らサークルの皆も結構心配してるんです。凄く優しい良い先輩だったんで。」


    「そうなんだ・・・・。あ、ところで、その従姉妹は今どうしてます?」


    「あ、田宮先生なら大学病院にお勤めされてますよ。」


    「田宮先生って言うんですね。・・・分かりました。色々どうもありがとうございました。」


    2人とも軽く会釈して・・・・大学病院へと向かう様だ。


    「・・・市役所が探偵使って何調べているんだろうね?」


    伊代の言葉に皆顔を見合わせ考え込んだ。





    「おにま・・・ここ、かなりヤバくない?」


    今日子が心持ち緊張の度合いを高めながら僕の顔を見る。


    「そうだな・・・・まあ・・・今回は早くもボスキャラ登場って感じだな・・・。」


    覚悟を決めて僕らは病院の中に入った。



    閑話休題

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