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    誰かがそばにいる  5

     17, 2012 07:00

    「ごめんなさい。ちょっとお話し聞かせて貰えるかな?」


    コンビニの前で、はしゃいでいる若者達に声を掛けた。


    「な~にィ?オバサン」


    香澄はいきなりオバサン呼ばわりされて面食らったが、この子達から見れば香澄はオバサンに分類される年齢なのだろう、と納得して苦笑しながら質問を続けた。


    「向こうにあるあのマンションなんだけど、何か変わった噂とか聞いた事ないかしら?」


    若者達の顔色が一瞬にして変わるのがわかった。


    「オバサン、何でそんな事聞きたいの?」


    香澄はあらかじめ考えていた口実を口にした。


    「あ、それはね、今度地元のタウン誌を作ろうと思ってるんだけど、最初の目玉企画に噂話の真相って云うのをやろうと思ってるの。

    それでちょっと怖い噂話を聞いたもんだから、本当の所はどうなのかなぁと思ってね。」


    「本当の所はって…ねぇ…。」


    若者達は顔を見合わせて誰かが話すのを待っていた。

    自分が話すのを嫌がっていたのだ。

    香澄は驚いた。

    今まで何度となくこういう質問を若者達にしていたが、今まではみな我先にと話し始めていたのだ。


    「お願い、教えて貰えない?少しだけならお礼も出せるから…どう?」


    リーダー格らしき男の子がやっと口を開いた。


    「まあ、噂だけどさ…。あの墓場マンションはさ…。」


    墓場マンション…まあよくある例えかもしれないが、香澄は流石にいい気持ちはしなかった。


    「とにかく、なんかがいるらしくって…

    端っこから順に人がいなくなって…

    いなくなった部屋は全部なんかの住み家になってるらしいぜ。…なぁ、そうだろ?」


    「うん、私も聞いた事ある。空いてる部屋の壁は黒い染みがいっぱいだって。」


    「私も聞いた!住んでる人、寄ってたかって恐い目に合わせるらしいよ~。」


    香澄は驚いた。

    寄ってたかって…って!


    「そ、その何かってたくさんいるの!」


    「だって…ねぇ。裏から来てるんでしょう…あれ…」


    「えっ!アナタ見た事あるの?」


    「 いや、みんな見た事はないと思うよ。でも、ここら辺の奴はみんな一度は墓場マンションのそば、夜通った時に追い掛けられた事あんじゃねえかな。」


    リーダー格の子の吐き捨てた言葉が、香澄に昨夜の恐怖を思い出させた。


    「恐い目って、どんな事されるのかしら?」


    誰もが目を伏せてしまった。


    「もう無理!他の人に聞いて!」




    一体何をされるのか!



    香澄は震えが止まらなくなった。




    つづく




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    こちらより




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